映秀。初の対バンツアーに向けたソロインタビュー&ゲストTENDRE、NakamuraEmi、崎山蒼志との対談3本 (4/4)

映秀。×崎山蒼志

崎山蒼志

崎山蒼志

石崎ひゅーいに感謝する2人

──映秀。さんと崎山さんは同じ2002年生まれです。

映秀。 僕が早生まれなので、学年は違うんですけど、マブダチです。

崎山蒼志 マブダチです(笑)。

映秀。 初めて会ったのは、2022年1月のレディクレのスピンオフ企画(「FM802 RADIO CRAZY presents LIVE HOUSE Antenna-GSシリーズ-」)ですね。僕がいきなり蒼志に話しかけて。

崎山 もちろん映秀。くんの楽曲は聴いていたんですけど、びっくりしました。「お、本物や。けっこうフレンドリーに来たぞ」と(笑)。で、一緒にタコ焼きを食べて、いろいろしゃべって。

映秀。 そのあとも連絡したかったんですけど、蒼志の携帯が壊れてたみたいで。連絡しても返信がないから、ガン無視されたのかと……。

崎山 してないしてない!(笑)

映秀。 しばらくしたら連絡が来ました(笑)。去年、「赤裸々」のライブ(「映秀。一夜限りのプレミアライブ『赤裸々』」)に石崎ひゅーいさんと蒼志を招待したんですよ。そのあと、一緒にごはん行ったり、サウナ行ったり。

崎山 僕らはひゅーいさんに本当にお世話になっていて、感謝しかありません。

左から映秀。、崎山蒼志。

左から映秀。、崎山蒼志。

ミスドで宇宙トーク

──お互いの音楽を知ったきっかけは?

崎山 映秀。くんが自分の曲をカバーしてくれて、その動画を観たのが最初なんですよ。

映秀。 「Samidare」ですね。

崎山 それがすごくよくて。好きな曲もいっぱいあります。「脱せ」もそうだけど、J-POPでありながら、いろいろな要素を取り入れていて自由自在な感じもいいなと。本当に素敵な出会いでした。

映秀。 うれしい(笑)。同世代のシンガーソングライターとの出会いってそんなにないから、蒼志は貴重な存在ですね。もちろん曲も好きだし、同時に「悔しい」という気持ちもあって。アイデンティティが強くて、憧れますね。話をするようになってから、蒼志も葛藤を抱えていることがわかってきて。自分がやりたいことや挑戦したいこと、周りからの「崎山くんって、こうだよね」というイメージとのギャップだったり。そんな話を聞いてから、「さらに仲よくなりたい」と思いました。

崎山 僕も同じですね。映秀。くんの歌詞は哲学的だなと思っていて、実際に会って話をしたときに「やっぱりそういう人なんだな」と。すごくいろんなことを考えている人だとわかって、腑に落ちた感じがありました。

映秀。 ミスタードーナツでドーナツ食べながら、宇宙について話したこともあったよね。

崎山 したね(笑)。あのときが一番深くしゃべったかも。

映秀。 そのあとはどうでもいい話ばっかりです(笑)。たまには真面目な話もしますけど、オンとオフ、どっちの状態でも居心地がいい関係ですね。あと、ウチに来てもらってセッションしたこともあるんですよ。蒼志がギターを弾いてくれて、アドリブで歌いました。そのとき気付いたんですけど、好きなコード感だったり、音楽の趣味が似てるかもしれない。

崎山 自由にやってるだけなんですけどね。遊びみたいな感じで。

映秀。 曲も作りたいね。ミュージシャンで共通の知り合いもけっこう多いんですよね。SMTK(石若駿、細井徳太郎、マーティ・ホロベック、松丸契によるバンド)の皆さんとか。

──マーティ・ホロベックさんは崎山さんのバンドメンバーで、石若さんは崎山さんと映秀。さん、どちらのレコーディングに参加していて。

映秀。 そうなんですよ。感性というか、音楽的にも似ているところがあるのかなと。

崎山 ジャズにも惹かれてますからね。

映秀。 2人ともフロントマンで歌う人なんだけど、楽器が好きだし、プレイヤー的な目線があるんですよ。ドランクビート(あえてズラしたビート)のこととかも、よく話していて。

崎山 音楽を全体的に捉えていると言いますか。僕もリズムを重視しているし、映秀。くんとはそういう話もできるんですよね。楽器もなんでもできますからね、映秀。くん。

映秀。 そんなことないよ(笑)。今思ったんだけど、DAWが使いやすくなったことも、音楽全体を意識するようになった理由なんじゃない?

崎山 自分でサウンドを作ると、いろんな部分に耳がいくからね。

映秀。 それも俺らの世代の特徴なのかも。

崎山 DTMの影響も大きいよね。

──お互いのライブの印象は?

崎山 さっき話に出た「赤裸々」のライブのときは、指揮者みたいでした。もちろん目の前の人に向かって歌ってるんだけど、バンド全体を取りまとめているというか。

映秀。 うれしい。あのときのライブはまさに指揮者の意識でやってたので。いろんなタイプがあると思うんですよ。「俺はいい歌を歌う。バックは任せた」という人もいるだろうし、ミュージシャンとコミュニケーションを取りながら、指揮者みたいにやる人もいて。「赤裸々」のライブは後者だったんです。

崎山 弦や管楽器も入って、ドランクビートも取り入れて。歌もめちゃくちゃうまかった。

映秀。 蒼志のライブは弾き語りしか観たことがないんだけど、とにかく生歌がよかった。音源を聴いてたときは「サラサラ歌う感じなのかな」と思ってたんですよ。実際はそうじゃなくて、スパーンと抜ける感じがあったし、ギターとの相乗効果もすごかった。「With ensemble」(アーティストとオーケストラのコラボレーションによるYouTubeコンテンツ)のパフォーマンスもすごかった。オーケストラでこんなにカッコよく歌えるんだ!って。

左から映秀。、崎山蒼志。

左から映秀。、崎山蒼志。

トークと演奏のギャップ

──対バンライブも楽しみです。崎山さんが参加するのは、2月19日のZepp Nagoya公演ですね。

崎山 呼んでいただけて、すごくうれしいです。どちらもバンド形式なので、まさに対バンだなと。ほんわかした雰囲気になるのか、バリバリになるのか……。

映秀。 しゃべりはほんわかだけど、演奏するとバチバチでしょ(笑)。

崎山 そうだね(笑)。観客として映秀。くんのライブを観られるのも楽しみで。今回のバンドはどんな感じなんだろう?

映秀。 ほとんど同世代のミュージシャンだね。いろんな形態で、いろんな人とステージに立って、それぞれによさがあるんだけど、同世代の人たちは聴いてきた音楽がどこか似ている。それがけっこうデカイんですよね。感覚が近いからこそ、すぐに通じ合えるというか。あと、できないことがあったり、想像通りにならないのも面白い。

崎山 そうなんだ。

映秀。 年上のミュージシャンは経験もあるから、すぐに形になって、あとはブラッシュアップするという感じで。今のバンドは根底から「どうする?」みたいな話になったりするんですよ。みんなで想像して作り上げていけるし、それぞれできないことを他の人が得意なことで補う感じもあるんだよね。

崎山 バンドっぽいね。自分もそういうことをやってみたい。ぶつかったりしながら音楽を作るのって、面白そう。ほかのアーティストのサポートギターもやってみたいです。

映秀。 わかる! 俺もコーラスとかやってみたい(笑)。

──ライブを楽しみにしている方に向けて、お互いの好きな曲を教えてもらえますか?

崎山 えー、難しいな。

映秀。 蒼志の曲、全部好きだからね。楽曲によって景色や表情が違うので……。あえて挙げるとしたら、「逆行」かな。メロディと歌詞はもちろん、ギターの音もいいし、ドラムも尖ってて。カバーしようと思っても、どうアレンジしていいかわからない。とにかく衝撃でした。

崎山 僕は「My Friend」が好きです。歌でリズムを付けているのが斬新だったし、クリアな温かさを感じる曲で。自分にはない要素なので、今後目指してみたいですね。

プロフィール

崎山蒼志(サキヤマソウシ)

2002年生まれ、静岡県浜松市出身のシンガーソングライター。2018年7月に初のシングル「夏至 / 五月雨」を発表し、同年12月に1stアルバム「いつかみた国」をリリースした。2021年1月にアルバム「find fuse in youth」でメジャーデビューを果たす。2022年2月にメジャー2枚目のアルバム「Face To Time Case」を発表した。最新曲は2022年12月にフジテレビ系で放送されたドラマ「瑠璃も玻璃も照らせば光る」の主題歌「My Beautiful Life」。

Tani Yuuki、キタニタツヤからのコメント

インタビューをやむを得ず欠席したTani Yuuki、キタニタツヤのコメントも掲載。映秀。へのメッセージや、対バンツアー「一味同心 2023」に向けた意気込みを語ってくれた。

Tani Yuuki

Tani Yuuki

映秀。の魅力は誰よりも音を楽しんでいるところだと思います。
映秀。のライブを見た時、野生感や力強さのようなものを歌声だったり、ステージング、演出、色々なところから感じました。
以前一緒に食事をした時に、
仲間へだったり世の中へだったり
音楽を通してしたいこと、
ヴィジョンがたくさんあって
僕よりも年齢が下なのにすごいなぁとリスペクトが増しました。
僕の数少ない音楽友達・映秀。からせっかく誘ってもらった対バンライブ。
最高のライブにしたいと思います。

プロフィール

Tani Yuuki(タニユウキ)

1998年生まれ、神奈川県茅ヶ崎出身。配信シングル「Myra」「W/X/Y」がティーンを中心に支持され大ヒット。その優しく切ない歌声と、恋愛に思い悩む日常を描いた歌詞がSNSで人気を集めている。2021年12月に自身初のアルバム「Memories」を配信リリースし、2022年4月にはタワーレコード限定でCD盤を発表。最新曲は2023年1月配信リリースの「燦々たるや」。

キタニタツヤ

キタニタツヤ

一見人懐っこく可愛い後輩然とした彼はしかしとても理知的で、幾つも年下とは思えないほど深い洞察から捉えた物事について僕に話をしてくれます(彼と遊びに行く時はいつも学ぶことばかり)。その聡明さはやはり作品にも反映されていて、緻密に練られた音像の上に、冷たさと熱、皮肉と人間愛が複雑に同居したリアルな歌詞が鎮座しており、僕は圧倒されています。彼の音楽が、自身の声楽のスキルを以ってどういった身体表現に落とし込まれるのか、とても楽しみです。

プロフィール

キタニタツヤ

1996年生まれ。2014年頃からネット上に楽曲を公開し始める。高いソングライティングセンスが買われ、作家として楽曲提供をしながら2017年よりソロ活動も行う。2018年にはバンドsajou no hanaを結成。同年9月にギター、ベース、プログラミングなど、マスタリング以外のすべての作業を1人で完結させたソロ作品「I DO (NOT) LOVE YOU.」をリリースした。2020年8月にソニー・ミュージックレーベルズよりニューアルバム「DEMAGOG」を発表。2022年12月には「化け猫」を配信した。

映秀。ライブ情報

一味同心 2023

  • 2023年1月28日(土)北海道 Zepp Sapporo
    <出演者>映秀。 / TENDRE
  • 2023年2月4日(土)福岡県 Zepp Fukuoka
    <出演者>映秀。 / NakamuraEmi
  • 2023年2月5日(日)大阪府 Zepp Osaka Bayside
    <出演者>映秀。 / Tani Yuuki
  • 2023年2月11日(土・祝)東京都 Zepp DiverCity(TOKYO)
    <出演者>映秀。 / キタニタツヤ
  • 2023年2月19日(日)愛知県 Zepp Nagoya
    <出演者>映秀。 / 崎山蒼志

プロフィール

映秀。(エイシュウ)

2002年3月17日生まれのシンガーソングライター。高校時代から作詞作曲を始め、2020年12月に1st EP「別解」をリリース。2021年3月に1stアルバム「第壱楽章」、10月に2ndアルバム「第弐楽章 -青藍-」を発表した。20歳の誕生日にあたる2022年3月17日に「縁(えにし)」を配信。2023年1月に「幸せの果てに」をリリースし、1月から2月にかけて初の対バンツアー「一味同心 2023」を行う。