音楽ナタリー Power Push - 新レーベル「EDP」P*Light×Ryu☆×かめりあ×kors k座談会
新レーベルで日本のダンスミュージックを世界に
書き下ろしの限界へ
──先ほどお話に出ましたがコンピ盤と同じ発売日に、かめりあさんのニューアルバム「MEGANTO METEOR」が同時リリースされます。計17曲中、15曲が新曲というすごく力の入ったアルバムが完成しましたね。
かめりあ 今資料を見て、改めて新曲の多さに笑っちゃいましたね。
Ryu☆ まさにレーベルのエンジンとしての役割を果たした1枚目だと思います。
かめりあ アルバムの曲を作っているときはあまりプレッシャーを感じていなかったんですけど、マスタリングの作業をしているときくらいに「あ、僕の盤が新しいレーベルから出るんだ」っていうことを実感して、そこからようやくプレッシャーを感じ始めて。
──なぜ新曲を15曲も用意することになったんですか?
かめりあ 最初に「書き下ろしの限界」っていうテーマをいただきまして。僕も「OKです」ってすぐ返事をしてしまったんですけど、前に同人で14曲書き下ろし曲を収録したアルバムを出したことがあるなって、あとから気付いたんです。すでに再録曲を2曲入れることが決まっていましたから、新曲を15曲書いて17曲入りにしないと、というのは考えていて。ただ僕はいろんな曲を作れるっていうのが自分の強みでもあると思っているので、17曲あってもジャンルの被りをなるべくなくして、いろんなダンスミュージックを皆さんに届けられたかなと思っています。
kors k かめりあくんの曲は手数が多いよね。それで曲数も多いんだからやっぱりすごい。
かめりあ 例えば5曲目の「Singularity」っていう曲は、ダブステップを取り入れたわりとストレートなダンスミュージックなんですけど、カットアップがすごく激しくて。その部分は音ゲーの手数の多さを意識して作ってますね。ダンスミュージックを根っこにして作ったものが多いんですけど、上物は音ゲーっぽい手数の多いサウンドで構築して。
Ryu☆ 17曲もあって曲順を考えるのに苦労しなかった?
かめりあ けっこう悩みましたね。例えば「Witness of Eternity」っていう曲がCM用に作った力の入った曲なので、この曲を前に持ってくるか後ろに持ってくるかですごく悩んで。結果として、この曲はあえて2曲目に持ってきたんです。これから先どうなるのか期待を持たせられるんじゃないかなって。それと最後の曲「ウィー・ラヴ・ハードコア」も悩みました。けっこう攻撃的な激しい曲がいっぱい収録されているので、最後はすごくエモい感じの曲にしてピースフルな感じで終わるようにしました。
“かめsk”やろうよ
──今後はどういうアイテムがリリースされるんでしょうか?
Ryu☆ 各自のソロ盤を発表していくほか、コラボ名義での企画盤とかも出してみたいんですよね。
kors k “かめsk”とかやろうよ。僕のコラボ、みんな「○○sk」になっちゃうんだけど(笑)。
かめりあ ぜひ一緒にやりたいです!
Ryu☆ プロデューサーの立場に立って、エンタメ業界ではサプライズの力が一番大切だなと実感しているんです。だからできるだけインパクトのある企画を皆さんに届けたいと考えています。ぜひご期待いただければと思います。
収録曲
- POWER STORM / KSUKE
- Hibana / Nhato
- Chuck Chuck / Masayoshi Iimori
- Temple Riot / HyperJuice
- Hydrangea(ravemania mix) / REMO-CON
- yamabiko / かめりあ
- WAM / Hommarju
- P.I.o.t.S. / Xceon
- Turn Round / DJ WILDPARTY
- Seasonable hours / KAN TAKAHIKO feat. Numb'n'dub
- Distant Summer / kors k
- Runaway Tonight / DJ Shimamura
- FUNNY SUMMER VACATION / P*Light
- Over Drive / Ryu*
- Burning Oasis / BlackY
- Pica Pica / RoughSketch
収録曲
- THE LAUNCH OF THE MEGANTO METEOR
- Witness of Eternity
- Bass Weapon: LAZERFLAME
- Glitch Nerds(from EDP Presents ravemania)
- Singularity(The Day When The A.I. Becomes More Human Than Human)
- NEURO-ROCK-OUT
- Nightmare of Hornets Squad
- Devil's tattling
- MEGANTO METEOR
- イーディーエム・ジャンパーズ(from EDM Extreme) / かめりあ feat. ななひら
- Glasya-Labolas / かめりあ VS. PHQUASE
- FIRETHROWER
- kodama
- Free To Free / Quarks
- Enantiomorphs
- Berserkerz' Warfare 345
- ウィー・ラヴ・ハードコア / かめりあ feat. ななひら
- EDP presents ravemania / MEGANTO METEOR Release Party
- 2016年8月21日(日)東京都 CIRCUS Tokyo
- <出演者>
Ryu☆ / kors k / かめりあ / HyperJuice / DJ WILDPARTY / and more
Ryu☆(リュウ)
男性トラックメーカー。2000年、KONAMIの音楽ゲーム「beatmania IIDX 3rd style」の公募に送った楽曲が同ゲームに採用され、以来「beatmania」シリーズの主力クリエイターとして活躍。2009年にRyu☆名義の1stアルバム「starmine」を発表して以来、ゲームのサントラを多数手がけている。またその一方でトラックメーカーStarving Trancerとプロデューサーユニット、Another Infinityを結成。「beatmania」シリーズに楽曲を提供するほか、女性ボーカリストDaisy×Daisyの歌うテレビアニメ「FAIRY TAIL」のオープニングテーマ「永久のキズナ」を制作し、Another Infinity feat. Mayumi Morinaga名義でアニメ「ゆゆ式」エンディングテーマ「Affection」を発表している。2016年2月、ベストアルバムとして「Ryu☆BEST -STARLiGHT-」「Ryu☆BEST -MOONLiGHT-」の2作品を同時リリース。また同年4月には自身が主宰する新レーベル・EDPを新設した。
kors k(コースケ)
音楽プロデューサー、アーティスト、DJ。10代の頃からシンセサイザーで楽曲制作を始め、2000年にKONAMIの音楽ゲーム「beatmania IIDX 4th Style」に提供した「Clione」でデビュー。「beatmania」シリーズの主力トラックメーカーとして楽曲を提供し続けながら、アニメ関連の楽曲やJ-POPのリミックスなどを手がけ、トータルで400曲以上におよぶ楽曲群を世に送り出している。teranoidやEagle、StripE、Ryu☆とのユニット・The 4thといった名義でも活動。現在はDJとしてクラブやイベントのステージでも活躍しており、国内のみならずアメリカやアジア各国でもライブを重ねている。2014年6月に、アルバム「Let's Do It Now!!」をリリース。2015年3月に前作のリミックス音源と新曲を収めた「Let's Do It Again!!」を発表した。
P*Light(ピライト)
2007年より音楽制作を開始。トラックメーカー、DJ、リミキサーなど活動は多岐にわたり、KONAMIの音楽ゲーム「BEMANI」シリーズに多数の楽曲提供を行っている。beatnation RHYZE、HARDCORE TANO*Cといったレーベルのメンバーとしての活動のほか、自身のレーベル・pichnopopより精力的に音源を発表している。
かめりあ
音楽プロデューサー、トラックメーカー。2013年に行われたKONAMIの公募企画「KONAMI Arcade Championship 2013」のオリジナル楽曲コンテストで、最優秀賞を獲得。2014年に設立された音楽レーベル・beatnation RHYZEの一員となり、音楽ゲーム「BEMANI」シリーズに数々の楽曲を提供する。2016年4月にはkradnessとのユニット・Quarks名義でのミニアルバム「Dualive」を発表。また同年7月にはRyu☆が主宰する新レーベル・EDPよりニューアルバム「MEGANTO METEOR」をリリースした。