ナタリー PowerPush - DUSTZ

1stアルバム「TROIS」はLIMP BIZKIT参加の話題作

歌詞にフランス語を入れてもいいんだ

──アルバム序盤の流れはバッチリですね。あと、カバーと言えば、シャンソンのスタンダードナンバー「Ca c'est Paris」のカバーも収録されていますよね。

Ray この曲は「Brilliant Day」のカップリング曲として収録したんですが、この曲もDUSTZにとって大きな意味のある曲でした。

──それはどういった部分で?

Ray 「歌詞にフランス語を入れてもいいんだ」と気付くことができたんです。フランスでは6月21日が音楽の日(Fete de la Musique)という記念日で、2009年にそれに関係するフランスでのライブイベントに出演させていただけることになったんです。その年はシャンソン50周年ということで、日本から呼ばれたアーティストもシャンソンをカバーしようということになりまして。その当時、僕は美輪明宏さんの舞台のお仕事をさせてもらっていたので、美輪さんに相談したんですね。「バンドアレンジでシャンソンを歌いたいんですが、何がいいと思いますか?」って。そうしたら、(美輪明宏のマネをしながら)「うん、バンドアレンジなら『Ca c'est Paris』がいいわね」って教えていただいたんです。

──モノマネの部分は文章ではちょっと伝わりづらいと思いますけど(笑)。

Ray すみません、美輪さんの話になるとどうしても美輪さんの口調になってしまうんです(笑)。まあ、そういうきっかけがありまして、フランスでのライブでこの曲を歌わせてもらいました。その後、シングルのカップリングに入れるためにレコーディングしたわけですが、極悪なアレンジにしようかという話から、「マリリン・シャンソン」というシャレも兼ねて(笑)こういうアレンジになりました。

──この曲から歌詞にフランス語を使い始めて、現在のDUSTZの歌詞の世界観ができあがったんですね。

Ray はい。そういう意味でも重要な曲なんです。

既発シングルも今のDUSTZの音にしようと思った

──再び曲順の話に戻りますが、シングルの置き場所というのも悩みどころだと思います。実際はどうでしたか?

Ray 悩みましたね。特に1stの「Break & Peace」と2ndの「Brilliant Day」が。デビューシングルの「Break & Peace」は2年前の曲ですし、今のDUSTZのサウンドとは全然違いますからね。

KenT 1stシングルなので、1stアルバムには入れたいじゃないですか。それだったら今のDUSTZの音にしようと思ったんです。シングルでリリースした音源をそのまま収録するとアルバムの中で完全に浮いてしまいますから。ちなみに、今回のミックスではベースは弾いてなくて、シンセベースを使いました。

Gus 普通のベースだとロック感が強くなり過ぎるから、打ち込みやデジタルな感じを表現するためにはシンセベースのほうがいいんじゃないかって話になったんです。

Ray 「Brilliant Day」も4人の頃のシングルなので、これも違うミックスのものを収録しました。ちなみに、「Break & Peace」のボーカルは録り直しはせずに、シングルのときのものを使っています。

──そうなんですね。そういう意味では、現在と2年前をつなぐ曲だと言えるかもしれないですね。

Ray はい。そして、1st、2nd、3rdシングルを最後に並べることによって、アルバム中盤の曲順も自然と決まりました。僕らの曲にはバラードが少ないんですけど、「Orphee」というバラードがあるので、それを真ん中に持っていって、アルバム全体の流れを作ったんです。序盤で盛り上げて、中盤ではちょっと落ち着いた感じも見せつつ、最後は昔の曲を新しい顔で見せて締める。何か、未来につながるストーリーを感じませんか?

──終盤にシングル曲のミックス違いを収録した意味がしっかりと伝わってきました。リリース後、12月18日には東京・代官山UNITでリリースパーティも予定されていますが、どんなライブになりそうですか?

Gus とにかく盛り上がってもらいたいです。聴かせる曲は聴かせて、メリハリを付けてお客さんとの一体化を目指していきたいですね。

KenT Gusと同じで、僕たちが一体になれるようなライブになればいいなと思ってます。

Ray 歌える人は一緒に歌ってほしいし、曲を知らなくても叫んだりして楽しんでもらいたいです。僕らも楽しみますよ!

メジャー1stアルバム「TROIS」 / 2011年12月14日発売 / Epic Records

  • 初回生産限定盤 / [CD+DVD] 3500円(税込) / ESCL-3797~8 / Amazon.co.jp
  • 通常盤 / [CD] 3059円(税込) / ESCL-3799 / Amazon.co.jp
CD収録曲
  1. Toi=Moi:▽
  2. spiral
  3. Fantasista
  4. Re:member
  5. FLY
  6. Orphee
  7. Ca c'est Paris
  8. ホシクズメイロ ~Lost in star DUSTZ~
  9. Border Line
  10. Criez
  11. Break & Peace
  12. Brilliant Day DJ BASS Low -Life-Dogs Mix
DVD収録内容
  • 「Criez」ビデオクリップ
  • 「Swallow」ビデオクリップ
  • 「spiral」ビデオクリップ
DUSTZ(だすつ)

Ray(Vo)、KenT(G)、Gus(B)からなるスリーピースバンド。全員が日本とフランスのハーフで、同じフランス人インターナショナルスクールに通っていた幼馴染み同士で2005年に結成。ミクスチャーロックをルーツとするタフなサウンドで耳目を集める。2008年にインディーズよりシングル「Future」を発表した後、2009年5月にシングル「Break & Peace」でメジャーデビュー。同年、フランスで行われた音楽祭に招聘され、現地のライブでは数千人を動員する。2010年にドラムが脱退し、現在の3人編成に。12月からクリエイティブディレクターの小島穣二、舘鼻則孝、塩内浩二のタッグによるキービジュアルを採用し、妖しくファッション性の高いビジュアルが話題を呼ぶ。2011年12月、1stアルバム「TROIS」をリリース。