メンバー脱退を経ての「フードファイターズ」

──展示会や舞台公演ののち、12月には新シングル「BOY」の発売と無料ワンマンの開催が決まりましたが、リリース前に小林4000さん、ファック松本さんの2人が脱退しました。

先輩　いろいろ理由はあったんですけど、2人とも「辞めたい」って言ったので。それは止めなかった。

──そのような状況の中、無料ワンマンは6人編成で開催され、無事苦境を乗り切りましたね。

浜　フードファイターズでの活動があったおかげです。

──フードファイターズは昨年から活動を開始した改名バンドですが、なぜどついたるねん名義ではなく、こちらの名義で活動していたのでしょうか？

浜　メンバー2人が抜けて大きく編成が変わったので、これまで披露してきた曲も担当楽器を変更しないといけなくなって。それを試すためにフードファイターズ名義でライブを行ったんです。

ワトソン　どついたるねんとして新曲はやりたくなかったけど、人前で緊張感を持って演奏してみたかったから。

浜　無料ワンマン前のフードファイターズのライブで編成を大幅に変えたんです。年明けには鼻くそのムニエルに名義を変更してライブを行ったんですけど、フードファイターズとはまた違う編成で演奏しました。

先輩　今後も名前とか編成を変えてやるかもしれないですね。

全部ノリっす

──「YouTubeで毎日新作映像を公開」「AV撮影しながらフリーライブ」「6008曲入りアルバムの制作」など、変わった企画に挑み続けていることもどつの魅力の1つに挙げられると思います。こういった企画はどんな経緯で実施してきたんでしょうか？

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うーちゃん　周りの人たちが面白いアイデアを考えて、やってみないかと誘ってくれたのがほとんどです。俺らはそのオファーを断らないで、とにかくやり続けてきただけで。

──皆さんは一時期、作品ごとにレゲエ、フォーク、ラップ、R&Bなど特定のジャンルに特化した楽曲を制作してきました。ここまで音楽ジャンルが変わっていったのはなぜ？

うーちゃん　そのとき作ってみたいジャンルの音楽を作ったらこうなったんだよね。

ワトソン　ノリっす。

先輩　そうそう。全部ノリ。

──DaBassさんと浜さんはもともとブラックミュージックがお好きとのことですが、お二人が加入する前のどつの楽曲には、あまりそういった要素はありませんでした。なぜどつに興味を持ったんでしょうか？

DaBass　音楽性というよりメンバーの雰囲気ですよね。俺はパンクは全然通ってこなかったんですよ。

ワトソン　加入したときは「The Vibratorsしか聴いたことない」って言ってて。

DaBass　それでも惹かれるものがあったんだよね。みんなすげえ面白かった。

──浜さんは？

浜　僕は「1986」って曲を渋谷WOMBで披露したときのライブ映像を観て、どつを知ったんです。めちゃくちゃなことしてて、着てる服も奇天烈でボロボロのズボンを履いてたり。当時山ちゃんとうーちゃんはスキンヘッドだったから、メンバーも判別できなかったし。でも歌詞が面白くて思わず歌っちゃうような曲が多くて、そこが気になったんです。

──以前「どついたるねん映像祭」というイベントで浜さんがクイズコーナーに出演している姿を見たことがあるのですが、ほぼ全問正解していましたね。あとはファンと一緒にレコーディングする公開録音イベントにも参加していたり、相当好きなんだな、という様子が当時からよくわかりました。

浜　公開録音にはファンとして遊びに行ったんです。アーティストってファンから見たら怖いイメージがあると思うんですけど、どつのメンバーはお菓子をくれたり、優しかったんですよ。

──もともとジャズサークルでドラムを叩いていたそうですが、どつの楽曲ではハードコアパンク調の楽曲も多くあります。慣れるまで大変だったのでは？

浜　それはみんなが鍛えてくれたので。おかげで腕も太くなりました。