「Technics×CIRCLE '22」特集|デジタル世代のyonawoが語るレコードの魅力 (2/3)

バンド結成のきっかけはビートルズ

──では、ここからは持って来ていただいたレコードを聴きながら話を伺いたいと思います。まずはThe Beatlesの両A面シングル「Come Together / Something」。このシングルを選んだ理由は?

斉藤 さっきも言いましたが、僕と荒ちゃんが仲よくなったきっかけが、2人ともビートルズが好きだったからなんです。サッカーのチームで出会ったんですけど、帰り道が同じ方向だったので、一緒に帰りながら音楽の話になって、iPodを見せ合ったんです。そしたら、「あ、ビートルズあるやん!」って盛り上がった。僕の周りでビートルズを聴いてる奴がいなかったんです。

The Beatles「Come Together / Something」ジャケット

The Beatles「Come Together / Something」ジャケット

荒谷 俺の周りにもいなかった。バンドを始めたいと思ったのは、ビートルズを聴いたからなんです。そしたら雄哉に出会って、ギターが弾けるっていうから、これはもうバンドを結成するしかないと思いました。それで同じサッカーのチームにいた友達を誘ってバンドを始めた。その友達の名前“ヨナオ”が今のバンド名になったんです。

斉藤 ビートルズは今も聴いていて一番影響を受けたバンドですね。僕と荒ちゃんだけじゃなく、この2人(田中と野元)もビートルズが好きで、最近「Something」をバンドでカバーしたんです。ライブでオリジナルの2倍の尺でギターソロを弾きました。

荒谷 ジョージ・ハリスンのソロのライブでこの曲をやったとき、エリック・クラプトンがゲストで参加して2倍の尺でギターソロをやったんです。それと同じアレンジでやりました。

──2枚目のレコードはビートルズつながりで、ジョン・レノンとオノ・ヨーコの「Double Fantasy」です。どの曲を聴きましょうか?

荒谷 じゃあ、「Beautiful Boy」で!

John Lennon & Yoko Ono「Double Fantasy」ジャケット

John Lennon & Yoko Ono「Double Fantasy」ジャケット

──4人の中ではジョンが好きなんですか?

荒谷 ビートルズを知る前に、ジョンの曲を聴いてたんです。「Imagine」とか有名なやつを。最初に顔と名前を覚えたのはジョンなんですけど、最近はポール・マッカートニーが好きですね。ポールのソロをけっこう聴くようになって、曲を作るときに影響を受けてます。

左から斉藤雄哉(G)、荒谷翔大(Vo)。

左から斉藤雄哉(G)、荒谷翔大(Vo)。

斉藤 音楽的な影響はポールのほうかもしれんね。ジョンはカリスマっぽい。僕は最近、ジョージ(・ハリスン)のソロをよく聴きます。

荒谷 ほおー。

斉藤 聴けば聴くほどジョージのギターのすごさがわかる。自分がプレイヤーになったからこそわかるようになったのかもしれないですね。

──田中さんと野元さんは誰派ですか?

田中 僕はポールですね。曲もいいけどベースもすごい。「そんなことベースでできるんや!」って驚かされます。「Something」でも「ジョージのこと、なんて思ってるん?」っていうくらいベースを弾き倒すんです。

斉藤 ジョージの曲やのにギターを食いにいっとるよね。

田中 でも曲として成立しているのがすごい。

──斉藤さんがジョージ、田中さんがポールということは、野元さんはリンゴ?

野元 リンゴも好きですけど、ジョンですね。ビートルズを聴き出す前、中学生の頃からジョンを聞いていたので。家にジョンのCDがあって、それでハマったんです。

野元喬文(Dr)

野元喬文(Dr)

──ジョンからビートルズに入るという流れが多いんですね。そんな中で、今回「Double Fantasy」を選んだのはどうしてですか?

斉藤 去年、東京で「ダブル・ファンタジー展」を観て、ジョンのことがこれまで以上に好きになったんですけど、オノ・ヨーコさんにも興味を持ったんです。それまではオノ・ヨーコさんがどういう人なのか知らなくて、「なんでジョンは日本人と結婚したんだろう」って思ってた。でも「ダブル・ファンタジー展」を観てから、オノ・ヨーコさんの作品をいろいろ調べたりするようになって、アーティストとしての魅力がわかるようになったんです。

浮気心が湧かないターンテーブル

──ヨーコさんの魅力に開眼したわけですね。最後の1枚は、yonawoの7inchシングル「ijo」です。

斉藤 この曲は7inch用のミックスになっていて、配信にも出してないし、CDにもしていないから、これを買わないと聴けないんです。ひさしぶりにこうして聴いてみると、やっぱりいいですね。

yonawo「ijo」ジャケット

yonawo「ijo」ジャケット

田中 ドラムのスネアもカッコいい。

斉藤 俺のミックスだったらシンセとかクラリネットはあまり聞こえないんですけど、このEPだとけっこう爆音で鳴ってていいですね。

──そういえば、yonawoは4月にデモ音源を集めたアナログ「305」を300枚限定でリリースしましたね。クリアヴァイナルというところがスペシャル感がありました。

斉藤 黒盤もカッコいいですけど、デモ集って遊びみたいな感じで出してるから、モノとして面白い方がいいなと思ってクリアにしました。クリアとかカラーヴァイナルって欲しくなるんですよね。

yonawo「ijo」のクリアヴァイナル。

yonawo「ijo」のクリアヴァイナル。

──それもレコードならではの魅力ですね。今回、「SL-1200MK7」を使ってみていかがでした?

斉藤 今僕らの部屋にあるのもTechnicsなんです。だからすぐに使えるし、使っていて安心感がありますね。

田中 機能がシンプルで表示もわかりやすい。プレーヤーでレコードを聴くのは最初は敷居が高そうだったけど、すぐに使い方を覚えました。レコードに針を乗せるときは緊張するけど(笑)。

野元 初めての人でもすぐ使えそう。

斉藤 周りのレコードが好きな人は大抵Technicsを使ってるし、「これ持っとけば大丈夫!」という安心感があります。

荒谷 僕はTechnicsしか知らないからなあ。これを持っていれば、ほかのプレーヤーを使いたいとは思わない。浮気心が湧かないというか(笑)。