PlayStation®4の新作ソフト「Destiny 2」のプロモーションムービー「『Destiny 2』Live Action Dance Trailer "Freestyle Playground"」が完成した。公開直後から国内のみならずアメリカのユーザーの間でも話題となり、YouTubeでの再生回数はすでに300万回を超えている。
「Destiny 2」は2015年に「英国アカデミー賞」のゲーム部門でベストゲーム賞を受賞した「Destiny」の続編にあたるアクションゲーム。プロモーションムービーはさまざまなプレイスタイルで楽しめる「Destiny 2」の世界観を実写で表現した作品となっており、RADIO FISHのメンバーであるSHiNやムーンウォークの世界王者・堀野一穂など、総勢39名のダンサーがゲームに登場するキャラクター“ガーディアン”に扮してダンスセッションを繰り広げている。
彼らのダンスを盛り上げるのは、TeddyLoidが今回の映像のために書き下ろしたオリジナル楽曲。音楽ナタリーでは“コアゲーマー”を自称するTeddyLoidに「Destiny 2」の魅力、そして切っても切れないゲームと自身との関係について語ってもらった。
取材・文 / 大橋千夏 撮影 / 大橋祐希
時は来た
──まずは「Destiny 2」をプレイしていただきましたが、いかがでしたか?
最高ですよね。前作「Destiny」をプレイしていると、回想する演出が入ってニヤリとさせられる部分もあって。正統進化を遂げているというか、いいナンバリングタイトルだなと思いました。
──なんでも前作は100時間以上プレイされたとか。
だから今回のオファーをいただいたときはもう、「時は来た」って感じでした(笑)。そもそも僕はBungie(アメリカのゲームソフトウェアデベロッパー)の大ファンで、「Halo」シリーズに関しては世界大会に出たこともあるんです。「Destiny」も発売前から注目していました。MMO(大規模参加型オンラインゲーム)とFPS(一人称視点シューティング)の要素が合体したメジャータイトルってそれまでなかったし、「自分で運命を切り開いていく」というテーマ自体がすごくカッコいいなって。壮大な世界観もTeddyLoidの活動とつながるところがあって、「これはやらなきゃ!」ってワクワクしてたんです。
──TeddyLoidさんのゲーム愛がよく伝わりました。実際の楽曲制作はどのように進められたんですか?
実はこの話をもらったときはワールドツアーの真っ最中だったんです。だから不安はあったんですけど、「絶対やりたい」と思って日本のスタッフの皆さんとやりとりを進めていきました。監督から綿密な絵コンテとラフの動画をいただいていたので、制作自体はとてもやりやすかったですね。楽曲はオーストラリアのシドニーで、滞在していたホテルに篭って作りました。
海外のフレンドから「おい、このビデオ観てみろ!」
──楽曲のイメージはどのようにすり合わせていったんですか?
今回はゲーム内のエモートダンスに注目したミュージックビデオのような映像にしたいと聞いていたので、それぞれのダンスに合わせてイメージを固めていきました。原始系のダンスパートにはコンガなどパーカッションの音を多めに入れてみたり、ヲタ芸の部分には生ドラムを入れて打ちやすくしたり。2、3分の短い尺の中でいろいろなセクションを作るのは大変でしたけど、「僕がこのシーンをプレイするならこういう音が鳴っていてほしいな」と想像しながらの作業だったので、終始楽しくて。
──特に注目してほしい部分はありますか?
やっぱり「勝利に向かう」と歌っているラップパートから、サビに向けて盛り上がっていく部分は聴きどころだと思います。「Destiny 2」の壮大さや共闘感が表現できたと思うし、歌とトラックの相性がすごくよくて。僕もいろいろなゲームのトレイラーを観ているんですけど、今回のできあがりには本当に驚きました。
──出演されているダンサーも豪華ですし、ゲームに出てくる衣装が完璧に再現されているのもすごいと思いました。
ダンサーさんのパフォーマンス、素晴らしいですよね。音楽と映像とのシンクロを楽しんでもらえると思います。あとこれはすごくマニアックなところなんですけど、最後にゲームタイトルがドーンと出るときの音やタイミングもかなりこだわって作ったので、注目してほしいです。あそこは「THE トレイラー」って感じがすると思います(笑)。
──細部までTeddyLoidさんのこだわりが詰め込められているんですね。
はい。今朝も世界中のフレンドから100通以上連絡が来ていて、何かと思ったら「おい、このビデオ観てみろ、すごいぞ! 曲がいいぞ!」って、トレイラーについての感想が(笑)。中には僕がTeddyLoidだということを知らないフレンドもいるんです。心の中で「いや、あの、僕が……」と思いながらも、うれしかったですね。
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ゲームをしながら曲ができる
- PlayStation®4「Destiny 2」
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2015年に英国アカデミー賞ゲーム部門でベストゲーム賞を受賞した「Destiny」の続編にあたるアクションゲーム。強大な軍団「レッドリージョン」の総監督・ガウルに地球を侵略された人類を守り故郷を取り戻すため、プレイヤーは“ガーディアン”の1人としてレッドリージョンに立ち向かう。
- TeddyLoid(テディロイド)
- 1989年8月23日生まれの男性アーティスト / 音楽プロデューサー / DJ。18歳でMIYAVIのメインDJ / サウンドプロデューサーとして13カ国を巡るワールドツアーに同行した。2010年には☆Taku Takahashi(block.fm / m-flo)とともにテレビアニメ「Panty & Stocking with Garterbelt」のサウンドトラックを担当。翌2011年には柴咲コウ、DECO*27とともにgalaxias!を結成し、アルバムを発表した。2013年にはももいろクローバーZの楽曲「Neo STARGATE」でアレンジを担当したほか、同年4月の「ももいろクローバーZ 春の一大事 2013 西武ドーム大会」ではDJとしてもライブに参加。さらにMEGやマドモアゼル・ユリア、TEMPURA KIDZ、Yun*chi、the GazettE、SuGなどさまざまなジャンルのアーティストの楽曲プロデュースやアレンジ、リミックスを手がけている。2013年8月からは自身のオフィシャルサイトで、「BLACK MOON RISING」と銘打たれた連作を発表。2014年7月にキングレコードの新レーベル「EVIL LINE RECORDS」とアーティスト契約し、翌8月にワンコインCD「UNDER THE BLACK MOON」、9月に初のオリジナルアルバム「BLACK MOON RISING」をリリースした。2015年9月にはももいろクローバーZの楽曲をリミックスしたアルバム「Re:MOMOIRO CLOVER Z」を発表。同年12月に中田ヤスタカ(CAPSULE)、池田智子(Shiggy Jr.)、HISASHI(GLAY)、小室哲哉、志磨遼平(ドレスコーズ)、佐々木彩夏(ももいろクローバーZ)ら豪華ゲストを迎えた2ndアルバム「SILENT PLANET」をリリースした。2016年からは「SILENT PLANET 2 EP」シリーズを配信リリース。KOHH、ボンジュール鈴木、アイナ・ジ・エンド(BiSH)らとコラボ楽曲を発表している。