新アルバム「超重ギガ」での確かな成長
──そんな勢いに乗るデラックス×デラックスですが、6月11日には2ndアルバム「超重ギガ」がリリースされます。
サクラ 前作「千紫万紅」に比べると、まず単純に音が垢抜けましたね。昭和のテイストがベースにあるバンドではあるんだけど、音色、ミキシング、マスタリングといった部分を変ええたんです。ですから、かなり今どきのサウンドになっているんじゃないかなと。
アサガオ 前の「千紫万紅」が沖縄でやっていた6年間の集大成だとしたら、今回の「超重ギガ」は東京に出てきた我々が全国ツアーを回って大きくなった2年間の記録。ボーカル面に関しても、幅が広がりました。前はフルスイングで振り回すパワフルな歌い方だったけど、今は力を抜いたり優しく歌ったりするようになりました。“柔”と“剛”の両方を手に入れたことで、さらに最強になってしまったと言いますか。
──収録されるのは全14曲。非常にバリエーションが豊かです。
スズラン 個人的には、自分の作った曲が初めてフルアルバムに収録されることになったので、それがすごくうれしいですね。この4年間を熟成させた渾身の1曲です。ミュージックビデオにもなっている「春色」という曲なんですけど。
──胸キュン系のラブソングですよね。MVもホロっと来ました。
サクラ だったら、14曲目の「この旅が終わるころには」も自分としては思い入れがあるなあ。ひさしぶりに自分で作詞と作曲を担当したんですけど、「アサガオに歌ってもらいたい曲がようやく作れた!」という手応えがありました。アルバム全体としてもエモい要素が必要だし、そこにピッタリとハマるようなロッカバラードに仕上がっています。
アサガオ あたしは14曲どれも大好きだけど、1曲選ぶとしたら「シーヤ!!!」。意味は「See Ya!!」で、寂しいというよりは前向きな別れを歌っている曲です。実はもともとまったく別の歌詞が付いていたんですけど……福井でライブやったときに急に声が出なくなったことがあるんです。そのとき本当に悔しくて、ホテルに戻るなり歌詞を全部書き換えました。自分へのエールにもなっているし、聴く人を励ますメッセージにもなっているはずです。これに関してはアサガオというキャラクターではなく、素の自分が出た曲といえるかもしれません。それと、「この旅が終わるころには」は寂しい世界観のはずなのに、スケールが壮大なんですよ。本当に我々ならではのバラードができたなと思っています。これまで意外にがっつりとしたバラードはなかったんですけど、X JAPANさんで言うところの「Forever Love」とか「ENDLESS RAIN」みたいな決定打が出たなという充実感があります。
スイレン 今回のアルバムはセルフプロデュースなんですけど、全体の構成から細かいフレージングまで、本当にメンバーだけでスタジオにこもって決めていったんですよ。演奏とかアレンジの部分では、自分たちなりに挑戦した部分がすごく多いですね。「千紫万紅」はインディーズっぽい粗削りな魅力があったけど、「超重ギガ」はもっと洗練されていて誰でも楽しめる内容になっているんじゃないかと思う。
──アレンジは、スタジオに入りながら全員で詰めていく流れなんですか?
サクラ 僕は最初に自分1人で作って、みんなの意見を聞いてから反映させていくタイプ。アレンジはスタジオで変わることもあるけど、実際にライブでやってみて変わることが多いです。
アサガオ 「ノリがよかったから、ここのリズムはこう変えよう」とか「歌いづらそうだったから削ろう」とか。
スイレン 普通、アーティストってアルバムを作ってから、それを披露するツアーをやることが多いですよね。でもデラデラの場合、逆なんです。ツアーで曲のアレンジを固めていって、育ったものをアルバムに収録するという流れなので。
──SPの皆さんからも、アルバムの注目ポイントがあればお願いします!
ラシ デラデラの楽曲は、初見でも簡単に踊れる曲が盛りだくさんでして。ライブでも曲の1番を聴いたら、2番に入った頃にはお客さんも一緒に盛り上がれるように作られているんです。だからアルバムを聴くときは、「この曲はライブでどう盛り上がるんだろう?」って想像していただくとうれしいですね。実際のライブでは、その想像を超えるパフォーマンスを披露しますので。
9月のZeppワンマンと“祭り荒らし”としての矜持
──ここまで話を伺っていても、とにかくライブを最重要に考えるバンドだということは伝わってきました。ライブで力点を置いているのはズバリどういうところになりますか?
サクラ 例えば照明への指示が1曲ごとにすごく細かくあるんです。それはPDF化もされていて、「この曲の〇秒から〇秒では、このメンバーにスポットを」みたいなお願いがびっしり書かれている。そんな調子だから、リハーサルもほかのバンドよりも長くて。立ち位置も「ギターソロのときはどう動く?」みたいな動線確認をしたり、ダンスする際の横幅の確認をしたり……。
シダ 照明の色とかも細かく口出ししますからね。
サクラ やっぱり人数が多いグループだからこそ、見え方にこだわりたいんです。視線を集中させたい場面で、ほかのところに視線が集まるような感じにはしたくなくて。
アサガオ ライブは「どれだけ没入させられるか?」という勝負でもあるから、そうするとどうしても細かい部分にこだわらざるを得ないんですよね。
──本当の意味でプロ集団ですね。SPのライブに対するこだわりは?
シダ 自分としては、バンドのメンバーや会場のお客さんすべてを含めた中、「この空間で一番楽しめているのは俺だ!」という気持ちでいます。1つの曲には歌詞とかストーリーとかいろんな情報が詰まっているけど、自分はそのメッセージの具体性を一段上げるイメージで踊っています。
ラシ 僕はシダとは逆。全体を見渡しながら、冷静に引いていることが大きいかもしれない。不自然に目立ちすぎないように意識しています。あくまでも全体のパッケージが重要なので。メンバーそれぞれに個性がありつつも、絶妙なバランスが保てていると思います。
コク 段取り的なことで考えることはたくさんあるけど、基本的な部分で一番大事なのは笑顔だと思っていまして。ステージで不安な顔していたら、お客さんまで不安になっちゃうじゃないですか。楽しいライブなんだから笑顔でいることが大事だなって、最近は特に感じています。
──さて、9月には大きなライブが控えていると伺っています。意気込みをお願いできますか?
アサガオ 9月14日にZepp Osaka Baysideで、9月20日にはZepp Haneda(TOKYO)でワンマンをやります。Zeppはバンドマンにとって絶対に通りたい会場の1つ。特別な場所だからこそ、溜まっているやりたいことを全部やってやろうと考えています。これはまだ細かいところが発表できないんですけど、豪華ゲスト陣とのコラボも考えています。
サクラ これまでの集大成的なライブになることは間違いないです。あとは大きなフェス出演の話も実は来ているんですよ。デカい会場って単純に燃えますよね。今からテンション上がっています!
コク 沖縄時代からお祭りにはいっぱい出てきたんですよ。沖縄4大祭りのすべてでトリをやらせていただきましたし。
シダ 2、3万人規模のお祭りもありましたからね。ある意味、“祭り荒らし”かもしれない(笑)。
アサガオ まあフェスも結局はお祭りみたいなものだから、この夏は思いっ切り暴れてやりますよ!
公演情報
爆裂!!ギガントスイングツアー番外編
- 2025年9月14日(日)大阪府 Zepp Osaka Bayside
- 2025年9月20日(土)東京都 Zepp Haneda(TOKYO)
デラックス×デラックス「爆裂!!ギガントスイングツアー」
- 2024年12月1日(日)大阪府 ユニバース
- 2024年12月8日(日)東京都 日本橋三井ホール
- 2024年12月22日(日)愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
- 2024年12月28日(土)沖縄県 ミュージックタウン音市場
- 2025年3月8日(土)千葉県 KASHIWA PALOOZA
- 2025年3月20日(木)愛媛県 松山サロンキティ
- 2025年3月22日(土)香川県 高松MONSTER
- 2025年3月23日(日)広島県 広島セカンド・クラッチ
- 2025年3月29日(土)神奈川県 YOKOHAMA ReNY β
- 2025年4月5日(土)静岡県 LiveHouse 浜松 窓枠
- 2025年4月11日(金)岐阜県 CLUB ROOTS
- 2025年4月12日(土)愛知県 ElectricLadyLand
- 2025年4月20日(日)北海道 CASINO DRIVE
- 2025年4月27日(日)大阪府 サンケイホールブリーゼ
- 2025年5月5日(月・祝)北海道 cube garden
- 2025年5月6日(火・振休)北海道 cube garden
- 2025年5月10日(土)埼玉県 HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-3
- 2025年5月11日(日)埼玉県 HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-3
- 2025年5月15日(木)鹿児島県 SR HALL
- 2025年5月17日(土)熊本県 Django
- 2025年5月18日(日)福岡県 BEAT STATION
- 2025年6月1日(日)沖縄県 沖縄コンベンションセンター劇場棟
- 2025年6月7日(土)長野県 NAGANO CLUB JUNK BOX
- 2025年6月8日(日)山梨県 甲府Conviction
- 2025年6月14日(土)東京都 東京キネマ倶楽部
- 2025年7月19日(土)兵庫県 MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
- 2025年7月20日(日)兵庫県 MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
- 2025年7月26日(土)茨城県 mito LIGHT HOUSE
- 2025年8月3日(日)新潟県 GOLDEN PIGS RED STAGE
- 2025年8月10日(日)宮城県 仙台MACANA
- 2025年8月11日(月・祝)福島県 郡山CLUB #9
- 2025年8月31日(日)三重県 M'AXA
- 2025年9月5日(金)岩手県 Club Change WAVE
- 2025年10月3日(金)岡山県 CRAZYMAMA KINGDOM
- 2025年10月5日(日)広島県 LIVE VANQUISH
プロフィール
デラックス×デラックス
バンドメンバーのアサガオ(Vo)、スイレン(G)、スズラン(B)、サクラ(Dr)、“SP”ことパフォーマーのコク(中央守備)、シダ(上手守備)、ラシ(下手守備)で構成された沖縄発の歌謡パフォーマンスグループ。バンドメンバー4人の総体重は555kg。2016年に初ライブを行い、沖縄県内外のイベントに出演。2019年に1stシングル「飼いならされたいの」を発表し、沖縄の音楽フェス「PEACEFULL LOVE ROCK FESTIVAL」のオーディションライブでグランプリを獲得する。同年10月に1stミニアルバム「女を月に例えるなんてハレンチね。」を発表。「飼いならされたいの」が日本テレビ系「バズリズム02」で紹介され、話題になった。2023年2月に拠点を東京に移し、3月から全国ツアー「白花繚乱ツアー」を開催。6月に1stフルアルバム「千紫万紅」を発表した。継続的にツアーを行いながら、2024年3月にフジテレビ系「千鳥の鬼レンチャン」にアサガオが出演し、そのビジュアルと歌唱力が話題に。2025年2月にはニッポン放送「デラックス×デラックスのオールナイトニッポン0(ZERO)」でパーソナリティを担当した。6月に2ndアルバム「超重ギガ」を発表。9月に大阪・Zepp Osaka Bayside、東京・Zepp Haneda(TOKYO)でのライブを控えている。
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