ルーツが沖縄であることの意味
──沖縄出身のデラックス×デラックスですが、沖縄の音楽シーンって今はどんな感じなんですか?
サクラ そのへんはジャンルとかエリアによっても全然違うんです。ただ、うちらはどこでも浮いていましたね(笑)。
アサガオ どこのシーンにも属せなかったから、最初から自主企画でワンマンをやるしかなかった(笑)。「突然変異」とか、周りによく言われましたし。
──上京したのはどういう理由からなんですか?
アサガオ それはシンプルな話で、東京は人口が多いからライブの動員も増えやすいだろうというだけ。東京での動員が沖縄の動員を超えたタイミングで東京に来たんです。東京に拠点を移しても、どこにも属せないという状態は変わりませんでしたが(笑)。
サクラ ホント、バンドの友達とか少ないもんなあ(笑)。
アサガオ まあでも恵まれていますよ。ワンマンでお客さんが増えたら、それに越したことはないですし。だって最終的にはワンマンでドームとかの大きな会場を埋めたいわけですから。最初から我々のわがままを許してくれた今の事務所と出会えたのが、すごく大きかったですね。めっちゃ手厚くサポートしてくれています。
──冗談めかして「友達がいない」とか言っていましたけど、逆に「このチームで完結している」という見方もできるのでは?
アサガオ それはありますね。メンバーみんなでシェアハウスに住んでいるんです。“デラハ”という今にも恋が始まりそうなネーミングなんですけど。
シダ まったくもって始まらないよ! でも、組織化している部分は確かにあるんです。例えば僕だったらデザインとかイラストを担当するし、ラシはSNSやドライバーを担当、コクがメイク担当という感じで。
──スタートアップ企業みたいじゃないですか!
アサガオ そうなんですよ。ボチボチ法人化しようかと企んでいるくらいです(笑)。
──自分たちが沖縄出身のバンドだと実感することはありますか?
アサガオ 最近特に強く感じます。全国ツアーで富士山とか、初めて見るような畑とか、沖縄とは違う感じの海とかを見て感動するたび、あたしが育った沖縄は日本の中でも独特だったんだなって気付かされるんです。最近リリースした「ダイナミック琉球」なんかは沖縄出身の我々だからこそ歌詞が体に染み込む部分があるし、歌っていても体重が乗るんですよ。このグループにとって沖縄出身というのはけっこう大事な要素じゃないかと思います。
カロリーの高さは意識の高さ
──デラデラと言えば、体重も話題になりますよね。大相撲の新弟子検査じゃないですけど、楽器隊については加入の際に「何kg以上じゃないとダメ」とか規定があるんですか?
アサガオ もちろんあります! スイレンなんかは最初100kg台が安定しなかったので、1年くらいサポートメンバー扱いでした。サラダとか食べていたら「おいおい、ずいぶん意識低いな」とか言って、ラーメンを食べさせる。ラーメンをすすり終わったら、今度はどんぶり飯……みたいな。
サクラ 「最低限、100kg」というのは暗黙のルールとしてありましたね。
スイレン おかげさまで今は130kgかな。気付いたらサクラさんの体重を軽く超えていました。
アサガオ あたしと一緒に住む時点で、勝手にどんどん体は大きくなっていきますからね。
シダ そういえばこの前、ひさしぶりに実家に帰ったら親に驚かれたんですよ。「あんた、どんだけ食べるの!」って。茶碗がやけに小さいので山盛りによそっていたら、それにもびっくりされちゃって。「普段はこういう茶碗を使っているんだよね」って写真を見せたら、「それは茶碗ではなく丼と言います」って呆れられました。いつの間にか感覚がバグっていたみたいです(笑)。
アサガオ あたしの座右の銘は「カロリーの高さは意識の高さ」。“カロリー=エネルギー”なので、元気になりたかったらカロリーは必須なんです。ただ、その考えを強制する気は別にないし、痩せたい人は勝手に痩せればいいと思いますよ。でもデカいほうが派手でカッコいいとあたしは考えているから、それを貫いているだけであって。“非日常感”というのがエンタメでは大事なので。あたし、175cmで175kgなんですよ。身長と体重の数字が同じ人って、街を歩いていてもなかなか見かけないでしょうから。
──確かに力士を目撃すると妙にありがたがるおばあちゃんとかいますからね。
コク 本当にそれと同じで、ライブハウスでもアサガオの前には両手を合わせて拝んでいる人がいるんですよ。デカいってことは、ありがたいってことですから。
──資料には「総体重が555kgに増加」などと書かれていましたが、健康面は大丈夫なんでしょうか?
サクラ 健康なんて二の次! そんなことチマチマ気にしていたら、こんなバンドやれませんよ!
スイレン もちろん健康診断を受けたら必ず「痩せてください」とは書かれるけど、そこまで不健康ってわけではないんです。
サクラ 確かにね。“動けるデブ”って感じだしね。週2回以上がっつりスタジオに入って、それ以外にライブも繰り返しているわけだから、運動量は相当なものになっているはずです。汗もたっぷり流していますし。
アサガオ よく誤解されるんですけど、そこまで極端な大食いではないんです。ましてや早食いはまったくできない。フードファイターの方とか、テレビで観ていても「すげえな!」って圧倒されちゃいますから。
サクラ あの大食いは完全にスポーツ! うちら、大食い界の中ではあまちゃんもいいところだよね(笑)。
アサガオ 我々、意外にお上品にゆっくり食べるんです。ごはんはおいしく噛み締めて楽しみたい派(笑)。
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新アルバム「超重ギガ」での確かな成長