ベテランの意識は1mmもない

──今回のアルバム全体を通して思ったことなんですが、池森さんの歌詞ってキャリア20年以上の今でも、いい意味で変わらないですよね。キラキラしていて、青春ド真ん中の学生が聴いても共感できるくらいわかりやすくて、それってすごいことだなって。普段どんなことを意識して詞を書いてるんですか？

池森　おお、いい質問だ！ そんなふうに感じてもらえるのはうれしいね。

田川　これはいい答えを返さなきゃ（笑）。

池森　そうだね（笑）。まず僕らはアマチュア時代から一緒にやってたグループではなくて。デビュー曲「このまま君だけを奪い去りたい」ありきでDEENというプロジェクトがスタートして、そこには歌を歌う人、楽器を弾く人、スタッフ……いろんな人がいるんですけど、そこで初めて会った人たちと20数年続けてこられたのは、たぶんみんなの根底にDEENというものへのリスペクトがあるからなんじゃないかなって。列車に例えるなら、DEENというプロジェクトに僕らが付いていき、時には引っ張り……といったような適度な緊張感を持った関係性を常に意識しているから、ちょっと落ち着いた歌詞になることはないんじゃないですかね。20数年やってても、自分がベテランみたいな意識は1mmもないですし。

──なるほど。

池森　あとは日本武道館とか大きいステージに立つようになったことも大きいかな。ああいうステージに立つと、「もっと疾走感のある曲をお願いします」ってスタッフからオファーが来たりして、それってすごくうれしいことだし。そういうことがあるから、“若返る”とまではいかなくても、こうして変わらずにいられるのかなって。

──そうなんですね。ただ池森さん自身もデビューから年齢を重ねているわけで。感性が鈍らないように努力していることってあるんですか？

池森　それがこれといってなくて。しいて言うなら作品を楽しんで作ることと新鮮さを忘れないことですかね。僕、いまだにDEENの作品に取り組むときって新鮮な気持ちなんですよ。

──それは先ほどおっしゃった、適度な緊張感みたいなものも影響してそうですね。

池森　ああ、そうですね。あと今回は前作が洋楽カバーアルバムだったこともあって、余計にそう感じたのかもしれないです。

素晴らしいアルバムという自負がある

──8月28日からはこのアルバムを引っさげた全国ツアー「DEEN LIVE JOY-Break19 ～全開恋心!!～」、10月11日には日本武道館でのワンマンライブが控えています。最後にステージへの意気込みをお願いできますか？

田川　今回も素晴らしいアルバムができたと自負しているので、それを生で体感してもらうことで、より自分たちが伝えたかったものが説得力を持った形で皆さんに伝わればいいなって。武道館に関しては、ツアーを経て楽曲がよりブラッシュアップされた状態でお届けできるんじゃないかと期待しています。

池森　このアルバムは今までで一番バンド感が出ているというか、ボーカリスト、ギタリスト、キーボーディストの顔や各々のスタイルがすごく前に出た作品だと思ってて。それがライブでも自然な形でパフォーマンスできて、年々若返ってるねって思ってもらえるようなステージになればいいかな。

山根　アルバムが7月29日発売で、ツアーの初日まで約1カ月あるので。皆さんには聴き込んで来ていただきたいし、田川も言ったように、それが実際のパフォーマンスでどうなるか自分たちも今からワクワクしているところなので。みんなで楽しんで、一緒に盛り上がれたらうれしいですね。