カップリングはトーンの異なるリミックス3曲

──シングルのカップリングにはsasakure.UKさんとfhánaさんとi-depさんによる、3者それぞれのリミックスが収録されています。

sasakure.UKさんの「ゆめゆめ」リミックスは、彼らしいチップチューンなアレンジでしたね。実は同じレーベルと事務所に所属する仲間なんです。4月に発売される彼のアルバム「幻実アイソーポス」のミックスやマスタリングに立ち会ったんですけど、すごい作品でした。

──へえ！ 立ち会われたんですね。

やっぱり気になるんですよ。sasakure.UKさんの前のアルバムはオール打ち込みだったんですけど、今回ドラムやベース、ギターやボーカルを迎えているんですね。しかも、ボーカリストの1人として、Sotte BosseのCanaさんが参加しているのが気になるポイントでした。

──そして、DECO*27さんの作品では、Sotte Bosse のリーダーのi-dep（ナカムラヒロシ）が「愛言葉」のリミックスに参加しているという。

ナカムラヒロシさんは去年、とあるイベントを観に来ていただいてまして。そのときに初めてお会いしたんです。そのときにはまさか自分の曲のリミックスをやっていただけるとは思っていなかったので、今回こうして参加してもらえて、うれしかったですね。

──fhánaさんによる「二息歩行」のデジタルポップなリミックスもたまらないですね。ギターとシンセのハーモニーが心地良くて。

やばいですよね。デジタルな混ざり具合も最高です。原曲がロックじゃないですか？ そのカッコ良さは残したまま、素晴らしいリミックスをあげてくれて、ホント感謝してます。

初めてボーカロイドを知ったのはlivetuneの楽曲がきっかけ

──ところで最近、マスメディアも初音ミクを積極的に取り上げるようになった現象をどうとらえていますか？

ニコニコ動画やYouTubeなどで盛り上がっているクリエイティブなシーンを、テレビや雑誌などいろいろなメディアが取り上げてくれるようになったことで、普段ネットを見ない世代にも届くようになるのは、すごくいいことだと思ってます。

──確かにそうですよね。作り手の表現力もどんどん進化してますし。

僕が初めてボーカロイドを知ったのは、kz（livetune）さんの楽曲がきっかけだったんです。すごい衝撃を受けて、それでボーカロイドの曲を自分でも作ろうと思ったんです。新しいクリエイターがボーカロイドを使って、いろんな楽曲を発表してくようになるとうれしいですね。

──ボカロカルチャーって、日本発の文化であり、音楽的にも革新性のあるムーブメントだと思うんですよね。

そうなんですよ。ボーカロイドも最初は、初音ミクのキャラクターを活かしたキャラクターソングが多かったんですけど、次第に作る人たちの個性が出てきたんですね。今のような、作り手であるクリエイターにまで関心が広がっている状況は、ボーカロイドを使って曲を作る行為が、文化になってきたからだと思うんですね。

好きなアーティストには名前に数字が入ってる

──そういえばDECO*27さんは、3rdアルバムも制作中だそうですね。

昨年の3月くらいから、アルバム全体のコンセプトは固まってて全曲デモも作り終えてたんです。でも昨年後半は、柴咲コウさんのツアーとgalaxias!の制作がほぼメインだったので、DECO*27としての制作があまりできなくて。今年に入ってからまとめて時間をいただきました。制作はとても楽しいですね。

──完成がとっても楽しみです。では最後に、DECO*27さんはkzさん（livetune）以外にどんなアーティストをリスペクトされているのか教えていただけますか？

僕は、BLINK-182（※アメリカのポップパンクバンド）のトム・デロングが大好きなんです。ギターのオクターブ奏法とか、アルペジオとか、パワーコードの使い方とか、もろに影響を受けてます。なので名前にも数字も入れているんです。DECO*27って。

──数字の理由はそこからなんですね。

あとSUM 41も好きですね。好きなアーティストにはやっぱり名前に数字が入ってるのかな（笑）。