DEAR KISS|歌とダンスに自信あり メジャーデビュー曲は会心のディスコファンクナンバー

5人組ダンスボーカルユニット・DEAR KISSがVictor Entertainmentよりシングル「ダンスはキスのように、キスはダンスのように」をリリースし、メジャーデビューを果たした。

昨年7月に元ラストアイドルの山田まひろが加入し、新体制での活動をスタートさせたDEAR KISS。磨き上げた歌とダンスで魅せるライブパフォーマンスを武器とする彼女たちは、昨年からのコロナ禍の中、今年1月に約10カ月ぶりの有観客ライブを行い、念願のメジャーデビューが決定したことをファンに報告した。音楽ナタリーでは5人にインタビューし、メジャーデビューに際しての心境や現体制のDEAR KISSの強み、ディスコファンク調の「ダンスはキスのように、キスはダンスのように」の注目ポイントなどを語ってもらった。

取材・文 / 近藤隼人 撮影 / 高橋佑樹

常に元気や勇気を与える側でありたい

──現在の5人体制になって約9カ月、グループの結成からは約5年が経ちました。今のグループの空気感、活動のモチベーションはどんな感じですか?

四島早紀 まひろは加入したときから新メンバー感がなく、昔からいたメンバーみたいな雰囲気があって。そんな中、メジャーデビューも決まってとてもいい状態で活動できています。

山田まひろ 私としてはここまでがあっという間すぎて、もう8カ月も経ったんだという心境です。自分は人見知りなんですけど、みんな優しくて明るくて、いつも笑顔でいられる環境なので楽しく活動できています。

ののこ 家族以上に一緒にいるし、DEAR KISSはメンバーにとってすごく落ち着く場所なんですよ。くだらないことでいつも盛り上がっていて。

──DEAR KISSはそれぞれに別のグループでの活動の経験があり、即戦力であるメンバーたちが第2のアイドル人生を歩むべく集まったというイメージがあります。ここが初めてのグループではない分、落ち着いて活動できているんでしょうか。

伊山摩穂 そうかもしれないですね。私が前にいたグループは大人数だったので、そこでは自分自身の個性を出すことがあまりできなくて。パフォーマンス中もそうですし、トークなどの面でも1人ひとりがフォーカスされる場面が少なかったんです。そういう意味ではDEAR KISSは自分の色を引き出せる素敵な環境だと思います。

山田 私も前のグループがすごく大人数だったので、DEAR KISSに来て同じことを感じています。

齋藤里佳子 私が初期メンバーとしてもう5年もDEAR KISSにいて思うのは、今の5人はすごく個性が豊かということです。パフォーマンス中は団結して1つになるんですけど、それぞれの色がバラバラなことはグループとしての強みになっていると思います。

四島 私はDEAR KISSでプレイングマネージャーを務めているんですけど、メンバーみんなに実力があるので、あまりその立場から言うことがなくて。それぞれ自由に活動していて、自分の強みを生かせていると実感しています。

──そのほかに、DEAR KISSのグループとしての武器や強みを挙げるとしたらなんでしょう?

四島 ほかのアイドルさんも同じように言われるかもしれないですが、一番はやっぱり歌とダンスですね。そこに自信があります。

齋藤 あと、アイドルグループと言うとポップでかわいい曲を歌っているイメージが一般的には強いと思いますが、DEAR KISSはメンバー全員が20歳を過ぎている大人なグループなので、そこも武器にしていて。大人っぽいセクシーな楽曲や切ない表情で表現する楽曲も多く歌っていて、表現力に強みがあると思います。

ののこ 正直、ほかのアイドルさんと比べて歌とダンスが飛び抜けてすごいとまでは言えないんですけど、どんな人にでも好かれるようなグループになりたくて、そのために歌とダンスをさらに磨いていきたいと思っています。若いアイドルのファンの方たちには成長過程を楽しみたいという気持ちがあると思うんですけど、私たちはもうそういう段階ではないので(笑)、安定したクオリティのパフォーマンスを見せられるようになりたいんです。応援してもらうというよりは、常に元気や勇気を与える側でありたいというか。

伊山 DEAR KISSはみんなパフォーマンスを自分のものにするのが早い気がします。それぞれ経験してきたものがたくさんあるので、振りとかの飲み込みのペースが早くて、新曲をライブで初披露するときには完璧に自分たちのものにできているのがこのグループの強みでもあると思います。

山田 私は前のグループにいたとき、大人数だったのもあって振り入れに毎回9時間くらいかかっていたんですよ。それがDEAR KISSに来たらみんな振りを覚えるのがあっという間で、感動しました。あと、前はライブの頻度がそんなに多くなくてテレビの企画が中心で、それのためにレッスンをがんばってた感じだったんです。一方、DEAR KISSは毎週のようにライブがあって、毎回メンバーみんながステージ上での仕草や表現を変えていて衝撃を受けました。私はライブの経験値が高くなかったので、加入当初は焦る気持ちもありました。

すべてがいいタイミングだった

──山田さんが加入したとき、すでに世の中はコロナ禍の真っただ中で、今年1月の東京・TSUTAYA O-WEST公演まで有観客ライブを開催できない状態でした。その期間はどういう気持ちで過ごしていましたか?

山田 ライブではどういう感じで盛り上がるんだろうとか、そういうこともわからなくて。有観客ワンマンをやって、目の前にお客さんがいるのといないのとでは、何もかもが違うことに気付きました。O-WEST公演はいつも以上に曲数が多かったんですけど、緊張よりもファンの方の前でパフォーマンスできるワクワクのほうが大きかったです。

──ほかの皆さんは1月のワンマンのとき、どういう心境でした?

伊山 それまで無観客ライブを重ねていたこともあり、目の前にファンの方がいるのがなんだか新鮮に感じられました。無観客ライブでカメラに向かってパフォーマンスする経験をたくさん積んできたので、お客さんが声を出せない環境でも戸惑わずにしっかりライブができたと思います。この1年間があったからこそ、すごくいいワンマンになったんじゃないかなって。まひろちゃんの加入も含め、すべてがいいタイミングだったと思います。

──この1年間が決してブランクになっていたわけではないと。

伊山 新体制になってすぐお客さんの前に立ってしまうと、メンバー間の練習期間の差とかがどうしてもパフォーマンスに出てしまうと思うんですが、コロナ禍の影響で練習する時間はたっぷりあって。すごくいい状態になってからこの5人体制をお客さんにお見せすることができました。

齋藤 まひろが入ってきてから無観客ワンマンをやるまでの期間、毎週のようにネットサイン会をやっていて。ライブがなくても応援してくださる方がすごく多くてうれしかったです。でもその反面、ステージに立つのが自分の仕事だと思って活動してきたので、これからもファンの方が付いてきてくれるのか心配な気持ちもあったんですよ。そんな中、10カ月ぶりに有観客ライブを開催できて、その中で皆さんの顔を見てメジャーデビューを発表できたのはよかったですね。人数制限はあるものの、たくさんのファンの方が来てくれましたし、改めてこれからも付いてきてほしいと伝えることができました。

──メジャーデビューは皆さんにとってずっと待ち望んでいたものだったんですか?

ののこ はい。でも、メジャーデビューさせていただくことがすごくうれしい反面、ファンの方に会っていない期間にその話が決まったので、「みんなも同じように喜んでくれるかな……?」と心配だったのも確かです。でも、不安に思われないように有観客ワンマンでいいものを見せようと気合いが入ったし、発表したらみんな喜んでくれてうれしかったです。