「DEAD POP FESTiVAL 2018」特集|MAH(SiM)×Taka(ONE OK ROCK) 盟友に見せたい、自分たちが作り上げてきた景色

「また出たい」と思ってもらえる2日間に(MAH)

──ではそんなアベンジャーズのような仲間たちがそろう「DEAD POP FESTiVAL」への意気込みを聞かせてください。

Taka 同じ時代を生きてる、僕がすごくリスペクトするバンドの主催のフェスに出られる喜びを噛み締めたいです。あと初めて目にするいろんな景色が広がってると思うので、それを受け取りにいきたいです。お客さんに向けてちゃんとパフォーマンスするのはもちろんなんですけど、それよりも自分がそのステージに立てることが楽しみ。とにかく楽しみたいですね。

──MAHさんはいかがですか?

MAH(SiM)

MAH お客さんは味方してくれると思うので、気張らずに楽しむつもりで、ナチュラルにステージに上がれたらいいなと思います。あとONE OK ROCKに初めて「DEAD POP FESTiVAL」の光景を見てもらうので、「これだったらまた出たい」と思ってもらえるような2日間にしたいなと。ONE OK ROCKだけじゃなくて出てくれるすべてのバンドに対してそうですけど。

Taka 毎年、2日間ちゃんと寝てる?

MAH 寝てない寝てない。ステージ立つときにはもうヘロヘロだよ。

Taka 寝てほしい! 俺らがやってる間、寝て!(笑)

MAH でもね、それも含めて終わったあとはとてつもない達成感と言うか充実感があって。実際に動いてくれるのはスタッフだし、自分らはただ乗っかってるだけなんだけど。「今年もよかったなあ」って思えるのはみんなのライブがよかったからだから。それでも全バンドのあとに俺らが出て行って、「結局SiMが一番カッコよかったね」って思ってもらえるライブにしたいなと思ってます。

尊敬し合えるからこそステージで戦う関係でいたい(Taka)

MAH 今後ってどうするの? 世界は広いからさ、まだそんなにお客さんが入らないところもあるでしょ? そういうところでもドームツアーみたいなことを目指していくの?

Taka うーん……どうだろうね。海外でも活動したくてワールドツアーを行っているのに、まだまだ結果が付いてきてないっていう現状もあって。洋楽に寄せるか、俺らは日本のバンドだからこのままでいくかっていう狭間で戦ってる。振り切ってみるのは簡単だけど、そこをファンが理解してくれるかどうか……。

MAH そっか。それは大変だなあ。

Taka でも俺はなんでもやってみないと気が済まないタイプだから、今年は振り切ってやってみようかなって思ってる。それで肌に合わなければやめればいいし。SiMの今後は? すごい気になる!

──前回のインタビューではバンドの失速を感じて、悩んでいるということをおっしゃっていましたよね(参照:SiM「A / The Sound Of Breath」インタビュー|今を耐えて前へ 「龍が如く」と重なる自身の葛藤)。

Taka(ONE OK ROCK)

Taka え! 本当に? なんでなんで?

MAH うーん……ファンのことを考えすぎてたって言うか……。

Taka SiMはファンにすごい優しいもんね。

MAH そうなんです(笑)。だから例えば曲を作るときに難しいフレーズを考え付いたとして「これ、ファンの子たちに伝わるかな?」って考えちゃうわけ。自分がカッコいいと思っても、「これはファンには厳しいだろうなあ」と思ってボツにしちゃってて。要は人のことを考えすぎてたんだよね。本当はモチベーションを保つためにも、思いついたものをそのまま投げ付けたいんだけど、最近は「これを投げてもいいんだろうか、傷付く人はいないんだろうか」とか、そういうロックアーティストらしからぬことを考えていて。そういう優しさによってお客さんは増えたんだけど、本当は思い付いたカッコいい音楽を投げ付けたいから悩んでて。

Taka うん。

MAH でもあのインタビューのあと、珍しくメンバーとミーティングをして「俺こうやって悩んでるんだよね。どうしたらいいと思う?」と打ち明けたら、みんな同じ気持ちで。「もう気にせず好きなことをやろう!」ということになった。別にそれまでにやりたくないことをやってたわけじゃないけど、もっとなりふり構わずやってみようって。

Taka 進化のときなんだね! MAHは真面目じゃん。だから、例えば最初から掃除するつもりで汚すと全然汚れないから、最初から「今日はもう汚すぞ」って決めて思いっきり暴れて、冷静になったときに片付けるくらいがちょうどいいような気がする。

MAH なるほど。

Taka どうせあとできれいにするんだから、1回振り切ったほうがいいよね。

MAH 確かに。それは考えなかったな。……という感じでいつもお互いの悩みを話してるんです。普段から一緒にいるわけじゃないけど、迷ってるときとか報告したいことがあるときに、どちらからともなく連絡取り合って朝まで飲んで、そこでいろんな話をして刺激を受けて、っていう。日本武道館でライブをやるか悩んでたときも、ONE OK ROCKが突っ走ってるの見て「俺らも走らなきゃ」と思ってやることを決めたし。

Taka そうだったねえ。懐かしい。でも普段リスペクトし合ってるだけじゃなくて、フェスに呼んでもらったり、東京ドームで一緒にやったりっていうことができるのもこの世代だからだと思います。上の世代の人たちはバンド主催フェスをやり始めた世代だから、フェスに呼び合うのにそれなりに時間がかかったんじゃないかと思ってて。僕らはいい時期にバンドをやってるなと思うんですけど。だから僕たちは、尊敬ありきでステージで戦える、格闘家っぽいスタイルでこれからもやっていけたらと思っています。

左からMAH(SiM)、Taka(ONE OK ROCK)。
DEAD POP FESTiVAL 2018

2018年6月30日(土)
神奈川県 東扇島東公園 特設会場
OPEN 9:00 / START 11:30 / END 20:30(予定)

<出演者>

CAVE STAGE
SiM / 岡崎体育 / coldrain / SUPER BEAVER / dustbox / MAN WITH A MISSION / ONE OK ROCK

CHAOS STAGE
アルカラ / GOOD4NOTHING / GLIM SPANKY / SHADOWS / 女王蜂 / THE→CHINA WIFE MOTORS

2018年7月1日(日)
神奈川県 東扇島東公園 特設会場
OPEN 9:00 / START 11:30 / END 20:30(予定)

<出演者>

CAVE STAGE
SiM / THE ORAL CIGARETTES / 10-FEET / 東京スカパラダイスオーケストラ / 04 Limited Sazabys / BLUE ENCOUNT / HEY-SMITH

CHAOS STAGE
COUNTRY YARD / SECRET 7 LINE / SHE'S / チリヌルヲワカ / FIVE NEW OLD / ヤバイTシャツ屋さん

SiM(シム)
SiM
MAH(Vo)、SHOW-HATE(G)、SIN(B)、GODRi(Dr)の4人からなる湘南で結成されたレゲエパンクバンド。2004年11月に結成され、数度のメンバーチェンジを経て2009年に現編成となる。2011年「KiLLiNG ME」のMUSIC VIDEOの視聴回数がインディーズバンドとしては異例の再生回数を記録。同曲を収録したアルバム「SEEDS OF HOPE」もスマッシュヒットを記録した。2013年、ユニバーサル・ミュージックに移籍し、シングル「EViLS」でメジャーデビューを果たす。その後も着実にリリースを重ね、2015年11月には日本武道館公演も完売させた。2016年4月には4thフルアルバム「THE BEAUTiFUL PEOPLE」を発売。同アルバムのリリースツアーのグランドファイナルとして行った神奈川・横浜アリーナでのワンマンライブは即日の完売となる。2017年9月には兵庫・ワールド記念ホールで対バン企画「THE EYEWALL NiGHT vol.1」を実施。12月にPlayStation4専用ソフトウェア「龍が如く 極2」のテーマ曲およびエンディング曲を収めた両A面シングル「A / The Sound Of Breath」を発表した。2018年6月30日と7月1日に野外で4度目の開催となる主催フェス「DEAD POP FESTiVAL 2018」を開催する。
ONE OK ROCK(ワンオクロック)
ONE OK ROCK
2005年にバンド結成。エモ、ロックを軸にしたサウンドとアグレッシブなライブパフォーマンスが若い世代に支持されてきた。2007年にデビューして以来、全国ライブハウスツアーや各地夏フェスを中心に積極的にライブを行う。これまでに日本武道館、野外スタジアム公演、大規模な全国アリーナツアーなどを成功させる。また日本のみならず海外レーベルとの契約をし、アルバム発売を経てアメリカ、ヨーロッパ、 アジアでのワールドツアーを成功させるなど世界基準のバンドになってきている。2017年1月にはアルバム「Ambitions」を全世界で同時リリースし、キャリア史上最大規模となるワールドツアーを行い、日本では初の4大ドームツアーを開催した。