みんなにカッコいい友達を紹介したい（MAH）

──「DEAD POP FESTiVAL 2018」では逆にMAHさんが、自分たちが作ってきた景色を見せる番になりますね。

MAH　ずっと「DEAD POP」に出てもらいたくて誘ってたんですけど、なかなかタイミングが合わなくて。

Taka　そうそう。野外になって最初の年、誘ってもらってスケジュールも何も確認せずに2つ返事で「出る！」って言ってしまったんだけど。

MAH　「よっしゃー！」って思ったけどね（笑）。

Taka　でもスケジュールを確認したら海外のツアーが入ってて「マジごめん！」って断って。2回目に声をかけてもらったときは「今回は間違いなくいける！」って思ってたんだけど、それもこっちのタイミングで出られなくて、今年が3度目の正直。

MAH　そうだね。最初Takaから「今年は呼んで」って言われたんですけど、「いやいや、これは信用できねえぞ」って思って（笑）。でも今年は本当に決まってよかったです。

──ONE OK ROCKに出てもらいたいと思ったのはなぜですか？

MAH　集客です（笑）。

Taka　ははは（笑）。

MAH　ウソウソウソ。自分たちのやってきたことをTakaに見せたいっていうのは大前提なんだけど、特に俺らの周りにはONE OK ROCKのライブを観たことない人ってたくさんいて。観たいけど観れてない人もいるだろうし、10年前の俺みたいに舐めてて観ようとも思わないって人も中にはいると思う。だから「俺らの友達カッコいいから紹介するわ」みたいな感じ。バンドマンの友達でも歪曲したイメージとかで「Takaってこんな感じの人なんでしょ」みたいに言ってくるやつがたまにいるんですよ。でもそういうやつもライブを観たら、絶対昔の俺と同じ反応になると思う。俺は「Takaは本当にちゃんとしたやつだから」って毎回言ってますけどね。

Taka　ありがとうございます（笑）。こんなこと言ったらちょっとアレだけど、この世代でちゃんと自分たちのフェスをやってるバンドってSiMだけじゃない？

MAH　そうだね。

Taka　ワンマンをやるだけでも大変なのに、あれだけのゲストバンドを呼んで2日間……金だってかかるし、大変だと思うんですよ。それを、リリースやツアーをバリバリやってるバンドが責任を持ってやるっていうのはすごいことですよね。coldrainとか同世代のバンドと一緒にやるのも楽しみだし、新たな世代のバンドの子たちと競演して刺激をもらえるのも楽しみですね。逆にこの世代に刺激をもらってる若いバンドを観て「自分もそういう立場になったんだなあ」ってことも思うんだろうし。僕らの世代って、フェスに出ても毎年先輩バンドがずらっといるんですよね。だけど自分もその先輩枠に入ってきてるのかなと思えるんだろうな。

MAH　そうだね。

──MAHさんは「DEAD POP FESTiVAL」を続けていく中で、自分たちが刺激を与える立場になってるんだなということは実感します？

MAH　しますね。自分ではいまだにずっと下っ端だと思ってるんですよ。TOSHI-LOW（BRAHMAN）さんとか、ステージ裏にはいつも先輩がいて「おはようございます！」ってずっと言い続けてるし。でも気付いたら「相談したいことがあるんです」とか頼ってきてくれる子たちがいて、俺も中堅だなあって。

Taka　いや、中堅じゃないんじゃないの？ だって10年以上やってるんだよ。10年やったら、もうレベル的には大御所だと思いますよ、バンド界では。

MAH　そうか。料理人だって「10年やってる」って言ったらベテランだなって思うもんね（笑）。Takaって何歳だっけ？

Taka　もう30。ヤバくない？

MAH　ヤバい。

Taka　ヤバいよね。自分でも引いてる（笑）。

MAH　でも同じ職業で一緒に歳を取れるって、お互い続けられてることってことだからすごい幸せだと思う。辞めていっちゃったやつらもいっぱいいる中で、Takaとはお互いずっと第一線でやれてるのはうれしい。その反面、いつまで続けられるかという楽しみと不安もあるけど。だからワールドツアーとかで超忙しいONE OK ROCKが友達のフェスにこうやってポンッと出てくれるのは幸せですよね。だってみんなONE OK ROCKに出てほしいと思うもん。そんな中、日本での数本のライブのうちの1本を俺らにくれたっていうのはめちゃくちゃありがたいし、がんばんなきゃいけないなと思う。

ONE OK ROCKのライブでは「すげえもの見たな」という気持ちに（MAH）

──初めてライブを観たときにやられたということですが、MAHさんから見たONE OK ROCKの魅力はどんなところだと思いますか？

MAH　Takaの歌がうまいとか、演奏がすごいしっかりしてるとか、そんなのみんなわかってることなんで同業者目線で言わせてもらうと……演出面含めて、日本で世界最先端のレベルのものを見せられる数少ないバンドだと思います。ロックバンドのライブを越えてると言うか、1つのエンタテインメントとして「すげえもの見たな」って気持ちで帰れる。ワンマンはもちろんだけど、フェスとかイベントとかでも明らかに飛び抜けてるんですよね。昔、SiMのツアーでSHIBUYA-AXに出てもらったときにも、もうAXがドームに見えるくらいのライブだったんですよ。ライブハウスに収まるライブじゃなかったって言うか。窮屈そうにやってるってわけじゃなくて、見てるところが違うんだろうなっていう感じ。「DEAD POP」の会場も狭くはなくて1万数千人が入るんですけど、ONE OK ROCKがやってるときは5万人のステージに見えるんじゃないかな。

Taka　すごいこと言うなあ（笑）。がんばります。

MAH　今までもいろんなバンドに出てもらってるし、今年もいろんなバンドが出るけど、スケール感を感じさせてくれるのはONE OK ROCKが一番だろうなと思います。

Taka　ありがとうございます。恥ずかしいです（笑）。

MAHは自分のやりたいことを表現できる人（Taka）

──では逆にTakaさんの思うSiMの魅力はどんなところですか？

MAH　いいよ、俺のは（笑）。

Taka　恥ずかしいでしょ？（笑）

MAH　うん。

Taka　でも言うわ（笑）。初めて観たときから僕のやりたいことをステージの上で表現できてる人と言うか。僕らのバンドは結成してから「どういう方向性でいくんだ？」ってさまよってる時期がすごく長かったんですよ。ありがたいことに、そんな状態でもバンドやり始める前の……よくも悪くもいろんな経験があったのでお客さんが入らなかったということはなかったんですけど、だからこそ早く自分たちのスタイルを見つけようと葛藤してたんです。そんなときにSiMを観て、圧倒的な表現力、特にエロさがこんなにあふれ出るボーカリストっているんだなって思った。もちろん今までまったくいなかったというわけではなくて、昔のバンドとかではいたと思うんですけど、それって僕からしたらある意味化石みたいなもので。同世代にそういうボーカリストがいたことに衝撃を受けて。それこそ生きてる恐竜を観たみたいな、「すっげえ！」っていう。

MAH　ボキャブラリーがすげえなあ（笑）。

Taka　（笑）。しかもSiMにはロックバンドとして惹き付けられる陰の部分もありながら、「明日もがんばろう」っていうメッセージも歌ってる。そのバランス感覚がすごく好きです。それはONE OK ROCKにはないし、coldrainにもない。独自のスタイルでその世界観をぶつけてくるバンドがSiMだなあって。

MAH　でも俺からすると、それはTakaとかがいるからなんですよ。だってどんなに歌っても歌のうまさではTakaに勝てないし、王子様感で言ったらMasatoに勝てない。ゴリラ感ではこいちゃんに勝てないし（笑）。

Taka　ははは（笑）。

MAH　となると、自分が飛び抜けられるところはどこだろうって考えて、どんどん悪魔みたいになっていくっていう。

Taka　本当「アベンジャーズ」ですよね。

MAH　そうそうそう（笑）。違う方向に突き詰めていったやつらが集まってるから。