“非日常”の楽しみ方

──栗原さんと言えば“フェス好き”としても知られていますが、どれくらいの頻度で足を運んでいますか?

栗原類

フジロック(「FUJI ROCK FESTIVAL」)とサマソニ(「SUMMER SONIC」)は毎年可能な限り行くようにしてるんですけど、近年は仕事で行けない年もあります。フェスって単純にアーティストを観に行くだけではなくて、ひさしぶりに友達と再会したり、むしろフェスでしか会えない友達がいたりする感じで。フェスは僕にとっては音楽を楽しむ場であると同時に、友達との交流がある場です。個人的にすごく大事なイベントごとなので、なるべく行くようにしています。

──フェスイベントの楽しみ方って、人それぞれですよね。観たいアーティストの出るステージをひたすら回る人がいれば、バーベキューを楽しんでいる人がいたり。栗原さんはどういう楽しみ方をしていますか?

僕はまずタイムテーブルを見て目当てのアーティストを決めてます。2013年のフジロックでは(参照:17回目のフジロック、雨にも負けず前夜祭含め11万人動員)、なかなか日本には来ないThe Cureを絶対観ることに決めて、それまでの時間はあまり無理をしないように体力を温存するようにしていました。自分が観たいものを決めたらそれを中心に考えつつ、自由に動ける時間帯は自分の気分に任せながら気になったものを観る、みたいな感じで楽しんでいますね。

──普段から音楽を楽しんでいる栗原さんにとって、フェスのようなイベントはどういう機会ですか?

非日常を味わう空間ですね。まず野外でライブを観る機会がそう多くないですし。それに2013年のフジロックに出演したThe Cureのように、次にいつ来日するかわからないアーティストのライブは自分の目で観ないと絶対に損だと思うんです。洋楽に限らず、例えば今年のフジロックでは小沢健二さんとCorneliusが同じ日にライブをするんですよね。もうメチャクチャ観たいです。

娯楽が続く限り、音楽はなくならない

──幼少期から音楽に囲まれて生活していた栗原さんにとって、音楽はどういう存在ですか?

どうしてもCDやライブに目がいきがちなんですけど、僕はアーティストさんが作るものやイベントが音楽のすべてではないと思っていて。例えばゲーム音楽を作っている人たちは、裏方に徹しながらもいい音楽を作り続けているし、舞台とかドラマとか映画にも必ず音楽がある。だから「CDが売れない」とかそういう話も多いけど、舞台とか映像とか娯楽が続く限り、音楽はなくならない。それくらい音楽は常に僕の身近にあるもの。もし音楽をあまり聴いていない人がいるとしても、その人が好きな娯楽の近くにはきっと音楽があると思うんです。それで少しでもその音楽に興味を持てたら、誰が作っているか調べてほしいんです。そういうちょっとした意識の変化で、もっと音楽は楽しめるし、好きになれると思います。

──栗原さん自身、ゲームがきっかけでゲーム音楽を聴くようになったわけですから、自分の好きなものの近くにある音楽に興味を持つことが第一歩だったわけですよね。

音楽との新しい出会いって、今でもたくさんあります。僕、お芝居の仕事を始めるまでは、基本的に邦楽にはあまり触れてこなかったんですけど、自分が出演した舞台や映画のオープニングテーマやエンディングテーマに触れると、やっぱり作品への思い入れもあって好きになることが多くて。さらにアーティストさんのことを調べていくといろんないい曲に出会えます。こういう仕事をしていると邦楽のアーティストさんとも交流がありますから、今でも新しい音楽を知ることができるのがうれしいです。

栗原類
栗原類(クリハラルイ)
1994年生まれのモデル、俳優。ファッション誌でのモデルを経て、バラエティ番組で注目される。2012年からドラマ、映画、舞台などに出演するなど、役者としても活躍。2017年7月には初の主演映画「お江戸のキャンディー2~ロワゾ―・ドゥ・パラディ(天国の鳥)篇~」が公開された。

2018年11月16日更新