各レーベルがプッシュする次世代アーティストたちを紹介する企画「Coming Next Artists」。新人アーティストへのインタビューとは異なるコンテンツを展開するコラムでは、各分野で活躍する音楽好きの著名人へのインタビューや音楽制作の裏側に迫るレポートなどを展開する。連載コラムの第1回には俳優やモデルとして活躍する栗原類が登場。母親の影響で幼少期から音楽に触れ、「FUJI ROCK FESTIVAL」などのフェスイベントにも足繁く通う彼に音楽の楽しみ方を聞いた。

取材・文 / 倉嶌孝彦 撮影 / 上山陽介

能動的に音楽を聴くようになったきっかけ

──栗原さんが覚えている音楽との出会いはいつですか?

もう生まれてすぐだったと思います。物心が付く前から母親が僕にマイルス・デイビスやThe Beatlesをよく聴かせていたみたいです。それと僕の母親が取材の準備や歌詞の翻訳をする際に洋楽のロックをよく家でかけていて。家にいるときは音楽を聴くのが当たり前、みたいな環境でした。特に覚えているのはMuseの「Plug In Baby」、Joy Divisionの「Disorder」とか。

──幼少期は自然と家の中で音楽がかかっていたわけですが、例えば学生時代に入って音楽の聴き方は変わりましたか?

母親が仕事関係の曲をiPodにまとめていて。それが何台かあったんですけど、そのうちの1つを譲ってもらってランダムで聴いていましたね。幼い頃と同じで洋楽が多かったんですけど、学生時代にゲーム好きだったこともありゲーム音楽に興味を持ちました。下村陽子さんとか、近藤浩治さんとか、田中宏和さんが手がけている音楽を好んで聴くようになりました。

栗原類

──ゲームに触れる中でそこに付随する音楽に興味を持つようになったんですね。

自分から能動的に音楽を聴くようになったきっかけは、ゲームが作ってくれたと思います。母親から音楽に関するさまざまなことを教えてもらっていたこともあって、ゲーム音楽の中でどういう楽器が使われているか気になったり、ゲームの中のストーリーと今流れている音楽がどうリンクしているか考えたり。

──洋楽に触れつつも、ゲーム音楽のようなインスト曲も日常で聴いていたんですね。

ゲーム音楽ってあまりジャンルに縛られていないものなので、それこそジャンルレスにインスト曲を聴いていましたね。もちろん洋楽にもずっと触れていて、UKロックは常に聴いていたと思います。

家に帰ったらすぐSpotify

──現在は日常的にどうやって音楽を楽しんでいますか?

移動時間で聴くこともあるけど、家で作業をするときに音楽をかけることが一番多いですね。僕って意外とパソコンに向かって作業をすることが多くて、その際は必ず音楽をかけます。

──作業中など、集中したいときには曲を聴くタイプなんですね。

栗原類

僕は何か聴いていないと集中できないタイプなので、自分の頭を使うときは必ず音楽をかけるようにしていますね。最近はジャズが多いけど映画やゲームのサントラをかけてることもあります。けっこう聴き方はその時々の気分に任せていて、最初から最後まで通しで聴くこともあれば、「この曲いいな」って思ったら1曲をずっとループさせて聴くこともあります。

──家でくつろいでいるときは音楽をかけていますか?

はい。スマホとテレビに付いているスピーカーをリンクさせているので、家に帰ったらすぐSpotifyを起動して音楽を鳴らす、みたいな感じで。

──Spotifyのほか、Apple Music、AWA、Google Play Music、KKBOX、dヒッツ、LINE MUSIC、レコチョク Bestなど定額制の音楽サービスが盛り上がっていますが、栗原さんはこういったサービスにどのような印象をお持ちですか?

もともと僕は親の影響もあってランダムで曲を聴くことが多かったので、いろんな音楽と出会えるのが楽しいですね。フェスで会場をぶらぶら歩いている感じと言うか、新人アーティストや新しいバンドの曲をランダムにかけていると「お、この音いいな」って出会いがあるんですよ。そこからいろいろ深堀りすることができるのが面白いし、新しいアーティストだけじゃなくて、自分の中で昔よく聴いていた懐かしい曲と再会できるのもこういうサービスのいいところだと思います。あと懐かしい曲を思わぬアーティストがカバーしていたりもして。そういう発見もあります。

栗原類(クリハラルイ)
1994年生まれのモデル、俳優。ファッション誌でのモデルを経て、バラエティ番組で注目される。2012年からドラマ、映画、舞台などに出演するなど、役者としても活躍。2017年7月には初の主演映画「お江戸のキャンディー2~ロワゾ―・ドゥ・パラディ(天国の鳥)篇~」が公開された。

2018年11月16日更新