武井を脅かすタカハシのソングライティング能力

──タカハシさんは「Hello, My Friend Sophie」では作詞もしてますけど、今後、詞曲を担当したものが採用されることもありそうですよね。

武井　いっぱいある候補曲の中にタカハシさんの曲もあったんですよ。ものすごく北欧感のある曲で、それがすげえよくて。普段も聴いちゃうくらい気に入ってます。それが入るのは次のアルバムかなと思ってますね。

タカハシ　チェコに入る前からもともとLogicを使って宅録はしてたんですけど、改めて武井さんに使い方を教えてもらってガンガン作れるようになったんです。

武井　この人、持ってるだけで使い方を全然知らなくて。だから「ここはコピペしたら早いよ」とか初歩的なことだけを教えて。いつの間にか俺が知らない技まで使えるようになっててビックリしたんですけど（笑）。

タカハシ　使い方を何もわからない状態でテキトーにやってたので。教えてもらってから時間を10分の1くらい短縮できましたね（笑）。それからガンガン作って、3曲くらいバンドに持っていきました。

武井　基礎がないからこそのコード感とかがカッコいいんですよね。もう、ファンになっちゃって。全曲聴きてえみたいな。

八木　うん。これはこれでアルバムを作ってまとめたほうがいいんじゃないか、みたいな。

武井　ドキドキしますよ。

──脱退しちゃうんじゃないかって？（笑）

武井　そう、脱退したほうがいいんじゃないかって（笑）。

タカハシ　やめてよ。まだ加入して1年ちょっとじゃん（笑）。まだまだいたいですから、このバンドに。

やりたいことが本当の意味で見えてきた

──で、八木さんが手がけた曲は「JOB!」しかり「Maridabu」しかり、記号性がないというか、さまざまなジャンルを横断しながらオルタナティブなポップネスに満ちていて。アルバムのスパイスになってる。

八木　自由に作らせてもらってます。最近はデモの段階でもチェコでやれるかどうかも考えずに作って、とりあえずみんなに聴いてもらうと「意外といいんじゃない？」っていう反応をもらえるので。武井さんの曲はたくさんあるから、僕は変な感じの曲を作っても、それこそスパイス的に存在できればいいなと思って。

──「MANTLE」というタイトルは、バンドの核を示したという自負からきてると思うんですけど。

武井　そう、音楽活動を続けてきて、今までは感覚だけでやってきたようなところがあったんですけど、知識も経験も増えてきて、やりたいことが本当の意味で見えてきたなと思って。音楽ライフのコアの部分に一歩近づけたのかなと。そういう意味でも「MANTLE」というタイトルはピッタリなんじゃないかと。

──さらに核に近付くためにこれから突き詰めたいことはなんですか？

武井　やってないことにどんどんトライしたいです。ベース＆ボーカルという自分のパートに縛られずに曲を作るのもそうだし。最近はシンセでベースを弾いてもらったりする曲もあるし。そうするとリズムに奥行きが出るなと思って。ラップやってもいいし。

タカハシ　ラップやりたい！ 実は今ラップの曲を作ってる。

武井　そうなんだ。怖いわー。

──脅威（笑）。

武井　脅威です（笑）。やってみたいことにそれぞれ自由に挑戦して、自分たちのものにできたらいいと思うんですよね。このアルバムを作って強くそう思うようになったし。楽しみですよ、これからが。