- パーソナリティ
- Tom-H@ck
夜が来ないと、私はずっといじわるなまま
──「サクラエール」は「第34回 コナミオープン 水泳競技大会」の応援ソングにも選ばれましたが、「タイアップがあるから曲作りをこうする」といった意識はありますか?
全くないですね。むしろタイアップが付いていたことを知らなくて、あとから友達に「テレビで流れてたよ」って聞くパターンもあります。たぶん事前にお話は聞いていたんでしょうけど、右から左に流れているのか……そういうところに無頓着と言うか鈍感で。
──アーティストにとってタイアップってめちゃくちゃ大事なことなんですけどね(笑)。
最近わかってきたんです、私は私しか見てないんだなって。人の話を聞いてるようで聞いていないとか、常に自分のことが最優先なんですよね……。だけどさっきも話したみたいに、眠る前とかに夜空を見ていると、そんな自分勝手さが嫌になって泣けてきちゃって。
──「天使と悪魔」みたいですね(笑)。
昼間の私は悪魔ですね。本当に欲深くて、嫌な人間なんです。でも、夜になると優しくなる。ちゃんと反省して、そこでリセットされると言うか。だから、夜が来ないと私はずっといじわるなままです。
──今のお話を聞くに、曲作りをするのは夜の天使モードのときが多い?
あっ、完全に夜ですね! 自覚はなかったですけど、全部夜です。ベンチコート着込んで、あえて寒いところに行って、星を見たりして……なんか病んでますかね?
──病んではいないと思います。ちょっと情緒不安定なだけで(笑)。曲作りはギターですか?
ギターが多いです。でも、実はコードを3つぐらいしか知らなくて。
──マジですか! もうブルースじゃないですか。The Beatlesじゃないですか。
あはは(笑)。今までの即興ソングも全部その3コードで作ってきたので、もうちょっとおしゃれなコードとか、リズムの刻み方も学んでいきたいですね。
──言われないとわからないですよ。もっと自由自在に弾いてるイメージでした。
本当ですか? チューニングとかもあまり気にしないから、15秒動画とかはひどい音で録ってたりして。「フレーフレーわたし」の15秒バージョンはヤバいですよ。テスト勉強してたときにふと思いついて撮影したものなので、とてつもない音してます。改めて観たとき、さすがに「え、これやばいですよね?」ってなりました(笑)。
子供たちに音楽の楽しさを伝えたい
──ライブはけっこうやってるんですか?
ワンマンライブはまだやったことないので挑戦したいんですけど、デビュー当時から考えているのは「白米フェス」っていうフェスがやりたくて。
──ほう。
ワンドリンク制じゃなくてワンおにぎり制にして、お客さんにはあらかじめ好きなおにぎりの種類を選んでもらうんです。それで入場するときにチケットと引き換えにおにぎりを渡して、みんなでパクっと食べて「おいしい~!」って叫んでからライブするんです。本当においしいものを食べたときの笑顔って、最高じゃないですか。だからもっと楽曲数を増やしてライブを増やして、いつか実現させたいですね。
──そのときにはぜひ呼んでください。最後に、これからこうなっていきたいという夢やビジョンを教えてください。
60歳になっても歌ってたいです! 私、125歳まで生きるつもりなんですよ。
──めちゃくちゃ長寿ですね。でも、不思議と生きそうな感じがする(笑)。
地元で子供たちを集めて音楽教室をやってもいいし、元気なうちはどんな形でもいいから歌っていたいですね。
──やっぱり歌が一番なんですね。
そうですね。小さい子たちに、音楽の楽しさをわかってほしいんです。「歌うことはダサい」みたいに思っている子がいたとしても、歌ってみたらその楽しさがわかると思うんです。私、あらゆる音楽の中で「おかあさんといっしょ」で流れる音楽が一番好きで。本当に癒されるし、楽しいなと感じるんです。だから私も、あんなふうに子供たちが元気になれる曲を歌い続けて、音楽のよさを伝えてあげたいですね。小さい頃からの一番の夢は、歌のお姉さんだったので。
──ああ、似合いますね。みんなに愛されそう。
歌のお姉さんは今でも憧れで、踊りとか真似してテレビの前で踊ってます。今朝もベッドの上で「ボボッボッボブンボボ!」って。
──あはは(笑)。今の音楽活動でも、さまざまな人に元気を与えられていると思いますよ。おかげで僕もハッピーな気持ちになれました。
ありがとうございます。でもずっと一緒にいると疲れちゃうと思うので、ひさびさに会うくらいがちょうどいいですよ!(笑)
- 足立佳奈「サクラエール」
- 2018年2月28日発売 / SME Records
- CD収録曲
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- サクラエール
- Day by Day
- ふたつの羽
- 初回限定盤Blu-ray収録内容
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- フレーフレーわたし ビデオクリップ(セブンティーン専属モデル出演Ver)
- スペシャル映像(フレーフレーわたし セブンティーン専属モデル出演Verモデル対談)
- 足立佳奈(アダチカナ)
- 岐阜県海津市出身の現役高校3年生。母親が歌手になる夢をあきらめさせるために応募した「LINE×ソニーミュージック オーディション」でグランプリを獲得し、デビューのチャンスをつかむ。学業の傍ら歌のレッスンに励み、2017年2月にTwitterに投稿した15秒動画「キムチ~笑顔の作り方~」が話題を集める。8月に「キムチ~笑顔の作り方~」も収録したシングル「笑顔の作り方~キムチ~ / ココロハレテ」でメジャーデビュー。11月に2ndシングル「フレーフレーわたし」、2018年2月28日に3rdシングル「サクラエール」をリリースした。
- Tom-H@ck(トムハック)
- サウンドクリエイター、プロデューサー。2009年に放送がスタートしたアニメ「けいおん!!」の楽曲を手がけ、注目を集める。作編曲家としてT.M.Revolution、でんぱ組.inc、ももいろクローバーZ、清 竜人25、SuG、ロッカジャポニカ、LiSA、マジカル・パンチライン、UROBOROSといったアーティストの楽曲制作に携わっているほか、映画やアニメなどの劇伴音楽なども多数手がけている。またOxT、MYTH & ROIDとして自身もアーティストとして活動している。2016年5月に総合エンタテインメント会社・TaWaRaを設立。TaWaRaではサウンドのみならずエンタテインメント事業全体のプロデューサーを務める。