引きこもってる現状をぶち破りたかった

──ほかのメンバーはアイドルになりたくて虹コンに入ったんじゃないんですか？

鶴見萌　私はアニメが好きで、アイドルになろうとは全然思ってなかったです。でも、pixivで虹コンのことを見て「pixvがアイドルを作るんだ!?」って驚いて、そのときにコスプレイヤーチームがあることも知って。

──最初からチーム分けされてたんですね。

鶴見　コスプレイヤー、イラストレーター、声優チームは最初からあって、振付師チームだけあとでできました。私は虹コンに入る前からコスプレをずっとやりたかったんですけど、周りに同じ趣味の人がいなかったからその勇気がなくて。虹コンをきっかけにコスプレできるかもしれないと思って、メンバー募集に申し込みました。で、入ってみたらアイドルをガンガンやることになりました（笑）。

──思ってたよりアイドル寄りだったと（笑）。でも、グループに入ってコスプレもできたんですよね？

鶴見　はい。コスプレイヤーとしてインドのコミコンに参加したり、いろんなことを経験できてるので虹コンに入ってよかったです。

中村　私は声優チームに応募して虹コンに入りました。小さい頃からクラシックバレエをやってたんですけど、バレエのしがらみから解放されたくて。

──しがらみ？

中村　それしかできないと思われるのが嫌で、アイドルとか違うジャンルに挑戦したかったんです。それで、高校2年生のときにメンバーを募集してるアイドルグループを探して。そのときアニメにハマってたのもあって、声優もできる虹コンに惹かれて応募しました。

──アイドル活動を含めて、自分のやりたいことをできる環境を見つけたんですね。根本さんは？

根本　私は学校にあまり行けてない時期があって。オタクだったのでpixivをよく見てたんです。それでメンバーを募集しているのを発見しました。もともとイラストを描くことがすごく好きだったので、将来はイラストに関わる仕事をしたいなと思ってて、引きこもってる現状をぶち破りたいという気持ちもありイラストレーターも目指せる虹コンに応募しました。それと、でんぱ組.incさんに影響されたところもあって。

──でんぱ組.incを知ったら「ああいう出方もありなんだ」って思いますよね。

根本　はい。元気付けられましたね。

大和明桜　私の場合は、お母さんとお姉ちゃんがハロプロさんのことをすごい好きで。その影響で私もハロプロさんを好きになったんですけど、アイドルになりたいとは思ってなかったんです。でも、お母さんは私のことをアイドルにさせたくて、勝手に虹コンに応募して。それで入りました（笑）。

──今のところ一番ふわっとした理由ですけど（笑）。

大和　でも、入ってみたら楽しかったです。

チャックをさりげなく閉めてくれる

──虹コンの楽曲はもふくちゃん（福嶋麻衣子）がサウンドのプロデュースを手がけてるんですよね。彼女から何かアドバイスをもらったりします？

的場　ニューシングルに収録されている「夏の夜は短すぎるけど…」は大人っぽい歌い方をする曲なんですけど、レコーディングのときに「23歳の的場になって歌って」と言われました。

──音楽以外のことについては？

的場　ステージ上の話だけじゃなくて、私生活のことについても言われます。「ちゃんと衣装を着て」とか（笑）。

鶴見　最初の頃はみんな引きこもりみたいな感じだったから、メンバーをちゃんとした人間にすることが目標だったと言うか……。

──そんなだったんだ。パッと見た感じ、普通に明るい子たちなのかなと思ったんですけど。

奥村　えー！ やった！

──でも、よくよく調べていくうちに「あれ、ちょっと違うみたいだぞ」ってなりました（笑）。

的場　基本的にみんな暗いですね（笑）。

──もふくちゃんからは、ほかになんて言われますか？

鶴見　「チャックを閉めなさい」って。

奥村　私たちのリュックのチャックをさりげなく閉めてくれるんですよ。もふくさんが私たちに密着する動画があるんですけど、それを観たら去り際にスッと閉めてました（笑）。プロですね。3年くらいリュックを閉めてくれてます。

鶴見　リュックの肩紐のねじれも直してくれます。

──私生活のダメなところって表の仕事にも影響しちゃいますからね。もふくちゃんがアイドルにどんなこと言ってるか気になってたけど、そういうところまでちゃんと気にしてるんですね。

的場　でも、リュックのことについては虹コンにしか言ってないと思う（笑）。

奥村　わーすたには言ってないよね。

文化祭要素を全然感じてない

──“毎日が文化祭”もグループのテーマの1つということですが、これはどういう意味なんですか？

的場　これ言っていいのかわからないんですけど、私たちも文化祭要素を全然感じてないんです（笑）。“コンキスタドール”はスペイン語で“征服者”という意味で“制服”とかけてたり、衣装の靴が上履きだったり、学校をモチーフにしてる部分があって。そういうことを含めて“毎日が文化祭”がテーマだと思うんですけど。

──文化祭的な活動はしてないんですか？ 自分たちで一から企画するイベントとか。

的場　私たち6人が所属しているユニットの赤組だけで公演をやらせてもらったことがあるんですけど、普段「毎日が文化祭」を実行できてないからそれをちゃんとやろうと話し合って。ねもちゃん（根本）がTシャツをリメイクしてその日限定の衣装を作ったんです。

鶴見　提供してもらった衣装もあって、それはマグロ、いくら、エビ、玉子、かっぱ巻き、大将の6種類の衣装でした。

──大将!?

大和　私が大将でした。

──大和さんに似合いそうだね（笑）。

的場　セットリストも自分たちで考えて、文化祭の気分で公演を作りました。

──グループ全体でそういうことをやったことはないんだ？ もう結成から3年経つわけだし、やろうと思えばいつでもできそうなのに。

根本　まだないですね。でもやりたいです。衣装をデザインしてみたくて。ベボガ！（虹のコンキスタドール黄組）のぺろりん先生（鹿目凛）はやってるんですよ。あとから入ってきたのに（笑）。

──（笑）。でも、そういうことをどんどん言ってたら叶えられそうな環境ですよね。“カップ麺シングル”（2016年12月発表「LOVE麺 濃い味 やわめ」 参照：虹のコンキスタドール、新シングルはみきとPプロデュースの“聴けるラーメン”）とか、“カレーシングル”（2017年1月発表「レトルト～華麗なる愛」）とか、これまでも面白いことをやってるグループだし。

鶴見　それはメジャーデビュー前の最後の遊びだったらしいです（笑）。「食べ物で新曲を出してみようぜ」っていう。

──スタッフからそれを聞いたときは率直にどう思いました？

鶴見　食べられるからいいなって。

奥村　ファンの人の食費が浮く。

的場　コスパがいい。

──なるほど（笑）。それに、味と共に曲を覚えるってこともありますから。第3弾も出したほうがいいんじゃないですか？

的場・鶴見　次はパエリアがいいです！