Maison book girl×金澤ダイスケ│オタク女子たちが表現する“現代アート”

肩書きにはこだわっていない

金澤 皆さんは、ほかの女性グループの方たちと競演する機会もありますよね。そのときに何か違和感を感じることはありますか?

和田 違和感はずっと感じていました。対バンライブでラインナップが発表されてアーティスト写真が並んだとき、私たちだけ真っ黒でほとんど顔が見えてない写真だったりすることとか。でも最近は気にならなくなりました。

金澤 「あいつらヤベえな」ってなって、ほかの女性グループの人が近寄ってこなくなることはない?(笑)

コショージメグミ

コショージ 基本的に全員そんなにフレンドリーなタイプではないので……(笑)。

金澤 ちなみに4人の中で一番社交的なのは誰ですか?

和田 コショージです。

金澤 やっぱり(笑)。仲のいいアーティストさんはいますか?

コショージ でんぱ組.incのピンキー(藤咲彩音)とかGANG PARADEとか、ヤバイTシャツ屋さんの(しばた)ありぼぼですかね。

金澤 腑に落ちる方ばかりですね。

コショージ あ! そういえばエビ中(私立恵比寿中学)さんのフェスに出られるんですか?

金澤 出ます出ます!

コショージ 真山(りか)とも仲よくて。当日お邪魔しようかなと思っています。

金澤 あらあら。じゃあぜひそこでもよろしくお願いします。皆さんはバンドと競演することもありますが、そのときには違和感を感じますか?

井上 うーん。アイドルさんがいっぱいいるところよりも、バンドさんの中に紛れたほうがなじむじゃないけど、落ち着く感じはあります。

金澤 自分たちのことを“アイドル”とは思っていない?

和田 私たちは音楽にも力を入れてるので、あまり自分たちの肩書きにこだわってないですね。アイドル好きな人はアイドルしか聴かないわけじゃないだろうし、バンド好きな人もそれぞれ好きな音楽はあるだろうから、それぞれのどこかに引っかかって、好きになってもらえたらいいなと思ってます。

金澤 うんうん。10年、20年前はアイドルの定型みたいなものがあった気がするけど、最近は昔よりなんでもやりやすい環境だと思う。僕らもよく、ほかの人がやったことがないことをどうすればできるかって考えるんです。皆さんは自分たちで「これやったら面白いんじゃないか」みたいなことってありますか?

井上唯

井上 この前やった演出の話になってしまうんですけど、ワンマンのときにコショージの発案で煙を焚いている間に私たちがステージから消える演出をしたんです。私はまだ写真でしかその様子を見れてないんですけど、客席から観たらすごい光景だったらしくて。スモークにVJが投影されてるのもきれいだったねと言っていただけました。これはブクガならではの世界観が表現できたのかなって思います。

金澤 最初に美術館って言葉を使ったけど、それを聞いて、より現代アート的な部分がライブや音にも反映されている印象を受けました。

和田 私たちはアイドルとは謳ってませんが、アイドルというのはメンバーの人生やパーソナル自体が作品になるアートだと思っていて。それぞれがいる意味があって面白いなと思っています。

金澤 なるほどね。そういう凝った演出だと、リハーサルも入念にやったりするんですか?

コショージ ワンマンは特別入念にやります。いろんな演出が組み込まれているときは特に。

金澤 僕はまだ生でライブを拝見したことないんですけど、実際に拝見したら、何か考えさせられるんだろうという期待を感じています。

矢川 ワンマンが終わったあとは、考察してくれるファンの方がいっぱいいます。「あそこの演出はどういう意図だったんだろう」って。

金澤 やっぱりそうなんですね。最近の現代アートでも「何かは表現されているけど、その答えは受け取る人々に問う」みたいな部分がありますけど、皆さんのライブでもそれが感じられるんじゃないかなと思うので、すごく観てみたいです。

ブクガ ぜひ!!

ホラー映画に挑戦したい

──Maison book girlの皆さんは普段はどんな音楽を聴いていますか?

矢川 私はアイドルが好きで、もっぱらアイドルばっかり聴いてます。

井上 今自分たちがやっているような音楽には触れずに生きてきたので、ブクガに入ってからは新しい曲を聴くたびに新鮮に感じてます。

和田 私は最近だとSPANK HAPPYが好きで、フジファブリックさんももちろん聴いています。バンドが好きなんですけど、最近オタクになってしまって(笑)。「アイドルマスター」シリーズが好きで、「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」の姫川友紀さんがフジファブリックさんの「LIFE」をカバーされていたんです。だから今回の対談のお話をいただいたときはすごくびっくりしました。ホントに光栄です。

金澤 僕も曲をカバーしてもらえて光栄です。

コショージ 私もアイドル好きなんですけど、もともとバンドも好きで、洋楽やインストを聴いてます。

金澤 皆さんいろいろ聴かれるんですね。Maison book girlさんの歌や音が1つの枠にとどまっていないことに通じている気がします。今やっていること以外にやりたいことはありますか?

コショージ こないだ思ったのが、ホラー映画……。

Maison book girl

井上 わかる。映画やりたいよね。

金澤 僕もそう思ってた!

全員 あはは(笑)。

金澤 すでにものすごい世界観を表現されているわけだし。演劇、映画とかもっと幅広いこともできるんじゃないかなって。

コショージ ポエトリーのミュージックビデオは作ったことないし、映像と合わせたらまた違うかなと思いましたが、映画でも面白そう。

金澤 今後できるんじゃないですかね。

コショージ えー、やりたい……(笑)。

──ポエトリーリーディングと映像作品の演技はまた感覚が異なると思いますが、演技に対する興味もありますか?

井上 映画やドラマを観るのがめちゃくちゃ好きで、自分ができるかと言ったらわからないですけど、面白そうだなと思います。

金澤 できそうだよ! ライブでもみんな引き込まれているわけだしさ。「次、演技やるよ」って言われたらなんて返事しますか?

コショージ 「がんばります!」って言います。

井上 暗い役だったらできるかな……元気っ子は難しいかもしれない(笑)。

金澤 いい流れですね。音源を作って、今度は映画も撮って……。

和田 決まりましたね、今後の展望が(笑)。