さわやかなポップチューンで彩られたラブソング集

文 / 坂本ゆかり

First placeの歌声を初めて聴いたのは、アニメ「名探偵コナン」のエンディングに流れてきた「さだめ」だった。徐々に盛り上がっていくミディアムバラードはまだ少年ぽさが残る声が印象的で、気になって検索してみたら、これがデビュー作。ジャケット写真を見ててっきり流行りのダンスボーカルグループかと思いきや、RYOMA、KENTO、TAIHEI、KAITOから成る4人組のボーカルグループで、back numberやAAAからKinKi Kidsまで、さまざまなJ-POPのカバーを中心に、原宿、渋谷でのべ800回を超えるストリートライブを行ってきた実力派だという。ボーカル力のみならず、メンバーのTAIHEIは、雑誌「Popteen」の第4回イケメン総選挙で1位を獲得したイケメンということもあり、女子中高生を中心にファンを増やしてきたというのも納得！

1stミニアルバム「L.D.Love」は、デビューシングル「さだめ」に続く2枚目のリリース作。アルバムタイトルにもなった「L.D.Love」は“Long Distance Love（遠距離恋愛）”を意味しており、「どんなに遠くに離れたとしても 心はずっとひとつでいよう」と歌う、リード曲「瞬間≒FOREVER」と対をなすような内容になっている。切なさと胸キュンが詰まった7編のLOVEのカタチがぎゅぎゅっと詰め込まれている本作は、“恋色多彩”がコンセプト。シンプルかつストレートな歌で幅広い世代に支持されるボーカルグループを目指しているというだけあって、本作もシンプルなバラードと、初夏にピッタリなさわやかなポップチューンで彩られた聴き心地のよいラブソング集となっている。

4人それぞれの歌声に個性が際立っているが、ボーカルグループだけあって、曲中のコーラスワークも聴かせどころ。ガールズボーカルグループのLittle Glee Monsterも大ブレイクしたし、6月末には4年ぶりにテレビで「ハモネプリーグ」も復活。フレッシュな新人First placeも、ハモれるボーカルグループとして注目されそうだ。