超特急やDISH//、Vaundyといったアーティストを輩出してきたスターダストプロモーションの音楽レーベル・SDRによるオーディション「超アーティストオーディション」が、9月30日まで応募者を受け付けている。
「超ボーカリストオーディション」「超ボーカルオーディション」として過去2度にわたって実施されてきたSDRのオーディション。今回はボーカル部門だけでなく、ジャンルを絞らない応募枠「超なんでもオーディション」が新設された。各部門でのグランプリ獲得者には、賞金および活動費として100万円が進呈される。
オーディション開催に際し、音楽ナタリーでは全2回にわたって特集を展開する。第1弾には超特急のリョウガ、シューヤ、マサヒロが登場。2022年に行われた超特急の新メンバーオーディション「超特急募」を経て超特急の一員となったシューヤとマサヒロ、そしてこのオーディションの審査に携わったリーダーのリョウガに、それぞれの立場から見て、感じた“オーディション”についての思い、今回の「超アーティストオーディション」について語ってもらった。
取材・文 / 三橋あずみ撮影 / 曽我美芽
SDR Presents 超アーティストオーディション
スターダストプロモーションの音楽レーベル・SDRによるオーディション。第3弾となる今回はボーカル部門だけでなく、これだけは“超得意”という方へ向け、ジャンルを絞らない応募枠「超なんでもオーディション」が新設された。
「超なんでもオーディション」の応募資格は、音楽にまつわる作詞作曲などはもちろん、マンガ、イラスト、動画制作、インフルエンサー、AI、造形師、書道家、陶芸家など、音楽以外でも公序良俗に反さないジャンルならばなんでもOK。
各部門でのグランプリ獲得者には賞金および今後の活躍を期待しての活動費として、100万円が贈呈される。さらにボーカリスト、クリエイターとしての活躍をSDRが全面バックアップする。
部門
1. 超ボーカルオーディション
2. 超なんでもオーディション ※新設
募集期間
2024年7月25日(木)0:00~9月30日(月)23:59
審査
一次審査:10月初旬(書類審査)※選考通過者には10月初旬までに二次審査を案内予定
二次審査:10月中旬(オンライン)
最終審査:10月下旬(東京都にて開催予定)
オーディション、得意? 苦手?
──まず、皆さんは「オーディション」というものにどんなイメージを持っていますか?
シューヤ 僕は以前別の事務所に所属していたとき、数カ月に1回オーディションがあったんです。それは特待生になるためのものだったりしたんですけど。当時は毎回めっちゃ緊張したし、「嫌いだな」という思いがありました。
リョウガ へえー。
シューヤ それに受かることでステップアップした人間ではあるんですけど……待ち時間の緊張がめっちゃ嫌ですね。だから受けることにはまあまあ慣れているけど苦手意識があるもの、という感じです。
マサヒロ 僕は逆にすごい好きで。理由もちゃんとあります。もともと僕はダンサーをやっていたけれど、ダンサーってオーディションがすごく少ないんですよ。だいたいの場合、「バックダンサーのオーディションがあります」となっても、“クローズド”と言って声がかかった人しか受けられないので。
シューヤ なるほどね。
マサヒロ 知名度もスキルも認められた状態からスタートというものがほとんどだったんです。オープンなオーディションが全然ないから参加できること自体がありがたいという感覚で、「オーディション受けられる、やった!」みたいな。だから嫌な印象はまったくなくて。実際はスキルのぶつけ合いだし、内容はバチバチしていましたけど、オーディション自体の印象は悪くないというか、僕は好きでした。
リョウガ オーディション……僕自身はもう10年以上受けていないんですけど、それこそ15年前、事務所に入ったばかりの頃はちょくちょく演技のオーディションとか受けに行っていましたね。当時中学生で、事務所に入ったきっかけが自分主導じゃなかったこともあって、自分自身「これがしたい」という意志がないまま受けていたので、どんな役かもわからないまま渡された台本を読むだけ、みたいな感じだったのを覚えています。でもやっぱり緊張はあって、どちらかと言うとシューヤと同じように苦手な感覚があるものというか、心身ともに消費する場、というイメージがありますね。でも、そもそも超特急もね。事務所内で歌とダンスのオーディションみたいなものが突然開催されて、なんの目的かもわからずに受けたらグループを作るためのものだったという、そんな経緯で始まったグループなので。僕にとってすごく大きなものでもあります。
「超ボーカリストオーディション」が輩出した才能
──昨今さまざまなオーディションが開催されていて、エンタメ界におけるオーディション出身者の活躍も目覚ましいですよね。
マサヒロ 実際、オーディションに合格して活躍している知人はすごく多くて。ダンサー時代一緒に踊っていた仲間は、ほとんどと言っていいほどアーティストになっています。例えばJO1やINI、MAZZELに受かったメンバー。そうやって周りで活躍している友達が多いので、音楽番組で共演できたときはテンションが上がります。
シューヤ それで言うと、僕もめっちゃ知り合いが活躍しているんですよ。BE:FIRST、JO1、INIにもいるし……。
──すごくたくさんいらっしゃいますね。
シューヤ あ、あとOWVの本田康祐! あぶね、忘れてた!(シューヤと本田はかつて同じグループで活動していた)
リョウガ 最初に名前出さないとだろ、そこは(笑)。
──そしてSDRのオーディションに限って言うと、2018年に行われた「超ボーカリストオーディション」で準グランプリに選ばれたKEVINさんとMORRIEさんが、現在BUDDiiSのメンバーとして活躍されています(参照:「超ボーカルオーディションVOL.2」KEVIN×MORRIEインタビュー)。
リョウガ 僕自身は深い関わりがあるわけではないんですけど、それでも自然と耳に入ってくるレベルで、2人がすごい才能の持ち主だということは知っています。シューヤはMORRIEと仲よくしてるよね。
シューヤ MORRIEは普段から遊んだり、一緒にカフェに行ったりしてて……。
リョウガ かわいい。
シューヤ グループについて「今後こうしていきたい」みたいな彼の話を聞いたり。僕もまだ超特急に入ったばかりだけど、すごく頼ってくれますね。あとは買い物のこととか、フランクな会話もする仲で。とにかくMORRIEはめっちゃいいヤツ。なんでも素直に話し合える存在です。で、KEVINはつい最近ですけど「EBiDAN THE LIVE CRUISE 2024」で披露したSUPER CREATIVEというユニットで一緒になって。レコーディングのときからすごくクリエイティブ能力が高いなと思ったし、もちろん歌もすごくうまくて、自分にはない歌い方だったり感性を持っているから刺激を受けたというか、「自分もがんばろう」と思えました。話していてもリスペクトを持って接してくれているのが伝わったので……EBiDANのボーカルチームの中でもKEVINは、言い方が正しいかわからないけど一目置く、すごい人だなと思います。
審査する側じゃなく、受ける側が主導
──そんなKEVINさんやMORRIEさんを輩出したSDRのオーディション「超オーディション」シリーズの第3弾となる「超アーティストオーディション」が現在開催されているわけですが、今回はどんなクリエイターでも参加可能な「超なんでもオーディション部門」という部門が新設された、とのことで。
シューヤ ホントになんでもいいんですか? 漫才やっても?
──大丈夫だそうです。例えば陶芸や書道など、音楽以外でも公序良俗に反さないジャンルならばなんでもOKだと。
リョウガ 新しいですよね。「こんな人が欲しくて募集します」じゃなくて「とりあえず来い!」っていう(笑)。「それいいね」となったら自分の特技が新たなカテゴリとして認められるわけで、審査する側じゃなく、受ける側が主導というか。
マサヒロ 僕が思うに、例えば陶芸で自己アピールする子が来てくれたら、採用する側はその陶芸を特技として確保しておきつつ、「アーティストどうですか?」って、さらにその人の才能を探りそうな気がする。「ちょっと歌ってみて」とか言いそうじゃないですか。
シューヤ 言いそう!(笑)
マサヒロ それで「いいじゃん」となったら、陶芸を1つの武器として、アーティストデビューすることもできるし。
リョウガ なるほどね、その形もあるか(笑)。
マサヒロ わかんないですけどね? 僕が勝手に言ってるだけなんで。
リョウガ じゃあ、陶芸だったら作品を持参して……って、例え陶芸ばっかだな!(笑)
シューヤ マジックとかでも大丈夫ってことだもんね?
マサヒロ とにかく、なんでもいいから主催者側に未来を想像させたもん勝ちだと思うんですよ。
シューヤ おい、お前カッコいいこと言うな!?
マサヒロ あ、今の書かないでください(笑)。これは自分のモットーでもあって、俺はそれを意識して生きてるので……。
リョウガ・シューヤ あはははは!
マサヒロ 一緒に仕事できる姿を想像させたら「この子でいこう」となるじゃないですか。ダンサー時代は特にそうやってアピールしていましたね。
3人の“超なんでも”な才能
──では皆さんが「超なんでもオーディション」部門に歌とダンス以外で応募するなら、どんなアピールをしたいと思いますか?
シューヤ リョウガっちはさ、そのえげつないトークスキルを発揮するのはどう?
マサヒロ あとは声モノマネとかじゃないですか? 声優として活躍できる姿を相手にイメージさせる。
シューヤ それだー! 声がよすぎるからね。
リョウガ なるほどな。シューヤもマサヒロも洋服が好きなんで、ファッション系のアピールとかいいかもね。「ひと月にこれだけ服買ってます!」とかアピールすれば、「おお! そんなに使ってるのか」って、いいつかみになりそう。
マサヒロ 僕だったら1週間分のコーディネートを審査会場に持って行く作戦を取りますね。「持ってきました。見てください!」って。そのうえで、モデルができる姿まで相手に想像させる。
リョウガ あとシューヤはSNSにめちゃくちゃ強いから、プロデュースする側の素質もあると思うんですよね。だからプロデュース側に回っちゃうとかどう?
マサヒロ オーディションなのに(笑)。
シューヤ でもそれ、けっこういいかもよ? 例えば「私は超特急を私はこれだけ調べてきました」とアピールして、長所と改善点を分析するプレゼンをし始めたら、めちゃくちゃいいと思う。
リョウガ もうね、それは社員です(笑)。
シューヤ・マサヒロ あはははは!
マサヒロ あと、リョウガくんだったらゲーム配信の才能をアピールするとか。
シューヤ あとさ、あれもいけそうだね? あのー……。
リョウガ アイデアが止まらないじゃん(笑)。
シューヤ アバターじゃなくて……Vtuber! 世間に顔を出したくないという方でも、Vtuberとしてだったら声や歌で勝負できるし、「超なんでもオーディション」部門はそういう方にも開かれたオーディションですよね。そう思うと、本当にジャンルレスだからすごい。だって俺、顔を隠しても参加できるオーディションって聞いたことないもん。
リョウガ 「こんな人を募集してるからこれをやってくれ!」というよりも、応募者と一緒に作り上げていきたいっていう雰囲気があるよな。
シューヤ (ボソっと)SDRってオモロいな……。
リョウガ その人の個性をめちゃくちゃ生かせる場をね。作ってくれそうな感じがありますよね。
シューヤ 楽しそう。俺、審査参加してもいいですか?(笑)