オリジナル“パー、グー、チョキ”を入れたジュディマリ「夕暮れ」カバー

──では続いて「Missing you」についてもお伺いしたいのですが、この曲はまた趣の異なるバラードになっていますね。離れてしまった相手を思う切ない歌詞ですが、悲しすぎずに前向きな仕上がりになっているのが印象的でした。

悲しい曲って悲しく歌いすぎると立ち直れなくなっちゃうじゃないですか（笑）。歌詞自体が悲しいので、そこで“悲しい”は感じていただければいいんじゃないかなと思って。なので、私は「この作品を伝えるぞ」という気持ちで歌いました。サビまでは歌詞の物語を感じながら歌うという感じで、サビでさらにグッと感情を込めて……でも、あえての前向きさも入れながら歌ったと思います。

──普段から、切なすぎない曲のほうがしっくりくるタイプだったりするんですか？

うーん、切なすぎる曲を聴いて心が落ち着くときもあるんですけどね。でももしかしたら私、普段から聴く音楽はわりと明るかったりパワフルで迫力のある曲のほうが多いかもしれないです。

──「Missing you」はメロディも歌声も冬っぽい透明感がありますが、JUDY AND MARYのカバー「夕暮れ」もこれからの季節にピッタリのナンバーですね。

初めから1曲はカバー曲にしようと決めていたんです。それで、これまであまりカバーされていない曲のほうがいいんじゃないかという話になって。もともとJUDY AND MARYさんも好きだったので、ジュディマリさんのこれまでカバーされていない曲から選ぶことにしました。この曲は、クリスマスに会えるのを待ちわびている歌詞がすごくかわいいんですよね。そういう気持ちをピュアに歌えたらいいなと思って、この曲を歌わせていただくことにしました。

──アウトロのところに入っているウィスパーボイスもすごくかわいかったです。YUKIさんのとはちょっと違って……“パー、グー、チョキ”って言ってます？

あはは、言ってます！（笑） YUKIさんの言っている言葉が私には“パー、グー、チョキ、グー、パー、グー、チョキ、グー”に聞こえたんですよ。それで、Carlos K.さんに言ったら「それでいこうか」ってなって。でもそう聞こえないようにさりげなく言ったつもりだったんですけど……さっき自分でも改めて聴きながら、「あれ？ めっちゃしっかり言ってるな」って思いました（笑）

これからもっと挑戦したい

──“パー、グー、チョキ”、築田さんオリジナルな感じですごくかわいかったですよ。ではもう1つ、初回盤の特典DVDについても少し聞かせてください。「君とひこうき雲」のMVは築田さんのかわいい表情や動きがたくさん楽しめますが、撮影されてみていかがでしたか？

すごく楽しかったです！ でも最初のほうは緊張で動きが固くなっちゃいました。歌詞や曲に合わせて動きを決めてたんですけど、私すごく不器用なので、意識しちゃうとどうしてもぎこちなくなっちゃって。監督さんに「今、ここで！ 洗濯物をたたんで！ 入れるっ！」みたいな感じで、指示してもらいながら何度も撮影しました（笑）。“今だ！ 今だ！”って思いながらやりつつ、何事もないような顔をして歌うっていうのがすごく難しかったです。

──あの素敵な笑顔の裏には大変な努力があったんですね（笑）。

もう、必死でしたね。トランクに物を入れる動きも、そもそも入れるものが変なので（笑）。ステーキを鉄板ごと入れたりとか、新しいストレス発散法!? みたいな感じのものが多くて、やっていて楽しくなっちゃいました。監督さんがその場で「遠くから投げてみよっか」とかいろいろ言ってくださったんですけど、投げたら一発で入ったところがあって。めちゃめちゃテンションが上がっちゃって、素で喜んでいるところも使われてます（笑）。

──お気に入りのシーンはありますか？

私がスーッて後ろに下がっていって、ライトを自然な動作で消すっていうシーンがあるんですけど。ここは何テイクも撮ったんですよ。いかにも「消します！」っていう感じになっちゃうので、ナチュラルに消せるようにがんばりました。ほかにもぎこちないシーンがあると思うんですけど、一生懸命やったんだなと思って見てもらえたらうれしいです！ 初回限定盤DVDにはメイキングの模様も収録されているので、恥ずかしいですけどぜひ撮影の裏側まで温かい目で見ていただけたらと思います。

──12月にはミニアルバムのリリースイベントを控えていますね。

リリースイベントではライブもあるので、英語の曲を含めてちょっと不安もあるんですけど（笑）、皆さんと一緒に楽しめるイベントにしたいなと思っています！ みんなと距離が近くなれたらうれしいです。

──今回のアルバムは幅広い内容になりましたし、今後の音楽活動でやりたいことも広がりましたか？

そうですね。今回、新しい自分を発見できたので、これからももっと違うことに挑戦したいです。英語じゃない曲とか、もっと激しい元気な曲とかも歌ってみたいなと思います。ロックもやってみたいけど、歌えるのかなあ。不安……いや、不安はないかもしれない！ あとジャズも挑戦したいし、ライブツアーも、できることならやってみたいです。いろんな土地に行ってライブしたり、野外ライブでみんなで盛り上がったり……すごく憧れます。でもまずは、とにかくたくさんの人に私の歌が広がるよう、これからもがんばっていきたいです！