SUMIRE×HIMIインタビュー|アナログ盤選曲を通じて再認識した母・Charaからの影響 (2/2)

クレジットを調べてみたらジェームス・イハが作曲していた

──HIMIさんは、アルバム「マドリガル」(2001年)から、岡村靖幸作曲の「レモンキャンディ」と、ジェームス・イハが作曲した「ボクにうつして」を選曲しています。

HIMI 「レモンキャンディ」はMVがかわいくて好きだったんです。まだ子供だったから、MVが印象に残っている曲も多くて、「Duca」や「月と甘い涙」もそうですね。「ボクにうつして」は、最近、発見してハマった曲です。小学生の頃、お父さんがThe Smashing Pumpkinsを聴いていたので、自分も好きだったんですが、「ボクにうつして」がスマパンのジェームス・イハが書いた曲だということを最近知って、びっくりしました。

Chara「マドリガル」ジャケット

Chara「マドリガル」ジャケット

──「マドリガル」の頃、HIMIさんは、まだ2歳。それが20年の時を重ねて響いたと?

HIMI そう。この曲すごくいいなとクレジットを調べてみたら、なんとジェームス・イハだったという。母親の音楽でそんな発見ができたのは、自分も音楽を作るようになったことも関係していると思いますけど。

──「大切をきずくもの」(2000年)は、CharaさんがHIMIさんを授かった日に“遺書”として書いた曲だそうですね。

HIMI この曲を作った頃は、いろいろ大変だったみたいで。だから曲を聴くと、泣けるというか……。僕もエモーショナルで切なくて、泣ける感じの音楽が好きなんで、そこはかなり影響を受けていると思います。まあCharaがいいミュージシャンだってことは前からわかっていましたけど。

──HIMIさんは2020年に初音源「STEM」を配信リリースし、昨年は映画「ゾッキ」の主題歌「私を離さないで」で親子デュエットも実現しましたが(参照:映画「ゾッキ」特集 Chara×HIMI インタビュー)、音楽家として活動していこうと意識するようになったのは?

HIMI 音楽はいつも自分のそばにあったし、2、3歳の頃から歌っていたみたいだから、いつというのはわからないけど、音楽が楽しい、好きだという気持ちはずっとありました。大人になるにつれ、自分は音楽を続けていくんだろうなと自覚するようになっていった感じですね。

モデルの仕事に興味が出てきたとき母が背中を押してくれた

──お二人は、Charaさんが曲を作るところもそばで見てきたわけですが、その影響で楽器を手にすることはあったんですか?

HIMI 母はデビュー前にピアノの調律を学んでいたみたいで、ピアノで曲を作るのがメインでしたね。僕も小学生の頃、お母さんの勧めで少しピアノを習ったんだけど、譜面が読めなくてやめてしまった。

SUMIRE 私もピアノとバイオリンを一時期ちょっと習いました。でも、自分の中で「ちょっと違うかな」と思って、ハマりきらずに終わってしまって。

HIMI 譜面が読めなくても音楽は楽しめると思ってからは、中学生くらいからお父さんのギターを弾き始めて、その後は独学で勉強して。その前に僕もスーちゃんもドラムをやったんだよね。

SUMIRE 家にドラムがあったので、たまに遊びで叩いていましたね。

──家にドラムセットがあるという環境がまず普通の家庭とは違いますね。

SUMIRE そうですよね。そこは私たちの家ならではというか。バンドにもちょっと興味はあったんですが、私はHIMIくんと違って、ハマるまではいかなかった。

──CharaさんもYUKIさんと結成したMean Machineというガールズバンドでドラムを担当していたことがありましたね。

HIMI へえー。知らなかった。まあ、母も僕らに教えるほど楽器がうまいわけじゃないし、教えてもらったのは、音楽を楽しむことだったと思います。だから、興味を失わずに続けることができたんじゃないかな。

──今はお互いにミュージシャン同士でもあり、HIMIさんはライブでもたびたび共演していますが、本格的に音楽活動を始めてCharaさんとの関係性で変わったところはありますか?

HIMI お母さんが僕に質問することが増えましたね。最近の音楽やミュージシャンのことが多いんだけど、今も音楽への好奇心、探究心があって、自分自身を更新していこうとしているんだなと思います。僕が一緒にやっている若いミュージシャンとも母は共演しているし。

──millennium paradeの楽曲「Stay!!!」にCharaさんが参加したのも印象的でした(参照:常田大希millennium parade、Charaフィーチャーの新曲「Stay!!!」リリース)。

HIMI 常に新しく、面白く、楽しく音楽をやろうとしている。そういうところはリスペクトしていますね。

──HIMIさんの世代とも交流していくことで、音楽とフレッシュに向き合う姿勢をキープしていると?

HIMI そうだと思います。だから、お母さんはいつも“若い”んじゃないかな。自分も音楽活動するようになって、ますますお互いに影響しあえる関係になってきたような気がします。

──SUMIREさんは、10代の頃からCharaさんのアルバム「honey」のジャケットや、「やさしい気持ち(Special Kiss ver.)」のMVに登場していましたね。

SUMIRE 「honey」が中2、MVが高3のときでしたね。モデルのお仕事に興味が出てきて、自分でもやってみたいと思うようになったとき、母がそのきっかけを作ってくれて、背中を押してくれたと思います。私は音楽の道には進まなかったけど、演技だったり、何かしら表現に関わることがしたかったので。

──HIMIさんも音楽活動と並行して、俳優としても活動していますね。

HIMI 役者の仕事はわからないことばかりなんですが、どちらも好きでやってます。楽器もギターだけじゃなくていろいろやってみるほうがうまくなると思うし、今は興味があることならなんでもチャレンジしてみようと思っていますね。

いつかCharaとツーマンで対バンしてみたい

──今回お二人が選曲したアナログ盤の曲は、Charaさんが1990年代から2000年代初頭までに残した作品が中心になっていますが、その時代の音楽やカルチャーについてどう思いますか?

SUMIRE 私は95年生まれなので、90年代は鮮明には覚えていないんですが、母親の音楽も含めてその頃の音楽を聴くと、どこか懐かしくて、温かくて、今も共有できるものがあるなと感じますね。

HIMI 僕はあまり時代にこだわらずに音楽を聴いているので、特に90年代を意識したことはないけど、いい音楽は時間を超えるというか、いつ聴いても新しいし、いろんな発見があるんじゃないかな。たぶん、その時代の色というものはあるんだろうけど、90年代はいろんなジャンルの音楽が混ざり合って、それが面白かったんだろうなと想像できますね。それがCharaの音楽からも感じられるし、その中で自分の色をちゃんと表現していた人なんだなと思います。

SUMIRE うん。それは今も変わらないし、母親のそういう姿勢や生き方には、私もやっぱり影響を受けたと思いますね。

HIMI チャレンジすることを恐れない人だから。そこが心強い。あと、友達でも仲間でも親子でも「仲よくいること」が大切だって教えてくれたのは、自分にとって大きかった。Charaの音楽の根っこにはそれがあるんだと思う。

SUMIRE そう。考え方が柔軟で、いつもいいアドバイスしてくれるので感謝しています。これからも大好きな人たちとハッピーに音楽を続けていってほしいですね。

HIMI 僕はいつかCharaとツーマンで対バンしてみたいですね。

SUMIRE 私も楽しみにしてる。お客さんとして観に行きたい。

Charaコメント

二人とも色々考えて選曲してくれたんだろうな~

被っている曲もあって面白かったけど

二人がそれぞれ選曲した楽曲を意識したライヴをやってみたくなりました!

なんか、嬉しいです。

二人ともありがとう~(^。^)

Chara

Chara

プロフィール

Chara(チャラ)

1991年9月、シングル「Heaven」でデビュー。オリジナリティあふれる楽曲と独特な存在感により人気を得て、ファッションでも注目を浴び、1992年の2ndアルバム「SOUL KISS」では日本レコード大賞ポップ、ロック部門のアルバム・ニューアーティスト賞を受賞。1996年には女優として出演した岩井俊二監督の映画「スワロウテイル」が公開され、劇中のバンドYEN TOWN BANDのボーカルとして参加したテーマソング「Swallowtail Butterfly~あいのうた」が大ヒットを記録する。この頃からライフスタイルをも含めた新しい女性像としての人気も獲得し、1997年のアルバム「Junior Sweet」は100万枚を超えるセールスを記録。以降も音楽的探求を各アルバムで繰り広げ、若手、新鋭とのコラボレーションも数多い。2018年12月にはオリジナルアルバム「Baby Bump」をリリース、2020年2月にはYUKIとのユニット・Chara+YUKI名義でミニアルバム「echo」リリース。デビュー30周年を迎えた2021年秋、日本コロムビアへの移籍を発表した。

SUMIRE(スミレ)

1995年生まれ、東京都出身の女優 / モデル。2014年より雑誌「装苑」の専属モデルとして活動し、18年に映画「サラバ静寂」のヒロイン役で女優デビューを果たす。19年にはWOWOWのオリジナルドラマ「悪の波動 殺人分析班スピンオフ」でヒロインを務めた。主な映画出演作に「リバーズ・エッジ」(2018年)、「ボクたちはみんな大人になれなかった」(2021年)などがある。

HIMI(ヒミ)

東京を拠点に活動する1999年生まれのシンガーソングライター。俳優としての活動もあり、長久允、関根光才、三宅唱など名だたる監督の作品に多数出演。2020年1月よりPERIMETRONの企画プロデューサー西岡将太郎と2人でクリエイティブレーベル・ASILISを立ち上げる。同レーベル所属のユニット・D.N.A.としても活動し、R&B、ソウルをベースとした楽曲に自身の思想やレーベルのスタンス、新しい時代の意志を表現している。