callmeになると頭が真っ白になる

──結成からの1年を振り返っていこうと思うんですが、callmeはRUUNAさん、MIMORIさん、KOUMIさんの3人が完全セルフプロデュースのユニットということで結成され、当初はドロシーと並行して活動していました。そのときはどういった心境だったのかなと。

RUUNA　callmeはドロシーとは別の世界観のものを作らないといけなかったので、わざとドロシーのイメージから遠ざけてました。全員がショートカットになったのもそうですけど、最初だけでしたね（笑）。

KOUMI　モードなビジュアルイメージにすることで差別化できるかなと思って。自分たちでもインパクトはすごいなと思ってましたよ。

MIMORI　スケジュール的にはすごい大変だったんですけど、心情的にはまだドロシーを卒業するっていう考えがなかったときでもあるので、callmeでやってることをドロシーに還元しようと思ってやってたんですよ。これは今しかできないことかもしれないから、楽しんでやろうって。

──callmeとドロシーの活動はそれぞれ自分たちの中ですみ分けできてました？

RUUNA　私はドロシーで活動してるほうが安心でしたね。callmeではリーダーという立場になって初めての立ち位置で不安もあって。すごい気を張っていたんですよ。だからドロシーの活動のときはホームな感じですごく落ち着きました。やっぱりずっとドロシーでやってきたので。callmeはcallmeで、ドロシーとは違った視点で活動することができて勉強になってます。

──そして4月にTSUTAYA O-EASTでワンマンライブを開催しました。曲を作るのがとにかく大変そうでしたね。

MIMORI　2月の時点で3曲しかありませんでしたからね（笑）。

KOUMI　でもすごい夢中になって取り組めたので、つらくはなかったです。

RUUNA　モチベーションの高さだけでずっと進んでいった感じですね。

──それでも10曲も新たに作るのはなかなか難儀だったんじゃないかと。

RUUNA　まだそこまで楽曲制作経験もない3人が10曲も新曲を作るのって、容易なことではなかったです。でもライブではほぼ全部初めてやる曲なのに、ファンの皆さんがすごくノッてくれて。

MIMORI　タイトルが本番30分前まで決まってない曲もあったくらいですから。急いでセットリストを書き換えてね。

KOUMI　やってたね（笑）。なんかもうちょっと余裕があれば地に足が付いたライブになったなと思ったり。

MIMORI　今までにないくらい緊張したよね。ドロシーのときは自信を持って堂々とできるのに、callmeになると焦って頭が真っ白になることも多くて。この日のライブも緊張と不安が常に隣にありました。

RUUNA　でも、そのときの3人にできる最大のものは出せたと思います。なんというか、3人の「やってやるぞ感」をすごく感じてもらえたんじゃないかと。

ドロシーに対する愛情を全部置いていきたかった

──記念すべき1stワンマンライブから10日後、皆さんはドロシーから卒業することを発表しました。卒業発表は3人としても複雑な思いがあったんじゃないかと思うのですが。

RUUNA　2014年の秋くらいからそういう話はずっとあって。5人で話してきたんですよ。それは私たちが辞めるというよりは今後のドロシーの方向性についての話です。「もっとステップアップしたい」とか「もっといろんなところでライブがしたい」など意見がぶつかり合うこともけっこう多かったです。最終的には5人でまとまっていけたら一番いいなと考えていたんですけど、うまくいかなくて。そうなったときに「3人でやろうか」という話になって、卒業を発表した流れですね。

──考えようによってはドロシーを続けながらcallmeをやるという選択肢もあったのかなと思うんですけど、それは皆さんとしてはなかった？

RUUNA　その可能性もありましたよ。スタッフさんからもドロシーをやりながらcallmeを続けるというのもできないことはないから準備すると言っていただけていたし。でも、それでどちらも中途半端になるのが私たちとしては一番嫌でした。それはドロシーとして活動していく2人にも申し訳ないことだし。自分としてはやりたいことを実現するにはどちらがいいかを考えたときにcallmeだけでやっていこうと判断しました。

──そして7月12日に東京・中野サンプラザホールで5人体制としては最後のワンマンライブが行われました。ドロシーとしての集大成となるライブだったと思うのですが、皆さんとしては振り返ってみてどうですか？

RUUNA　今までで一番早く感じたライブでした。本当に短く感じましたね。そして改めて私はドロシーのことが好きだと思いました。

──終わってほしくないという気持ちもあったんじゃないかと。

KOUMI　ちょっとだけありましたね。みんなの前でドロシーのメンバーとしてマイクを持って歌って踊るのはこれが最後になるんだって思ったらすごく切なくなりました。噛みしめながら1曲ずつ歌っていたので、もう少し歌っていたいなとは思いました。私もドロシーの曲が好きだったんだと、このとき改めて感じました。

RUUNA　ドロシーでやってこれて本当によかったと感じることのできたライブでした。5年間やってきた自分の誇りです。callmeをやっていて難しいと思うことがあっても、ドロシーでの日々を思い出すとがんばろうって気持ちになります。

──あの日、RUUNAさんは白戸佳奈さん、高橋麻里さんに対して思うこともあって、最後のMCで感情が爆発しちゃいましたね（参照：「この5人でよかった」ドロシー、涙のツアーラストで飛び出した本心）。

RUUNA　そうですね。あの日まで卒業するって言ってもまったく覚悟が決まってなくて、ツアーをやっていくにつれてだんだんと覚悟が決まっていったんですよ。だからサンプラザに立ったときに私が持っているドロシーに対する愛情を全部置いていこうと思ったら、ああいうことになっちゃいまして（笑）。

──言いたいことは全部言ったという感じはしました（笑）。

RUUNA　最後にすごいわがままを言ってしまいました……。

──改めて白戸さん、高橋さんに伝えたいことはありますか？

RUUNA　私は早く2人に追いつきたいという気持ちがすごいありました。だからいつの日か「3人とも、大きくなったね」って言ってもらえる日が来てほしい。そうしたら「がんばりました」って報告したいです。まだ今は言えないです。自信を持って言えるときが来たら会いに行きたいです。

──卒業というか、親離れに近いような気がしました（笑）。

RUUNA　そうかもしれない（笑）。

MIMORI　ずっと頼ってきた先輩だったので、そういう感じかもしれません。

──近い将来、再び5人が交わることはあると思いますか？

RUUNA　そのためにはまず私たち自身が夢を叶えないと。そのときに会いに行きたいです。今会っても甘えちゃうと思うので。それに今でもドロシーの曲は聴くんですよ。そしてやっぱりいい曲ばかりだなって、悔しい気持ちになります。私たちももっとがんばろうって思いますね。