「私たち3人そろえば無敵です!」今観といたほうがいいアイドル・ばっぷる、その歌唱力と自信の理由を明かす (3/4)

不登校でも修学旅行とかは全然行くタイプだった

──ほかの2人にとっての「アイドルとはなんぞや」も聞いてみたいです。

もも 私は3歳からダンスを習ってきたんですけど、ちっちゃい頃にディズニーランドで踊らせてもらったことがあって。そこでダンスの先生に「笑顔でみんな魔法をかけよう!」と言われて「あ、やりたい」って思ったんです。みんなのことをハッピーにする存在になりたいって。

花純 みんなをハッピーにするのがアイドルってことだよね。

もも うんうん。それと私、ダンスだけじゃなくて歌も歌いたくて。アイドルだったら両方できるじゃないですか。

──なるほど。ひろかさんはどうですか?

ひろか 私は……アイドルになりたいとはあんまり思ってなくて。

──ひろかさんは中学生の頃に地元・石川のご当地アイドルとしてデビューしたあと、声優を目指して上京し、今は声優の養成学校に通いながら、ばっぷるのメンバーとして活動しているんですよね。

ひろか はい。もともと歌うことは好きだったんですけど、中学生のときに不登校になっちゃって。ご当地アイドルになったのも、外に出るためというか、外界と関わりを持つための1つの手段という感じだったんです。指原莉乃さんも不登校だったってお母さんから聞いて「そっか、私みたいな存在でも」って……本当のこと言おうとすると涙が出てくる(笑)。

もも ははは。

花純 ひろかにとってアイドルは歌える場所だし、自分を解放できる場所なんじゃない?

ひろか そうですね!

ひろか

ひろか

ひろか

ひろか

──いくら歌が好きでも不登校という状態からいきなりアイドル活動というのはなかなかにハードルの高い行為なんじゃないかと思うんですけど、すぐに自分を解放できたんですね。

ひろか 私は不登校でも修学旅行とかは全然行くタイプで。

もも わははは。

ひろか 楽しいことは大好きだったんです(笑)。歌うことは楽しいし、みんなに観てもらえるのもすごくうれしくて。なんかいつの間にかこうなってるという感じです。

──いい道を選んだという気がしますね。

ひろか 向いてたのかもしれないです。

2人になっても辞めるなんて1ミリも考えてなかった

──鈴木さんのアイドルへの熱い思いがグループの発端としてありつつ、3人がこうして集まるまでにはどのような経緯があったんですか?

もも 私はステップアップしたくて静岡から東京に出てきて、当時は本当になんでもやりたいと思っていたんです。そんなときにかすみんがイベントにお誘いしてくれたから、「かすみんのバックダンサーをやりたい」って私から声かけたんですよ。そしたら「バックダンサーじゃもったいないから一緒にアイドル活動しよう」と言ってくれて。

花純 私はソロ時代、どちらかと言うとバラードを多く歌っていたので、バックダンサーと言われても「どの曲で踊るんだろう……」って(笑)。そこでいろいろ考えて「待って、これアイドルグループ作れんじゃん!」と思い付いたんです。

──鈴木さんから話をもらって、牛山さんは面白そうだぞと。

もも はい、「やります!」って。

花純 あの頃のももは、静岡から一緒に出てきたひめに付いていくみたいな立ち位置で、影に隠れてるイメージだったんですよ。「ひめがやるなら私もやりたい」っていう。芸能って普通は自分が一番前に出ようとするものじゃないですか。なのに、ももは性格的に後ろで支えたいタイプで、なんか母みたいな……(笑)。

もも わははは。

花純 でも、いざ始まってみたらコロナ禍で活動できず、ひめは卒業しちゃって。「ももはどうするのかな」と思ったら、私と一緒にやるって残ってくれたんです。そのときからかわからないですけど、「ひめがやるから」じゃなくて「私は私」ってどんどん自分を出すようになった気がして、すごくうれしかったんですよね。

──コロナ禍で活動が止まってしまったグループも多いでしょうけど、2人はそれでも続けたいというモチベーションが強かったんですね。

花純 めちゃめちゃ強かったです。

もも 2人になっても辞めるなんて1ミリも考えてなかったし、そんな選択肢は私にはなかったです。ステージが楽しかったので。

牛山もも

牛山もも

牛山もも

牛山もも

誘ってくれること自体がうれしくて

──ひろかさんはそこにどうやって加わることになったんですか?

ひろか いろんな縁があるんですよね。

花純 私とももの2人で活動していたとき、地方に行くことが多かったんです。そのときにご当地アイドルを辞めて、上京して1人で活動しているひろかと出会って。

ひろか 当時はアイドル活動してたわけじゃないんですけど、歌える場所をみんなが提供してくれていたんです。お二人と出会ったのは、私がご当地アイドル時代に関わりがあった富山のイベンターさんのイベントですね。

花純 ひろかと出会ってすぐグループに誘おうと思ったんじゃなくて、1人でやってたら何かと大変なこともあるから、東京でも安全に活動できるように私たちのディレクターを紹介したんですよ。面倒見るし、守るよって。でも、そこで私とももは閃いちゃったんですよね。「あれ、こればっぷる入ってくれんかな? ひろかちゃん入ったらいいよね」って。

ひろか うれしいです。

花純 新メンバーを入れるとしても、やっぱりグループとしてのパフォーマンスのクオリティは落としたくなかったんですけど、ひろかはもともと歌がすごく上手だったんです。

──ひろかさんとなら一緒にやれそうだと。

花純 やってみないとわからない部分も正直あったんですけどね。それで、ひろかが「東京で遊びましょ」と言ってくれたときに、じゃあ3人で水族館行こうかって話になって。2021年12月16日、品川のアクアパークですね。3人で水族館を一緒に回ったあとグループに誘うつもりだったんですけど、私堪えきれなくて、早く言いたくて。水族館に入ってすぐ、ももがトイレに行ってる間に誘っちゃったんですよ。そしたらひろかは私が言い終えた瞬間「入ります!」って言ってくださって。

ひろか ふふ、くださって(笑)。

花純 そんなすぐに返事が来るって思ってなかったんですけどね。そのあと戻ってきたももに「決まったわ」って報告する感じでした。

ばっぷる

ばっぷる

ばっぷる

ばっぷる

──ひろかさんは2人をどう思っていたんですか?

ひろか 一緒に活動するなんて考えてもなかったんですけど、もちろんお二人のことは知ってて。お二人はもう……すごいんです! やっぱり長年歌を歌われてきた方と、3歳から踊っている方なんでパフォーマンスのレベルが高くて。「面白い! 見たい!」って思うようなエンタテインメントなステージです。もうテレビを観てるような感じですよね。

花純 (小声で)ありがとう。

ひろか それに私、すごい寂しがり屋なので……(笑)。

花純 あの頃からそうだったんだね。

ひろか そうです(笑)。誘ってくれること自体がもううれしくて。即でした。本当に。

花純 ダメって言われたらそのあと変な雰囲気になっちゃうところだったんですけど、ハッピーな1日だったよね。

ひろか 私、目が悪いのにメガネもコンタクトレンズも忘れてきちゃったんですよね(笑)。

花純 目が見えない状態で来たんだよね。水族館なのにショーとかもまったく見えてないんです。

ひろか だから花純さんが「今イルカ飛んだよ!」とか「なんか降ってきたよ!」とか全部教えてくれて、すごく楽しかったです(笑)。

──アクアパーク内にはステラボールがありますし、伏線回収としていつかワンマンライブができたらいいですね。水族館ツアー込みで。

ひろか わっ! やりたーい! みんなでイルカショー見ましょう!

花純 泣いちゃうやつだ!

もも すごーい!

花純 ヤバい、目標ができてしまった。2ndワンマンの会場変えるか?

もも 今から?(笑)

「すくすく」って感じがいいんだと思う

──そうして最後に加わった最年少のひろかさんが、ばっぷるのリーダーなんですよね。

ひろか はははっ。

花純 ギャグですよね。

ひろか 「こいつかい!」みたいな(笑)。

ばっぷる

ばっぷる

花純 本当のボスで言うと私なんですけど、私が全面的に出ていくと、いかにもで超つまんないじゃないですか。だから私とももの2人でやってるときもリーダーはももだったんですよ。2人だったらリーダーとか別にいらないのに。ギャップの面白さを狙ってます。

ひろか ホントのこと言っちゃった(笑)。「ばっぷるは新人がリーダーをやる風習だからひろかなんだよ」と突然言われて「はい! がんばります!」って引き受けたんですよね。でも、お二人は私の後ろに下がったんじゃなくて、むしろ昇格されたんですって。なんやったっけ? 課長みたいな?

──実質的なリーダー業はしてるんですか?

ひろか なんもしてないですね。

花純 ははは。

もも でもステージに出る前、円陣を組むときの掛け声をひろかが言ってくれたり、自己紹介のときに「はじけるバブル」って言ってくれたり。

花純 そうだそうだ。でも、みんなリーダーですね。何かしらの担当がしっかりある。

ひろか 確かに! ダンスはももさんが引っ張ってくれるし。

もも ほぼ全部やってくれてるのが、かすみん。

花純 ばっぷるの発起人みたいなところもあるんで(笑)。まあみんなすくすく……。「すくすく育つ」がテーマだな。

ひろか 自由に?

花純 自由にいきたいね、ばっぷるは。「すくすく」って感じがいいんだと思う。

ひろか でも、ばっぷるじゃなかったらたぶんダメだったと思うんですよね。ばっぷるはみんなやる気あるし、真面目にステージに向き合っていて、がんばろうって意志があるから、自由な感じで成立してる。だから、ばっぷるでよかったなって思います。

花純 いや、ウチも。こんなに方向性が合致してるのは恵まれてるなと思います。

もも ふふふ。

SAWAさんの曲は独特な世界観があって耳に残るんです

──ばっぷるはサウンドプロデューサーであるシンガーソングライターのSAWAさんが提供したオリジナル曲に加えて、「Mysterious Zone」や「I'm a President」などSAWAさんの楽曲をカバーして披露していますが、SAWAさんがサウンドプロデューサーになったのはどういう経緯なんでしょう?

花純 SAWAさんとは私がソロ活動をしているときに出会って、今ばっぷるで歌っている「やったんDay」をソロ曲として書いてもらったんですけど、ちょうどそのタイミングで、もも、ひめと一緒にグループを作ろうという話になって。「やったんDay」をグループで歌ったらすごく面白いものになりそうだと思ったので、SAWAさんにプロデュースをお願いしました。SAWAさんの曲は、とってもかわいくて、耳に残るフレーズが多くて、気付くと口ずさんでるんですよね。ばっぷるの世界観は間違いなくSAWAさんの作る歌詞とメロディで作られているし、新曲をいただくたびに胸が高鳴ります。

鈴木花純

鈴木花純

鈴木花純

鈴木花純

──ワンマンライブの会場ではSAWAさんとコラボした音源を収録したミュージックカードも販売されるんですよね(参考:ばっぷる無料ワンマン会場でSAWAとコラボした音源販売)。SAWAさんの楽曲について、ひろかさんや牛山さんはどんな印象を持っていますか?

ひろか ポップというか、なんだか形容しがたい魅力が詰まっていて、聴くと「あ! SAWAさんの曲だ!!!」と思います! 誰にも真似できない個性があって、とても素敵です。

もも 歌詞が独特でとても好きです。「ばっこり」とか「おいでませ」とかクセになる言葉が多い気がしますし、そこから振付を考えるのも楽しいです。

ひろか 独特ですよね! すごく好きです。SAWAさんにしか作れない世界が詰め込まれているなーと毎回音源をいただくたびに感じます。

花純 デモ音源はSAWAさんの声で収録されてるので、SAWAさんのいちファンとしてうれしいです(笑)。

──SAWAさんは3人のことをどう見てるんですかね。

ひろか どうなんだろー。

花純 SAWAさんはライブで一緒になれば必ず後ろで観てくださるし、基本的にすごく褒めてくださいますね。「よかったよー!」って。SAWAさんって頭の中でいろいろ構想はあるんでしょうけど、言ってはくれないんですよね。不思議な魅力の方です。