超特急|愛しき8号車へ贈る 超特急史に刻む“衝撃作”

テーマ曲は好きな曲ばかり

──「Dear My グッバイ」は、8月8日(土)にWOWOWで放送される、無観客ライブ生中継を含む8時間特番のテーマソングでもあります。この「ライブのテーマソング」という切り口で、一度聞いてみたかったことがあって。超特急はツアーや大きなライブがあるごとにテーマ曲を制作されていますけど、どれもいい曲だよなと思うんです。

ユーキ 確かにテーマ曲、いい曲いっぱいありますよね。カップリング曲が多いけど、リード曲になっていてもおかしくないもんなあ。「fanfare」とか「gr8est journey」とか、正規のミュージックビデオ作りたいですもん(「gr8est journey」は番組の企画でMVを作成した)。

カイ リード曲にならないからこそ美しいっていう側面もあるのかも。

──シングルのリード曲はタイアップなども多いですから、例えばドラマのイメージを反映していたりということもあると思うんですけど、ライブのテーマ曲はそのときどきのグループのムードをダイレクトに映し出しているようなものが多くて、そういった意味でもファンに愛されている曲がそろっていますよね。皆さんが特に思い入れのある、好きな曲を挙げるとしたら、どの楽曲になりますか?

タクヤ 僕は「Billion Beats」ですね。「BULLET TRAIN ONEMAN SHOW SPRING HALL TOUR2015 “20億分のLINK 僕らのRING”」(2015年)のときの曲ですけど、このライブのストーリー性のある内容が好きだったなって。

カイ セリフもしっかり用意されていたもんね。

タクヤ 最近、がっつりストーリーがあるライブをやっていないので、またやりたいなという思いもありますね。

ユーキ お、また聴ける? 「Cosmic岬」(「20億分のLINK 僕らのRING」でタクヤが歌ったソロ曲)!

タクヤ (笑)。「Billion Beats」はだいぶ前のツアーの曲だけど、今も大事な場面で披露することが多いですよね。おっしゃる通り、ツアーのテーマ曲は自分も好きな曲ばかりです。ツアーのイメージが強すぎてなかなか披露できてない曲もあるけど。

ユーキ それで言うと、僕は「The End For Beginning」(「BULLET TRAIN ARENA TOUR 2017-2018 the end for beginning」テーマソング)ですね。自分が振り付けをやらせていただいた。

リョウガ 信念が強い曲だよね、この曲は。

ユーキ ツアー自体、自分自身にとってもグループにとってもすごく印象深いものになりましたし、なんか泣きそうになるんですよ(ユーキは「the end for beginning」ツアー中に足を負傷。最終公演でステージに完全復帰した)。

タカシ

タカシ 「The End For Beginning」は気合いを入れて歌いすぎて、記憶飛んでる(笑)。

タクヤ イントロの音から印象的で、すごく好き。ずっとやりたいんだよね。

──タカシさんはいかがですか?

タカシ 僕は「Fantasy Love Train~君の元までつながるRail~」ですね。初めて単独で国立代々木競技場第一体育館に立てた「超特急 CHRISTMAS ONEMAN LIVE 2015 Fantasy Love Train~君の元までつながるRail~」の記憶は未だに色濃く残っていて、これはそのときのテーマ曲なので。あのライブもすごくいいライブだったなと思うんです。それと、「Fantasy Love Train」はイントロが流れた瞬間、鳥肌が立つ感覚が今でもあって。そうやって自分たちの曲に自分自身が新鮮に驚ける、「いい曲だな」と思える感覚がありがたいなと思ったりもします。

カイ 僕は「Hey Hey Hey」! この曲はシングルの表題曲にもなっていますけど、去年の「BULLET TRAIN SPRING / SUMMER TOUR 2019 EUPHORIA ~Breakthrough, The Six Brave Stars~」が楽しかったなって。すごく長い全国ツアーでしたし、何パターンもセットリストを作ったからツアー中のリハも多くて想像より大変だったけど、全部引っくるめて楽しかった。いろんな地方に行けたのも楽しかったです。毎週旅行に行っているような感覚でしたね。

リョウガ 僕はすごく迷うんですけど……「Sweet Bell」(「BULLET TRAIN ARENA TOUR 2019-2020『Revolución viva~Pastel Shades Christmas~』」テーマソング)ですね。「gr8est journey」も好きなんですけど、今の気分的に「Sweet Bell」。まだ2回しかやっていないし、曲調的にクリスマスシーズンにしか披露できないという意味でもレア度が高いですし、あと単純にメロディが好きなんです。グッと来るんですよ。それと振り付けも。個人的に、なぜかこの曲は振りに対しての緊張感がすごくて(笑)。そういった意味でも、思いが強いですね。

超特急

僕は「超特急に似ているな」と思っている

──こうしてライブのテーマ曲の系譜をたどると、今回の「Dear My グッバイ」は異彩を放つ感じがありますね。

タクヤ ホントに(笑)。

リョウガ どういう思い出が乗るんだろうね、この曲に。

──8号車さんに対して、この曲をどんなふうに受け止めてほしい、といったような思いはありますか?

カイ

カイ そうですね……曲はハチャメチャなのに歌詞ではいいことを言っているというチグハグな感じが、僕は「超特急に似ているな」と思っていて。僕ら面白いダンスや変顔をしたりするけど、実はメンバーそれぞれにちゃんと芯が通っていたり、信念があるじゃないですか。だから、一見ヤバい曲に感じるけど、いざ披露するとなったら意外とやりやすいかもしれないと思うんです。なので、8号車にはパフォーマンスを楽しみにしていてほしいですね。

ユーキ いやー、実は見た目的にも意表を突きたかったんですよ。ぶっ飛んだ映像を作って8号車を笑顔にさせたいなとか、自分の中ではいろいろ妄想が膨らんでたんです(笑)。なのでまだまだ今後に期待していてほしいですね。コールなんかも含め、これから作り上げていくのが楽しみな曲です。

この先に楽しみを持てるような別れ方に

──歌詞にちなんだ質問になるのですが、皆さん個人としては「Dear My グッバイ」の歌詞のように別れを前向きに捉えることができるタイプですか?

タクヤ 僕は無理かも。引きずるタイプですね。こういう仕事をしていると周りの環境はけっこう変わるんですけど、いい意味で慣れて居心地のよかった状況が変わると一度は「ウッ」となります。また始めから関係性を作り上げなきゃいけないことを考えて。それは普段の生活でも共通して言えるかも。

カイ 僕は激烈な切り替えをしますね、「しゃあない! なんとかなる!」って(笑)。寂しいは寂しいけれど、「そういうことだったんだろう」って状況を受け入れる感じ。実際なんとかなるしね。

──リョウガさんは?

リョウガ

リョウガ 僕は泣いちゃいますね……。

ユーキ 嘘つけ!(笑)

タカシ 血も涙もないのに……。

リョウガ おい!(笑) まあ泣くっていうのは冗談ですけど、カイと同じ感じかな。理由があってそういう状況になっているわけで、そういうことは嘆いても仕方ないから。

──ユーキさんはどうですか?

ユーキ 引きずるなあー!(笑) 引きずるっていうか悲しい。めちゃめちゃ悲しくなる。僕は思いが強いタイプで、相手との関係の中で将来のビジョンとかも見ちゃうんです。先のこともいろいろと考えるから、それを無下にできないというか……大切にしているし、自分自身の今後にも関わってきちゃうから引きずります。明るい別れ、例えば卒業式とかだったらいいんですけど。そうじゃないものはグッと心に迫るものがありますね。

──そこからまた前を向くために意識していることなどはあったりしますか?

ユーキ そうですね……人とたくさん話すことと、目標を持つことですかね。「お互いに大きくなりたい」とか、「何年後に再会したい」とか。この先に楽しみを持てるような別れ方にできたら一番いいんだろうなって。一生の別れもありますから、時と場合によるとも思うけど……この経験をバネにやってやるぞ!と思えるような矛先というか、目標を見つけられたらいいんだろうなと思います。

タカシ 僕はみんなの考えのどちらも持っているかも。丸1日引きずって、その次の日から切り替えます。

ユーキ 整理タイムがあるんだ。

タカシ そう。整理タイムでこれでもかというくらいめちゃくちゃ引きずるんですよ。だけど次の日からは……何事もなかったかのようにはできないけど、それでも時間は進んでいくし、自分に言い聞かせるのかな、ある意味。「こうなる人生だったんだな」って。で、目の前にある仕事や生活に一生懸命取り組むことを少しずつ積み重ねていくと、気が紛れたりするんですよね。ただひたすらに目の前のものに夢中になることが、解決につながる場合があるなと思います。