音楽ナタリー Power Push - BRAHMAN
怒涛の20周年を駆け抜け「何もない」今を語る
今はフラットな視線で、いろんなものを見つめる時期
──これからのBRAHMAN、ますます楽しみになってきました。
今は子供みたいなフラットな視線で、いろんなものを見つめる時期なんだと思う。それでいいんじゃないかなって。常識みたいなものも取っ払ってさ、素直になんで?って人に聞いてみるみたいな。
──ほんと、子供って「なに?」「なんで?」ばかりですよね。
あれ、すごく大事だと思う。ちゃんとした答えがあるものってすごく少ないけれど、でも「なんで?」っていう視点って大事で。大人になると、どうしてそういう疑問を持たなくなっちゃうのかなって思う、自分も含めて。わかりきった大人になろうとしているな、俺は自由じゃないなって。40年ちょい生きて、こんなことも答えられないなんて恥ずかしい、なんて思うこともあるけど、果たしてそうなのかな?と。いろいろ説明した上で、でもわかんないんだよね、って言ったほうがしっくりくるっていうか。じゃないと、ラクして大きな答えをもらおうとしてしまう。それは人にとっては宗教だったり、何かの活動だったりする。俺は、そうじゃないと思っていて。
──自分の中から出てきた答えではないですからね。だったら、子供みたいに疑問を持ち続けたり、単純なジャッジをするほうがいいですよね。
「嫌いだから」って、理由にならないって言われるけれど、俺にとってはすごく重要な理由だと思う。ただ、努力して好きなものは増やしたいよ。努力すればできると思うの。好き、いい、だからそればっかりやるっていうほうに自分を向けていかないと。それは嘘をついていないじゃん。
──そうですね。
嫌いにばかりとらわれていたら、ネガティブになっていくわけで。嫌いだから逃げてきたわけじゃなくて好きだからこっちにいるんだよね、っていう思考の技術はなければいけないと思っているんだけど。その手前の素直な感覚を、大人になった利口さで削りたくないっていう。40歳越えて、なんでこんなことを言っているかわかんないんだけど。
──お子さんと接しているからじゃないんですか?
それもあるだろうし、ある意味ここから先の未来を見ているからだと思う。理詰めの強さでは生き抜けないことをわかっているから。言葉にできちゃうことなんて結局簡単なことなんだし。言語化しなきゃいけないこともあるけれど、難しい言葉を使ってわかっているふうに言うことは違うと思う。歌詞もそうじゃない? だから今回もわかりやすい言葉が並んでいるし。もっと直感的なものだから。
──その方向性を1つのアルバムに固めたBRAHMANが見たいですね。
そう、その時々のアルバムも好き嫌いはあるだろうけれど、想像は超えてきたと思う、ずっと。超えることがなくなってしまったら終わりだと思う。同じものをなぞりだしたりね。そうしないために、今、頭の中がごちゃごちゃしているんだと思う。ちょっと前の「超克」の時代なら、走って、サンドバッグ打って、強ければなんとかなるって思っていたの。でも今はそうじゃない。自分が強さや勝負にこだわると負けるのはわかってる、感覚的に。言葉になると矛盾したことばっかり言っているけれど。
──でも、その矛盾もリアルですから。
バーッてしゃべって、前は「言ったったな!」って満足していたんだけど、今はぼやーっとしているからわかんなくて。言ったことが、正しいとか正しくないとか考えていないからさ。でもこの時期も次に必要なんだろうね、自分にとって。実際10年前に話していたことと真逆なことをやっているからね。賢くしゃべんなきゃって無理していたのが、今は何もないんだよねって言ってるっていう。
──これから何が起こるかわからないからこそ、未来のBRAHMANが楽しみになるんだと思いますよ。それが伝わるようなインタビューに仕上げます(笑)。
そうだよ、未来がかかってるよ。これがつまんないと思われたら、つまんない未来になっていくよ。託すわ、未来を(笑)。
- ライブBlu-ray / DVD「尽未来際」2016年3月23日発売 / TOY'S FACTORY
- 「尽未来際」
- [Blu-ray Disc 2枚組] 6900円 / TFXQ-78138
- [DVD2枚組] 4900円 / TFBQ-18182
Blu-ray DISC 1収録内容
尽未来祭 Day1 :
2015/11/14 at 幕張メッセ国際展示場
- TONGFARR
- FOR ONE'S LIFE
- SEE OFF
- GOIN' DOWN
- GREAT HELP
- BASIS
- SHADOW PLAY
- PLASTIC SMILE
- BOX
- BEYOND THE MOUNTAIN
- DEEP
- NO LIGHT THEORY
- Z
- 時の鐘
- ARRIVAL TIME
- THAT'S ALL
- THERE'S NO SHORTER WAY IN THIS LIFE
- ANSWER FOR…
- NEW SENTIMENT
- ARTMAN
- THE SAME
- 尽未来祭 写真集(Day1 : 2015/11/14)
- 20th Anniversary Album「尽未来際」(DISC 1)High-Resolution Audio / Booklet
- 尽未来際 ~開闢~ / ~畏友~ / ~尽未来祭~ Documents
Blu-ray DISC 2収録内容
尽未来祭 Day2 :
2015/11/15 at 幕張メッセ国際展示場
- 初期衝動
- THE ONLY WAY
- 賽の河原
- THE VOID
- 露命
- EPIGRAM
- SPECULATION
- 其限
- 鼎の問
- A WHITE DEEP MORNING
- DOUBLE-BLIND DOCUMENTS
- CIRCLE BACK
- (a piece of)BLUE MOON
- 遠国
- FAR FROM...
- CAUSATION
- LOSE ALL
- 警醒
- PLACEBO
- 霹靂
- 虚空ヲ掴ム
- TONGFARR
- 尽未来祭 写真集(Day2 : 2015/11/15)
- 20th Anniversary Album「尽未来際」(DISC 2)High-Resolution Audio / Booklet
- Music Video「天馬空を行く」
- Band Score「天馬空を行く」
DVD DISC 1収録内容
- 尽未来祭 : 2015/11/14,15 at
幕張メッセ国際展示場
(曲目はBlu-ray DISC 1、DISC 2と共通)
DVD DISC 2収録内容
- 尽未来際 ~開闢~ / ~畏友~ / ~尽未来祭~ Documents
- Music Video「天馬空を行く」
BRAHMAN(ブラフマン)
1995年に東京で結成された4人組ロック / パンクバンド。ハードコアと民族音楽をベースにしたサウンドを特徴とする。1996年に初めての作品として「grope our way」をリリース。1998年に発表した1stアルバム「A MAN OF THE WORLD」はトータル60万枚以上のセールスを誇り、90年代後半に1つの社会現象になったパンクムーブメントにて絶大なる人気を集める。2011年3月11日の東日本大震災以降よりライブ中にMCを行うようになり、震災の復興支援を目的とした活動を積極的に展開。2011年9月にシングル「霹靂」、2012年9月にシングル「露命」を発表し、いずれも強いメッセージと圧巻のサウンドがリスナーに受け入れられた。2013年2月に5年ぶりとなるアルバム「超克」をリリース。結成20周年の2015年にはベストアルバム「尽未来際」のリリース、千葉・幕張メッセで開催したライブイベント「尽未来祭」を含むライブシリーズ「尽未来際」の開催、初のドキュメンタリー映画「ブラフマン」公開などの活動を展開。2016年3月にライブBlu-ray / DVD「尽未来際」をリリースする。