柊生から見たWACKの印象
──皆さんはWACKが好きでBOYSGROUPのオーディションに応募したんですか?
リン 僕はBiSHさんに憧れていて。尊敬しています。
ハル 僕はPEDRO(BiSHのアユニ・Dによるソロバンドプロジェクト)でWACKを知って好きになりました。
シュンジ 僕はBiSHさんにハマっていて、渡辺さんのTwitterをフォローしていたんで、偶然メンズオーディションの開催を知りました。基本的に渡辺さん、BiSHさん、あとmikinaさん(ExWHYZ)のことしか見てなかったです。ひっそりmikinaさんを推していました。
リョウセイ 自分は「紅白歌合戦」でBiSHさんを観て、WACKを知りましたね。
リョウタ 僕は「Mステ」(「ミュージックステーション」)でBiSHさんを知ってからって感じ。WACKという事務所は過激なんだなというのはなんとなくわかっていました。
──メンズグループも好きなんですか?
シュンジ 僕はめっちゃジャニーズが好きで……。
リョウセイ そうだよね。僕は超特急さんが好きで……柊生さんがいる前で気まずい(笑)。
──ちなみに柊生さんが事務所に所属するに至った理由は?
橘 友達に「芸能界、一緒に入らない?」と誘われたんです。当時は北海道にいて、友達と野球をやっていたら、「ダンスやんない?」と言われて。その頃、阿部サダヲさんがドラマ「誰よりもママを愛す」(2006年)でオネエ役を演じていたんですけど、違うドラマだと真面目なお医者さん役をやっていて、「この人ヤバいな! カッコいいな!」と小学生ながらに思っていたんですよ。だから友達から誘われたときに「阿部サダヲさんみたいになりたいからやってみようかな」って一緒にオーディション用紙を送ったら、友達は落ちて、僕だけ受かった。
シュンジ すごいですね。スターダストさんはなかなか受からないですよ! WACKが簡単とかそういう話じゃなくて。僕は数年前にスタダさんでやられていた全員面接オーディションに行ったことがあるけどダメでした(笑)。でも、そんな自分が今、柊生さんから楽曲提供を受けて、一緒に歌詞を考えて、仕事をさせていただいている。この状況ってすごくラッキーだなと思います。
──WACKとスターダストでは求めるものが違うのかもしれませんね。柊生さんから見たWACKの印象は?
橘 すごく自由だけど、渡辺さんですべてが決まる感じがすごい。俺だったらどういう立ち回りするだろうな。だって、急に「お前、あっちのグループ行け」みたいなテンション感を持っている人じゃないですか。なかなかできないことですよ。WACKは、がんばっていたらやりたいと思っていることをちゃんと汲み取ってくれる感じもする。愛があるというか。
──今、BOYSGROUPに求められているものって、柊生さんから見るとなんだと思いますか?
橘 発信力……“SNS力”ですかね。今の時代、SNSの影響力がすごく強いので。表に立つ人からしたら、TikTokを筆頭にSNSは無料でグループのことを広められる広告ツールですし、使わない手はないですよね。BOYSGROUPは6人いて、こんなイケメンぞろいなんだから。
シュンジ 今はメンバー個別のアカウントはないので、グループアカウントでいろいろ発信しています。
橘 YouTubeとかでちゃんと企画しながら音楽的なこともやっていったら、どんどんファンが増えていきそう。何か応援したくなるようなことを発信していけばいいかなと。
シュンジ 確かに、リリイベに来てくれる人数よりはるかにたくさんの人がTikTokアカウントとかを見てくれています。もっと工夫して、いろんなところに届くようにできたらなって思いました。
いっぱいケンカして、長く続けてほしい
──今の柊生さんのお話には、DISH//での活動経験も生きていますね。柊生さんはDISH//加入以前から楽器経験があったんですか?
橘 ないです。DISH//を組んでからDJを始めて、3、4年経ったときに企画でピアノを演奏することになって覚えたんです。マネージャーに「この先もピアノやってみたら?」と言われて、確かに「やってみたらモテるかもな」と思って今に至る。クラシック音楽も通ってなくて、楽器については今も勉強中ですね。
リョウタ それで弾けるようになるのがすごいです。僕はギターをちょっとやっているくらいで。
シュンジ あとアユルがベースかじっています。
橘 触ったことある、ないの差は最初こそけっこうでかいから、いろいろやるのはいいかもしれないですね。
シュンジ そうですよね。楽器演奏も作曲もやってみたいけど……みたいな感じですね。弾けるようになるまでは絶対に「楽器ができる」なんて言いたくないですけど、柊生さんに感化されて、ネット通販で売ってる安いギターを買ったんです。通販サイトの購入ボタンは柊生さんにポチッと押してもらいました(笑)。
橘 勢いで画面見せてきたから(笑)。
──せっかくの機会なので、BOYSGROUPの皆さんから柊生さんに質問があればぜひ。
シュンジ ピアノはどのぐらいのペースで練習してたんですか?
橘 練習し始めてから本番まで3、4カ月くらいあったのかな。ピアノ連弾を2015年1月の日本武道館公演で披露するという企画があったんですよね。鍵盤のどこに“ド”があるかもわからないところから始めて、ダンスの振付覚えるのと一緒で、手の形で覚えていきました。それから1年くらいで作ったのが「Loop.」(2016年12月発売のアルバム「召し上がれのガトリング」収録曲)で。「Loop.」の前に個人的に作った曲は全部、循環コードのループでコードが4つしかなかった。打ち込んでくれる人がいたから、コードだけ自分で用意して、ドラムは打ち込んでもらって、マイクを持ってメロディは口ずさんで入れていって。
──ピアノを弾き始めてから、「曲を作りたい」という気持ちになったきっかけは?
橘 「DISH//の曲にはこういう曲調がないなあ」と思ったところから、自分で作った感じです。
シュンジ すごいなあ。作曲とか興味ありますけど、なかなか。
──楽器上達の鍵は先に目的を持つことかもしれないですね。
橘 「モテたい」って不純な動機でいけると思いますよ(笑)。
──橘さんは、アレンジャーさんやそれこそ渡辺さんとも仲がいいですし、クリエイターやプロデューサーの方と接する機会がけっこうありそうだなと思いました。
橘 いろんな人と話すのはいいことですよね。家にみんなで集まってゲームやるみたいな感じで曲を作って、面白い曲ができたと思ったらアレンジできる人に投げる。そしたら「神曲!」と思えるような仕上がりで返してくれるから。
アユル 歌詞って降ってくるものですか?
橘 あー。僕は「降ってくる」っていう感覚があんまりわからなくて。頭をひねってひねって必死に書いている感じ。ずっとひねっているだけじゃなくて、歌詞のテーマ設定とかはもちろんします。例えばすごくだらしなくて、部屋が超汚い自分がいて、趣味がこれで、体臭はこんな感じとか。そのくらいまで妄想して、それに沿って歌詞を書く。で、作詞だけじゃないけど、行き詰まっているとき、うんこしているとアイデアが浮かぶことはけっこうあります。トイレって考えごとに向いているのかもしれないです。
アユル ありがとうございます! トイレ行きます!
リョウタ 1曲の作業時間はどのくらいなんですか?
橘 やりたくないときに無理してしょうもないものが生まれても仕方ないから、やりたいと思ったときにやり始めて10秒くらいのときもあれば、何日もかけてやっていることもある。自分がやりたいと思ったらやるっていうだけなんですけどね。
リョウタ 1曲が一気に仕上がることもあるんですか?
橘 ありますよ。1曲作るのに2時間のときもあれば、3日4日くらいかけることもある。ちなみに今回提供した2曲はわりと大変なほうでした。アレンジが何種類かあったんですけど、何回聴いてもなかなか方向性が定まらなくて迷いに迷いました。
リン 作詞するうえで、どうしても言葉が思いつかないときはどうしたらいいですか?
橘 ひねり出せるなら出せばいいけど、どうしても無理だと思ったら、1回時間を置く。でも、例えば今日、ここで取材が終わったあとにふと思ったこととかがあったらメモしておくとか、友達に思い浮かんだことを相談したり投げかけたりとか、何かしらアクションはしておくといいかもしれない。もっと具体的に悩みがわかっているなら、「このフレーズにこういう言葉を入れたいんだけど、どう思う?」と誰かに聞いて、いろんな意見を参考にしながら、最終的には自分で決める。それと、歌詞のフレーズでいろいろ候補があるとしたら、「どの歌詞に愛があるか」で選んでいるかも。
リン 愛か。ありがとうございます。
シュンジ 「紅白」に出るってどういう感じですか?
橘 カメラがたくさんあって、あんまり「紅白」に出ている感はなかったんだけど、「マツケンサンバ」を踊っているときに実感が湧きました。
シュンジ 「紅白」特有の緊張ってあるものですか? BiSHさんはめっちゃ緊張していたっていう話を渡辺さんから聞いていたんで。
橘 緊張はしていましたね。自分としては「大丈夫っしょ」というノリで現地に行っているのに、なんか足がすくむというか。物心つく前からおじいちゃん、おばあちゃんが観ていた国民的な番組となると、やっぱり緊張するもんですね。いい親孝行ができました。
シュンジ 貴重なお話、ありがたいです!
橘 いつかBOYSGROUPのみんなも楽器を弾けるようになったらうれしいな。歌って踊れて演奏できるって面白いだろうから。みんなでいっぱいケンカして、長く続けてくれたらうれしいです。
BOYSGROUP ライブ情報
BOYSGROUP 1st ONEMAN TOUR
- 2023年5月5日(金・祝)東京都 下北沢SHELTER
- 2023年5月7日(日)愛知県 DAYTRIVE
- 2023年5月14日(日)大阪府 ESAKA MUSE
通常チケット 立ち位置指定:4000円
プロフィール
BOYSGROUP(ボーイズグループ)
音楽事務所WACKによる初のメンズグループ。2022年2月に3泊4日で行われた「WACKメンズ合同オーディション2022」でグループの結成が決まり、同年8月の追加オーディションを経て、最終メンバーが決まった。メンバーはシュンジ、リョウセイ、リン、リョウタ、ハル、アユルの6名。2023年1月に大森靖子、Yohji Igarashi、Harada Shigeyuki(ex. Shiggy Jr.)ら豪華クリエイターが楽曲提供した1stアルバム「We are BOYSGROUP」をリリースした。5月10日に橘柊生(DISH//)プロデュースによる1stシングル「スーパーヒーロー」を発表。
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橘柊生(タチバナトウイ)
2011年に結成された4人組ダンスロックバンド・DISH//のDJ兼キーボード。結成10周年イヤーの2021年に「NHK紅白歌合戦」に初出場を果たす。ソロとしてはDJ To-i名義の音源「TOY BOX -To-i's MIX TAPE-」「TOY BOX II-All Night Mix-」を発表したほか、イベント出演も積極的に行う。