BOYSGROUP×1stシングルのプロデューサー橘柊生(DISH//)インタビュー

WACK初のメンズグループ・BOYSGROUPが5月10日に1stシングル「スーパーヒーロー」をリリースする。このシングルはプロデューサーにDISH//の橘柊生を迎えて制作された作品で、表題曲「スーパーヒーロー」とカップリング曲「間違いLADY.」の2曲が収録される。

音楽ナタリーでは新作のリリースを記念して、BOYSGROUPメンバーとシングルにおけるプロデューサーである橘にインタビュー。楽曲にまつわるエピソードについて話を聞いたほか、メンバーから業界の先輩でもある橘にいろいろと質問を投げかけてもらった。

取材・文 / 田中和宏撮影 / 星野耕作

初期SMAPを意識

──WACK初のメンズグループ・BOYSGROUPの1stシングルを橘柊生さんがプロデュースされたということで、今日は皆さんに集まっていただきました。BOYSGROUPに関しては、2022年夏のオーディションを取材したときの印象が強いです。下ネタがけっこう多くて、女性アイドルのオーディションとは違った空気感でした(参照:真夏の「WACKメンズオーデ」開幕!候補生への最初のミッション「渡辺淳之介を笑わせろ」)。

シュンジ 下ネタ!(笑) 柊生さんはいつ僕らのことを知ってくださったんですか?

橘柊生 今回のお話をいただいてからですね。お話をいただいた、とは言っても渡辺淳之介(WACK代表)さんと飲みに行ったときにBOYSGROUPの存在を知り、「曲やらせてください!」ってお願いしたんです(笑)。僕は以前DISH//の企画で渡辺さん、松隈ケンタさんにプロデュースしていただいたことがあって。その場には僕の先輩であり、皆さんもご存知のYohji Igarashiさんもいたんですよ。翌日、「昨日はありがとうございました」と渡辺さんに電話したら、ちゃんと楽曲提供のことを覚えていてくれたので、うちとWACKのマネージャーさんをつないでもらったって感じです。

BOYSGROUPと橘柊生(DISH//)。

BOYSGROUPと橘柊生(DISH//)。

──楽曲のテイストについてオーダーはあったんですか?

 「生ドラムじゃなくて、打ち込みで」という話はあって、あとは好きにやって大丈夫でした。僕はオートレーサーの森且行さんがいた頃のSMAPの曲がすごく好きで、海外のプロミュージシャンたちが作った曲もあってトラックがカッコいいんですよ。特に「雨がやまない」という曲のトラックがとにかくカッコいい。その雰囲気がありつつ、サビのメロディがキャッチーな曲を作りたいということを自分から伝えました。カップリングの「間違いLADY.」がそれですね。

シュンジ 「スーパーヒーロー」ももちろん好きですが、個人的には「間違いLADY.」がめっちゃ好きです。

 そう言ってもらえるとうれしいな。

シュンジ 僕はこの2曲の作詞を担当しまして、どちらもこれまでのBOYSGROUPにないテイストだったので歌詞を書くのに苦労しました。「間違いLADY.」は転調の感じも素敵だし、仮歌のハイトーンもすごくよくて。歌詞は女性目線の恋愛系で書けたら面白いかなと思ったんです。

──キーは最初に作ったままですか?

 変えてないですね。メンバーの人数が多かったから、「たぶん声が低い人、高い人がいるだろうな」って。あとラップのほうが声質に合う人もいるだろうし……とある程度想像して、レンジ広めでトラックを作りました。レコーディングでは全員に歌ってもらって、この歌詞にはこの声が合う、このパートにはこの声だ、とパズルみたいに当てはめて歌割りを決めました。

橘柊生

橘柊生

──DISH//とそれ以外で曲作りの仕方は変わるものですか?

 DISH//だとやっぱりバンドサウンドですね。生のドラム、ギター、キーボードを入れる。でも曲作りの仕方はどちらも打ち込みですね。

──BOYSGROUPの皆さんから、新曲2曲の印象について聞かせてください。

リョウタ 僕らは「We are BOYSGROUP」という12曲入りのアルバムで1月にデビューして、アルバムではいろんなアーティスト、作家の方に楽曲提供をしていただきました。柊生さんの楽曲はこの12曲にはない曲調で、「スーパーヒーロー」はカッコいい系の王道ダンスチューンだなと。僕らとしてはとても強い武器を手に入れた感じ。「間違いLADY.」はデモの段階でおしゃれな曲だなと思っていたんですが、レコーディングやミックスを重ねていくうちにいろんな情景が浮かぶ曲になりました。意外と夏にぴったりなんじゃないかな?みたいな。自分の中でいろんなイメージが湧く曲になりました。

ハル 僕たちが挑戦する曲としては初めてのジャンルで、めっちゃカッコいいけど、難しそうだなというのが第一印象で。自分たちのものにするまでが新しいチャレンジではありましたけど、完パケした音源を聴いて「やっぱりめっちゃカッコいいな!」と。

ハル

ハル

シュンジ BiSHさんも立ったコニファーフォレストでいつか歌って、「コニファー!」って叫びたいですね。「間違いLADY.」は特に“柊生さん色”だなって印象です。「スーパーヒーロー」は振付師のJESSICAさんに振付をお願いしたんですが、これまでで一番難しいです。ヒップホップ系の曲はアルバムにもあるんですが、それともまた違う新しい感じが面白いなと思っています。

シュンジ

シュンジ

 僕はクリス・ブラウンから入って、R&B寄りのヒップホップが好きなんです。さっきライブの話をしていましたけど、「間違いLADY.」みたいな曲調って、ライブでセットリストを組むうえでめちゃくちゃ使いやすいんですよ。ライブの中盤あたりで、バラードの前に入れることもできれば、バラード後の盛り上げたいコーナーにも挟める。ライブで使いやすいし、助かるだろうなと思って作ったんですよね。

メンバー同士で食卓を囲む大阪生活

──柊生さんによる楽曲提供ということで、スラッシャー(DISH//ファンの呼称)もBOYSGROUPの新曲を聴いてくれるといいですよね。

 あ、それで言うと、自分のファンの方からBOYSGROUPを推されましたよ。もちろん当時、僕がすでに楽曲提供していたことを知らなかったわけですけど。

シュンジ 僕らもファンの方から「柊生くんに紹介したよ」って報告があったので同じ人かもしれませんね。

──ではこのコラボは反響を生みそうですね。BOYSGROUPは大阪を拠点にしていますが、活動は順調ですか?

リョウセイ まだまだ必死ですね。平日はレッスンと練習、最近だと土日は全国でリリースイベイントをやらせてもらっています。BOYSGROUPは大阪が拠点であるものの、出身地がみんなバラバラで、大阪出身者は1人もいないんです。

リョウタ 共同生活していて、みんなで一緒にごはんを食べているので、ほかのグループさんよりはメンバーと一緒にいる時間が多いかもしれないです。料理は主に僕が作っています。

リョウタ

リョウタ

 全員分? すごいな!

リョウタ みんなで食卓を囲んでます。一応、野菜を多めに入れたり、味噌汁も作ったりして栄養が偏らないように。

 すご!

リン 料理、めっちゃうまいです。

──リンさんは最年少で16歳、リョウタさんが24歳で一番年齢が離れています。お二人はどんな会話をするんでしょう?

リョウタ 年の離れた弟みたいな感じで、当たり障りのない話が多いですね。「ごはんできたよ」とか(笑)。

シュンジ 会話というか、グループの中でしゃべる量は僕がめちゃくちゃ多いです。でも、中心にいてくれる感じがするのはリョウセイですね。表立ってはあんましゃべらないけど。

リョウセイ そうね。しゃべれるけど、しゃべらない。

振付を考えるのは楽しい

──全員で練習してるときなどは、誰かが率先してメンバーをまとめるんですか?

リョウセイ 振りを考えるのが主に僕か振付師さんなんで、僕がいろいろ教えることが多いですね。で、メンバーがダンスを覚えてこないとたまにイラッとします(笑)。

リョウセイ

リョウセイ

アユル 覚えが遅くてすいません!

ハル 僕はリョウセイが振付を1人で考えているとき、近くでお邪魔することがあります。

リョウセイ 僕が1人で振りを作っていると、なぜかハルが近くに来て、床で横になって寝てます。

──本当にただ邪魔してるだけ(笑)。

ハル 言ってしまえばそうなんですけど、様子を見たいなと思って。

リョウセイ 振付を考えるのは楽しいです。教えられるより自分で作ったほうが楽という考えもある(笑)。

シュンジ リョウセイはフォーメーションも組んでくれているので、グループのことを俯瞰的に見ている存在ですね。

リョウセイ 今回はカップリングの「間違いLADY.」の振りを担当しました。リード曲は難しいダンスなので、カップリングはお客さんも真似しやすいサビの振りにしようかなとかいろいろ考えつつ、いろんなダンス映像を観て勉強しました。僕はメンバーに振りを教える立場でもあるんですけど、この中だとリンがダンスを覚えるのが早いですね。

リン BiSHさんが好きで、よく映像を見ながら真似して踊っていたんです。

リン

リン

──アユルさんに早くダンスを覚えるコツは教えられないものですか?

リン コツですか?

アユル お願いします!

リン たくさん観て、ひたすらやるしかないと思うんですけど、どうなんだろう。

アユル がんばります! でも映像を観ながらだと、一部だけ反転して覚えちゃったりして、頭がごちゃごちゃになる(笑)。

アユル

アユル

 そんなことある?(笑)

リン 全体の完成度を高めたいから、アドバイスできるようにがんばりたいですね。