BOYNEXTDOORインタビュー|HYBE傘下レーベルから今年5月デビューの6人組を“音楽”軸で深掘り

音楽ナタリーでBOYNEXTDOORへのインタビューが実現した。BOYNEXTDOORは、ZICOが代表プロデューサーを務めるHYBE傘下のレーベル・KOZ ENTERTAINMENT初のデビューグループ。2003年生まれのSUNGHO、RIWOO、JAEHYUN、2004年生まれのTAESAN、LEEHAN、2006年生まれのWOONHAKの6人で構成され、今年5月に1stシングル「WHO!」でデビューした。

メンバー自ら作詞作曲に参加するBOYNEXTDOORの楽曲では、ダンスミュージックを基調とした従来のK-POPとは異なり、ロックやポップス、フォークなどの生楽器をフィーチャーしたジャンルレスなサウンドが展開される。同時に、「隣の少年たち」を意味するグループ名を体現するような耳馴染みがよいサウンドや楽曲コンセプトも持ち味で、インタビュー中は「親しみやすさ」というキーワードが何度も飛び出した。本稿では、そんな“BOYNEXTDOORの音楽”にフォーカス。9月にリリースされた1st EP「WHY..」の話題を中心に、楽曲制作についてはもちろん、グループが目指すビジョンからZICOを筆頭とした頼もしいプロデューサー陣についてまで、“BOYNEXTDOORの音楽”を構成するさまざまな要素を深掘りした。

取材・文 / 宮崎敬太撮影 / 曽我美芽

「実はどこにもいない」グループになりたい

──BOYNEXTDOORの皆さんは自ら楽曲制作に参加されているとのことで、音楽ナタリー初登場となるこのインタビューでは音楽面にフォーカスしてじっくりとお話を伺いたいと思います。皆さんの楽曲に生音が多いのはなぜですか?

TAESAN それは僕たちがトラックを意識しながらメロディを考えるからだと思います。ボーカルもちゃんと聴こえて、なおかつ楽器演奏の躍動感も同時に感じられるので、ちゃんと“生きた音”に聴こえるんだと思います。

JAEHYUN 聴きやすさも意識してますね。BOYNEXTDOORというグループ名には名前の通り「隣の少年たち」という意味が込められています。親しみのある近所の少年、みたいな。音楽にもそういう要素を入れたいと思っているんです。今回のEP「WHY..」のテーマに恋を選んだのも同じ理由ですね。誰もが聴きやすい音と、誰もが経験したことがある感覚を表現したかったんです。

BOYNEXTDOOR

BOYNEXTDOOR

WOONHAK あと僕たちはステージでも生き生きとしたパフォーマンスを見せることができるグループなので、プロデューサーの方々もそういった部分を踏まえてアレンジしてくださっていると思います。

──BOYNEXTDOORの音楽は、いい意味でちょっと変わった、新鮮なポップスという印象を受けました。

SUNGHO それは僕たち自身のキャラクターが音楽に反映されてるからだと思います。親しみやすさを感じてもらいつつ、同時に少年らしい天真爛漫さも表現したくて。

──皆さんの個性が音楽にも盛り込まれてるんですね。

SUNGHO そうです!

TAESAN 僕らの音楽にはメンバーそれぞれの意見やそれぞれが持つクリエイティビティが反映されています。例えば歌詞には僕らが普段日常生活の中で使う言葉が入っていたり、ちょっとしたジェスチャーが振付に盛り込まれてたりして。親しみやすいテーマやサウンドに6人それぞれの個性が掛け合わさっていることが楽曲の新鮮さにつながってると思うし、僕らの強みでもあると思ってます。

JAEHYUN 僕らは“どこにでもいそうだけど、実はどこにもいない”唯一無二のグループになりたいです。一般的には“アイドル”って遠くにいる存在ではあるけど、僕らは親しみやすさを追求していきたいです。

──なるほど。K-POPアーティストはそもそも親しみやすさではなく、完璧さを追求してきた歴史がありますもんね。

SUNGHO 僕らは音楽とパフォーマンスを通じて普通の若者らしい姿を表現していきたいですね。

JAEHYUN それらをうまく表現することができたら、逆説的とも言える「身近なアイドル」っていう僕らの目標も実現できる気がしています。

SUNGHO

SUNGHO

RIWOO

RIWOO

JAEHYUN

JAEHYUN

音楽の知見を深め、歌いこなす必要がある

──BOYNEXTDOORの振付にはストーリーテリングの要素がありますが、作曲の段階からパフォーマンスを意識することはありますか?

TAESAN 曲によって変わりますが、パフォーマンスを念頭に置いて曲を作ることもあります。今回のEPに関してはパフォーマンスを意識して作った曲が特に多いかもしれません。メンバー1人ひとりがステージのどこにいて、どう動いて、どう見せるかをなんとなく頭で考えながら作った曲が多いですね。

──韓国のウェブマガジン・Weverse Magazineの記事で皆さんのオススメ楽曲を拝見しました。トム・ミッシュやCarpenters、d4vdなど、皆さんのバラエティに富んだ選曲が興味深かったです。こうしたアーティストはBOYNEXTDOORの音楽性に影響を与えていますか?

TAESAN もちろんです。グループとしても、僕個人としてもたくさんの影響を受けています。僕たちもこういった先輩アーティストの方々のように、聴く人にインスピレーションを与えられるような、世代を代表する存在になりたいです。

LEEHAN もちろんこのWeverse Magazineの取材時に挙げた楽曲はすごく好きな曲なんですけど、「この取材のときに特にお気に入りだった、よく聴いていた曲」というニュアンスのほうが近いですね。僕たちは常にいろんな音楽を聴いてるので、違う機会に同じ質問をされたら、また違った感じの楽曲を挙げると思います。

JAEHYUN 普段からさまざまなジャンルや年代のアーティストを聴くようにしています。僕らは特定のジャンルに縛られるのではなく、いろんなストーリーや感情を表現できるグループになりたい。そのためには、とにかくいろんな音楽への知見を深めて、さらにはそれらを歌いこなせる必要があります。ありとあらゆる音楽が僕らの土台になってると言えますね。

TAESAN

TAESAN

LEEHAN

LEEHAN

WOONHAK

WOONHAK

──JAEHYUNさんとRIWOOさんがユ・ジェハさんの楽曲を挙げているのが印象的でした。1980年代に活躍したシンガーソングライターは2003年生まれのお二人にとってどのような存在でしょうか?

RIWOO 僕は昔の音楽が好きなんです。その時代の感性や雰囲気が感じられるから。その中でも、ユ・ジェハさんは韓国の音楽シーンに新しいパラダイムをもたらした人だと思う。特に好きなアーティストですね。