「BLEACH」[ALEXANDROS]インタビュー|何度でも這い上がる黒崎一護の姿とバンドの成長を重ねて

久保帯人のマンガを実写化した映画「BLEACH」が、現在全国の劇場で上映されている。本作は、幽霊が見えること以外は普通の高校生・黒崎一護が、死神の力を譲り受け、悪霊・虚<ホロウ>と死闘を繰り広げるバトルアクション。ワイヤーアクションやCGを大胆に使った「BLEACH」は、主演の福士蒼汰のほか、杉咲花、吉沢亮、早乙女太一、MIYAVIといった個性豊かなキャストが出演していることでも話題を集めている。

ナタリーでは、本作の公開記念特集をジャンルをまたいで展開している。最終回となる第3弾には主題歌および挿入歌を手がけた[ALEXANDROS]が登場。主題歌「Mosquito Bite」、アクションシーンを彩る挿入歌「MILK」の制作について、そして映画好きとして知られる川上洋平(Vo, G)を筆頭に、メンバーそれぞれに映画「BLEACH」の魅力について語ってもらった。

取材・文 / 清本千尋 撮影 / 須田卓馬

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「BLEACHフェス」とは?

7月10日に東京都内で開催されたイベント。「BLEACH」の黒崎一護役・福士蒼汰や阿散井恋次役・早乙女太一が登壇し、主題歌を担当する[ALEXANDROS]がライブパフォーマンスを披露した。

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誰が主題歌をやるんだろうね?

──[ALEXANDROS]は2015年公開の「明烏」に「ワタリドリ」、2016年公開の「ターザン:REBORN」の日本版に「Nawe, Nawe」、2017年公開の「きょうのキラ君」に「今まで君が泣いた分取り戻そう」と毎年映画の主題歌を提供しています。今回「BLEACH」の主題歌のオファーが来たときはどんな気持ちでしたか?

川上洋平(Vo, G) うれしかったですね。すごく光栄だと思いました。

映画「BLEACH」より。

──「BLEACH」のことはご存知だったんでしょうか?

川上 はい。人気マンガなのでもちろん知っていました。オファーをいただいた頃、うちらはもっと激しい音楽をやりたいと思っていて、「BLEACH」ならきっとそういう曲がハマるだろうなと思って引き受けました。

──ほかの皆さんは「BLEACH」についてどんなイメージを持っていましたか?

川上 聡泰はマンガが好きだし、特に思い入れがあったんじゃない?

庄村聡泰(Dr)

庄村聡泰(Dr) そうですね。僕は“ジャンプっ子”なのでもちろん「BLEACH」を読んでいました。僕らに主題歌の話が来る前に実写化するというニュースを見て、「『BLEACH』が実写化か。誰が主題歌をやるんだろうね?」なんて話を学生時代の友達と飲みながらしていたくらい、気にしていた作品でしたね。

磯部寛之(B, Cho) 僕はもちろん名前やどんな話かは知っていたんですけど、マンガを読破したのは最近で。もともと興味があったし、主題歌を担当させていただくことになったので、読んでみたらあっという間に読み終わりました。

──「BLEACH」のコミックスは全74巻ありますが、そのうち今回の映画で描かれるのはほんの一部ですよね。

磯部 そうなんですよ。僕は映画を観てから原作を読んだので、映画になったのはごく一部なんだなと驚いて。映画は予備知識がなくてもすんなり話が頭に入ってきてわかりやすかったです。

──白井さんは原作マンガを読んでいたんですか?

白井眞輝(G) いや、僕もラッシュを観てからマンガを読みました。テレビでフランスのアニメイベントの特集をやっているのをたまたま観たことがあって、「BLEACH」のコスプレをした外国の方がたくさん映っていたんですよ。それで海外でもすごく人気がある作品なんだなと思っていました。

4人の演奏を映画の支えに使っていただいて感激でした

──ラッシュを観た川上さんは「あのシーンにぴったりなアイデアの曲があるんですけどどうですか?」とその場で「MILK」のデモを監督に聴かせて、それが即挿入歌に採用されたそうですね。ちなみに“あのシーン”ってどのシーンなんでしょうか?

川上 一護が死神として最初に登場するシーンです。結果的にほかのシーンでもたくさん使っていただいたんですが、あのシーンに抜群にハマるなと思ったんですよ。自分たちがやりたい音楽と実写版「BLEACH」の世界観がぴったりで、タイミングが本当によかったんですよね。

映画「BLEACH」より。

──「BLEACH」の主題歌を書き下ろすにあたって、何かリクエストはあったんですか?

川上 具体的なリクエストは特になかったです。自分たちの提案を「BLEACH」のチームが喜んで受けてくれてうれしかったですね。

──「MILK」を聴いた佐藤監督はこの曲に合わせて映画を編集していったそうで。

川上洋平(Vo, G)

川上 うちらは「映画に合うように合わせてもらってもいいですよ」って曲を渡したんです。でも監督がなるべくそのままの状態で使いたいと判断してくれたようで。こんなにありがたいことはなかなかないですよ。

──川上さんは年間100本以上映画を鑑賞するほどの映画好きなので、自分たちの音楽が映画を構成する大きな要素として使われているのはうれしかったのでは?

川上 主題歌は基本的にエンドロールで流れることが多くて、映画の中で使われても少しだったりインストバージョンなんですよね。でも今回は挿入歌として「MILK」を使ってもらったので、僕らの音楽がふんだんに盛り込まれた作品になって。僕は映画の劇伴を作るのが夢なんですけど、今回はそれにかなり近い形で携われてうれしかったです。リフを押し出しているバンドなので、4人の演奏を映画の支えに使っていただいて感激でした。

バディ感、テンポのよさ、単純明快……4人が語る映画「BLEACH」の魅力

──皆さん完成した「BLEACH」もご覧になったそうで、感想を教えていただけますか?

庄村 僕がよかったなと思ったのは黒崎一護と朽木ルキアのバディ感ですね。一護とルキアの身長差や口喧嘩のテンポがすごくよくて。派手なアクションや熱い男の姿が表に立つ映画ではあるんですが、僕の観点では一護とルキアのバディムービーっぽさも魅力だなと思ったんです。あのバディ感はきっとすごく意識して演技されたんだろうなと思って福士(蒼汰)さんご本人に聞いてみたら、会話の間の取り方とか口喧嘩の感じを福士さんと杉咲(花)さんとでかなり綿密に話し合ったんですって。日本の映画史にいいコンビが生まれたなと思いました。

──息の合ったコミカルなやり取りもバディムービーらしかったです。

庄村 そうそう。ルキアが押し入れで寝ているのもいいですよね。押し入れで寝るのは日本人なら誰もが憧れるものだと思うので。あのふすまの開け締めの攻防戦もよかったです。

──白井さんは「BLEACH」を観てどういう感想を持ちましたか?

白井眞輝(G)

白井 僕は映画が先だったので、「BLEACH」の細かい設定を知らずに観たんです。原作の先入観なしに1本の映画という観点で観たときに、テンポがすごくいいなと感じました。僕の中でテンポがいいというのが映画を観るうえですごく大事な要素なんですよ。もちろんアクションシーンもカッコよかったし、CGとの絡みも素晴らしくて、1つのエンタテインメントとして仕上がった映画だなと思いました。

──映画のテンポのよさって大事ですよね。かと言って怒涛の展開すぎて肝心の内容が頭に入ってこないのでは意味がない。そんな中で「BLEACH」は回想シーンも含め、1つひとつのシーンを消化してから次のシーンに移っていく印象がありました。

白井 そうなんですよ。映画ってどれだけ面白くても1回観たらそれでいいやっていうものもありますけど、「BLEACH」は何度も観たくなる映画だなと思いました。例えば元気になりたいときに聴きたい音楽ってあるじゃないですか。「BLEACH」もそんな感じで、この面白さを体感したいと思ったらまた観たくなる映画だなと。

──磯部さんはいかがでしたか?

磯部寛之(B, Cho)

磯部 面白かったですね。杉咲花さんの演技は前から好きなんですけど、各俳優さんの演技も光っていて、見どころ満載でした。そして単純明快なストーリーで、原作を知らなくても楽しめる映画ですよね。映画をよく観る人じゃなくてもしっかり楽しめると思います。

──映画をたくさん観ている川上さんは一番辛口評価な気がしますが、いかがでしたでしょうか?

川上 めちゃくちゃよかったですよ。僕は、アクション映画では主人公がどんな人間か伝わるかどうかが大事だと思っていて。「BLEACH」は迫力のあるアクションシーンが本当に素晴らしかったですし、一護のパーソナルな部分もしっかり描かれているんですよね。僕が一番好きなのは食卓のシーンです。あのシーンは本当にホッとします。一護が家族を大事にしていて、江口洋介さんが演じる父親の一心もすごく子供たちを大切に思っていて、「だから一護はああいう性格に育ったんだな」ってわかる。「BLEACH」はそういうバックグラウンドがしっかり描かれているから、アクションシーンがより際立ったものになったんだなと思います。

「BLEACH」
2018年7月20日(金)全国公開
「BLEACH」
ストーリー

高校生・黒崎一護はユウレイが見える霊感の持ち主。ある日、家族が人間の魂を喰らう悪霊・虚<ホロウ>に襲われてしまう。そこに現れたのは、死神を名乗る謎の女・朽木ルキア。彼女は一護に究極の選択を迫る。このまま家族とともに殺されるか、世の中のすべての人を虚<ホロウ>から護る<死神>になるか──。<死神>として生きていく道を選んだ一護の先には、想像を超えた闘いが待ち受けていた。

スタッフ / キャスト

監督・脚本:佐藤信介

原作:久保帯人「BLEACH」(集英社ジャンプコミックス刊)

脚本:羽原大介

音楽:やまだ豊

アクション監督:下村勇二

主題歌:[ALEXANDROS]「Mosquito Bite」(UNIVERSAL J / RX-RECORDS)

キャスト:福士蒼汰、杉咲花、吉沢亮 / 真野恵里菜、小柳友 / 田辺誠一、早乙女太一、MIYAVI / 長澤まさみ、江口洋介

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au×ナタリー「BLEACH」スペシャルサイト|インタビュー続々更新予定! チェキプレゼントも|福士蒼汰×吉沢亮 佐藤信介×早乙女太一×下村勇二 [ALEXANDROS] ほか

※スマホ、タブレットよりアクセスしてください。

[ALEXANDROS]「Mosquito Bite」
2018年7月18日発売 / UNIVERSAL J
[ALEXANDROS]「Mosquito Bite」完全生産限定盤

完全生産限定盤 [CD+ラバーバンド]
1944円 / UPCH-7438

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[ALEXANDROS]「Mosquito Bite」通常盤

通常盤 [CD]
1296円 / UPCH-5949

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CD収録曲
  1. Mosquito Bite
  2. MILK(BLEACH version)

"Premium V.I.P. Party 2017" live at Nippon Gaishi Hall

  1. Stimulator
  2. Grand Daddy~Dance With the Alien~Onion Killing Party
  3. ムーンソング
VIP PARTY 2018
  • 2018年8月16日(木) 千葉県 ZOZOマリンスタジアム
[ALEXANDROS] 全国ツアー
  • 2018年12月4日(火) 愛知県 Zepp Nagoya
  • 2018年12月5日(水) 愛知県 Zepp Nagoya
  • 2018年12月10日(月) 東京都 Zepp Tokyo
  • 2018年12月11日(火) 東京都 Zepp Tokyo
  • 2018年12月20日(木) 大阪府 Zepp Osaka Bayside
  • 2018年12月21日(金) 大阪府 Zepp Osaka Bayside
  • 2019年1月11日(金) 香川県 高松festhalle
  • 2019年1月12日(土) 香川県 高松festhalle
  • 2019年1月18日(金) 福岡県 Zepp Fukuoka
  • 2019年1月19日(土) 福岡県 Zepp Fukuoka
  • 2019年1月24日(木) 岡山県 CRAZYMAMA KINGDOM
  • 2019年1月25日(金) 岡山県 CRAZYMAMA KINGDOM
  • 2019年1月30日(水) 新潟県 NIIGATA LOTS
  • 2019年1月31日(木) 新潟県 NIIGATA LOTS
  • 2019年2月4日(月) 石川県 金沢EIGHT HALL
  • 2019年2月5日(火) 石川県 金沢EIGHT HALL
  • 2019年2月9日(土) 沖縄県 ナムラホール
  • 2019年2月10日(日) 沖縄県 ナムラホール
[ALEXANDROS](アレキサンドロス)
[ALEXANDROS]
川上洋平(Vo, G)、磯部寛之(B, Cho)、白井眞輝(G)、庄村聡泰(Dr)の4人からなるロックバンド。2007年より[Champagne]名義で本格的に活動を始める。2010年1月にRX-RECORDSから1stアルバム「Where's My Potato?」でデビュー。2014年3月の東京・日本武道館公演でバンド名を[Champagne]から[Alexandros]に改名した。同年6月に改名後初めての作品となるシングル「Adventure / Droshky!」と、武道館公演の様子を収めたライブDVD / Blu-ray「[Alexandros] Live at Budokan 2014」をリリースした。11月にはユニバーサルミュージックとパートナーシップを結んだことを発表し、2015年に3月にシングル「ワタリドリ / Dracula La」、6月にアルバム「ALXD」を発表。7月に2度目の日本武道館公演、12月には千葉・幕張メッセ国際展示場でのワンマンライブを成功に収めた。2016年11月にはニューアルバム「EXIST!」をリリース。本作を携えた全国ツアー「[Alexandros] Tour 2016~2017 ~We Come In Peace~」のファイナル公演として、2017年4月に千葉・幕張メッセ国際展示場にて2DAYS公演を開催した。映画の主題歌も多く手がけており、2015年公開の「明烏」、2016年公開の「ターザン:REBORN」の日本版、2017年公開の「きょうのキラ君」に楽曲を提供。2018年7月公開の久保帯人のマンガ原作の実写映画「BLEACH」には主題歌として「Mosquito Bite」を書き下ろした。同映画の主題歌と挿入歌「MILK」を収録したシングル「Mosquito Bite」を7月にリリース。8月には千葉・ZOZOマリンスタジアムにてキャリア最大規模のワンマンライブ「VIP PARTY 2018」を開催し、12月からは全国ツアーを実施予定。