ナタリー PowerPush - BiS
初期メンバー4人が語る「私たちのBiS」
ここは更生施設みたいなところ
──現在BiSに在籍してる初期メンバーはプー・ルイとのんちゃんの2人ですけど、そういう意味では苦楽をともにしてきた戦友みたいなもんじゃないですか。やっぱりお互いに話す機会も多いんじゃないかなと。
プー・ルイ いや、まったくないです(笑)。
ヒラノ ないねー。
プー・ルイ 一番ないし。この4人だった頃からお姉さん組と年下組に分かれてたっていうのもありますけど。
──のんちゃんはあんまり自分の意見を言わない?
ヒラノ そうですね。なんか自分がはっきりしないんですよ。そもそも自分で何を考えているのかよくわかんなくて。
ナカヤマ ホントにのんちゃん変わらないねー。
ヒラノ 初期の頃は東京が怖いということしか考えてなかった(笑)。
ナカヤマ 秋田から出てきたばっかりだったからね。
ヒラノ 人が怖かったです。
プー・ルイ なんか突然泣き出したこともあったよね。
ヒラノ 練習してたときね。
プー・ルイ そうそう。それで私とユケが「え、どうしたの。のんちゃんなんで泣いてるの? 言ってくれなきゃわからないよ」って聞いて。
ナカヤマ あー、あったあった。
プー・ルイ 初ライブの前ですね。練習やってるときにいきなり泣き出して。そもそものんちゃんは1日フルで活動するスタミナがなくって、夜になると笑えないっていう(笑)。
ナカヤマ そうそうそう!
ヒラノ 口角がどんどん下がっていくのです。
プー・ルイ 笑うと痙攣するっていう状況からのスタートでしたから。
──いろいろと心配事が多かったんですね。
プー・ルイ 当時はマネージャーの渡辺(淳之介)さんもまだ女の子の扱いがわからなくてあたふたしちゃって。今となってはだいぶ変わりましたけどね!
──辞めずにここまでがんばってこれたっていうのは、すごく強くなったってことなんじゃないかと。
ヒラノ 図太くなりました! 超自然に笑えるようにもなりましたし。
プー・ルイ 本当に成長したよね。
ヒラノ 成長しました。ここは更生施設みたいなところなので(笑)。
プー・ルイ あははは(笑)。BiSは更生施設だったのか。で、更生できたら辞めていくっていう(笑)。
こんなのアイドルじゃない
──全裸PVとか普通のアイドルグループではやらないようなことをBiSはやってきてますけど、もう何が来ても動じないですか?
ヒラノ そうですね。脱ぐことに慣れ過ぎちゃって。
ナカヤマ ウソでしょ?
ヒラノ なんかニップレスとか配られても「あー、またか」くらいにしか思わない。
プー・ルイ 普通に渡されるもんね。「今日はこのニップレスかー」って(笑)。
ヒラノ 「花柄だー」って(笑)。
──りなはむはそういう意味では全裸経験はないわけですが、辞めずにいたらやってたと思います?
ヨコヤマ たぶんリナ、断固拒否してたと思う。
プー・ルイ プレイボーイの誌面に載るとかでも?
ヨコヤマ うん、断ってたかな。
──「My Ixxx」のPV撮影のときにユケは全裸を経験してますけど、それくらいの時期から「BiSちょっと違うなー」っていう思いがありました?
ナカヤマ 私はそこから半年くらいの期間中ですかね。
プー・ルイ そうそう。ユケもリナもたくさんケンカして。
──ケンカの理由は?
プー・ルイ 「こんなのアイドルじゃない」っていう理由と「おまえら働け」っていう2パターンですね。前者は主にリナの葛藤ですね。
──自分の中にあったアイドル像と現実は違うぞと。
ヨコヤマ はい。最初はアイドルグループだと思ってたんですけど……なんだろう、だんだんこれは違うぞって。最初に衝撃的だったのがパンストを被るっていう……。
ナカヤマ あー、ヘドバンやったときだ。
ヨコヤマ PV撮影もアイドルっぽくないし……。そういうことでよくケンカしてました。
プー・ルイ 「パプリカ」のPVを撮影する打ち合わせにリナが遅刻したんですよ。で、メンバーがパンスト被ろうって案を出して決まったんですけど、遅刻してきたリナには拒否する権利はなくて。そのとき泣いてたよね。
ヨコヤマ うん。
プー・ルイ 「こんなのアイドルじゃないよ!」って言って、なぜかみんなで泣いたのは覚えてる。
ナカヤマ そうだったっけ?
プー・ルイ 私が「ももクロのあーりんだってコマネチやりたくてやってるわけじゃないんだよ!」って叫んでね(笑)。
ヨコヤマ あー、言った!
プー・ルイ で私が「売れるまでは我慢してやるんだよ!」って説得して、なんかみんなで泣きました。
ナカヤマ そうだー、泣いたわー。
──その頃からりなはむはBiSはなんか違うぞと。
ヨコヤマ いや、かなり最初のほうからそう思ってました(笑)。
プー・ルイ 普通はリナみたいに最初からいわゆるアイドルっていうものを想像してきますよね。振り付けの先生がいてかわいらしい衣装があって……そういうイメージがあると思うんですよ。でもBiSはまったくなかったから。
──で、早々に脱退。
ヨコヤマ 「My Ixxx」のPV撮影の直前くらいに辞めました。
プー・ルイ 正確には「My Ixxx」で全裸になるっていう話がきたのはリナが辞めたあとですからね。
BiSのことがすごいつまんないと思っちゃった
──りなはむは現在別のアイドルグループを立ち上げて活動してますね。
ヨコヤマ はい。アキシブprojectっていうアイドルグループを立ち上げて、今は代表って立場でやらせていただいてます。
プー・ルイ リーダーよりもっと上だ。
ナカヤマ 代表だからねー。
──メンバーもりなはむがオーディションして決めたんですか?
ヨコヤマ そうですね。スカウトとかオーディションで審査して、今は12人くらい在籍してます。
──そのメンバーと一緒に自分が追い求めるアイドルをやってみようと。
ヨコヤマ はい。今は追求してる途中ですね。
──ユケはモルヒネ東京というバンドをやってますよね。
ナカヤマ そうですね。もとからバンドはやりたかったので自分でメンバーを集めるところから始めました。今は月に2本くらいはライブやってます。
──やっぱりBiSで活動してた頃と今のバンドを比べることもあります?
ナカヤマ あー、比べますね。やっぱBiSの曲ってカッケーなって思いますもん。それに比べてウチらがよく言われるのが「東京事変の二番煎じ」って(笑)。でもまあ自分で作詞して作曲して、本当に完全に自分の好きなものをやってる感じなので、それは満足してます。
プー・ルイ ワンマンライブ行ったんですけどカッコいいなと思いましたよ。やっぱりBiSを辞めて自分の好きなことをやってる姿を観るのはうれしいです。がんばったんだなって普通に思いますし。
ナカヤマ んふふふふ(笑)。
プー・ルイ 私もちょうどバンド活動として「LUI◇FRONTiC◆松隈JAPAN」を始めるって言われたときだったんですよ。そういう意味でもユケは本当に先輩だったので。
──当時のBiSでも歌唱の面でユケはグループを引っ張ってた部分があったと思うんですけど、抜けるっていう話が出たときは正直痛いと思いました?
プー・ルイ 一緒にやってきた感が一番強いメンバーではあったので、そういう意味でも一番ダメージがでかい脱退ではありましたね。
──精神的にも?
プー・ルイ ですね。だからBiSのことがすごいつまんないって思っちゃいました。ユケが辞めたあと……5人になるまでの時期とか、本当に孤独を感じてましたね。
──のんちゃんがいるじゃないですか。
プー・ルイ なんかのんちゃんはいるのが当たり前っていうか、私がいろいろ言わなくてもわかってくれてるっていうか。なんでかわかんないんですけど、信じてついてきてくれるんですよ、私に。文句とかも絶対に言わないし。
ヒラノ ふふふふ(笑)。
──なんか奥さんみたいですね。黙って後ろをついてくるみたいな。
プー・ルイ けっこう私以外のいろんな人には牙をむくんですけどね(笑)。
- ニューアルバム「WHO KiLLED IDOL?」 / 2014年3月5日発売 / avex trax
- 映画盤(期間限定生産) [CD+DVD] / 5250円 / AVCD-38910/B
- 初回仕様ジャケット
- 通常仕様ジャケット
- MUSIC VIDEO盤 [CD+DVD] / 4200円 / AVCD-38911/B
- 初回仕様ジャケット
- 通常仕様ジャケット
- CD盤 [CD] / 3150円 / AVCD-38912
- 初回仕様ジャケット
- 通常仕様ジャケット
CD収録曲
- primal.2
- DiE
- STUPiG
- no regret
- マグマト
- GET YOU w/Dorothy Little Happy
- MURA-MURA
- MMGK
- BiSimulation
- ERROR
- nasty face
- Fly
- Hi
- Hide out cut
- プライマル。
映画盤DVD収録内容
アイドル・イズ・デッド -ノンちゃんのプロパガンダ大戦争- “Special Edition“
MUSIC VIDEO盤DVD収録内容
- ASH
- hitoribochi
- GET YOU w/Dorothy Little Happy
- BiSimulation
- Hide out cut
- DiE
- MURA-MURA
- Fly
- Hi
- STUPiG
- ODD FUTURE -プー・ルイ Ver.-
- ODD FUTURE -ヒラノノゾミ Ver.-
- ODD FUTURE -ファーストサマーウイカ Ver.-
- ODD FUTURE -テンテンコ Ver.-
- ODD FUTURE -カミヤサキ Ver.-
- ODD FUTURE -コショージメグミ Ver.-
- primal.2
BiS(びす)
プー・ルイ、ヒラノノゾミ、ファーストサマーウイカ、テンテンコ、カミヤサキ、コショージメグミ、そしてマネージャーの渡辺淳之介からなるアイドルグループ。ユニット名は「新生アイドル研究会(Brand-new idol Society)」の略。2010年をもってプー・ルイがソロ活動を休止し、2011年から彼女が在籍するアイドルグループとして結成された。過激な施策などで話題を集め、何度かのメンバーチェンジを経て2012年7月にシングル「PPCC」でエイベックスよりメジャーデビュー。2013年には「BiSimulation」「DiE」「Fly / Hi」と意欲作を次々にリリースし、終身名誉メンバーにコシノジュンコを迎え話題に。2014年1月には上田剛士(AA= / THE MAD CAPSULE MARKETS)楽曲提供の「STUPIG」をリリース。同年3月にはラストオリジナルアルバム「WHO KiLLED IDOL?」を発売する。さらに7月には横浜アリーナで解散ライブを行うことが決定している。
モルヒネ東京(もるひねとうきょう)
ナカヤマユキコ(Vo)、マッキー(G)、オオシバユウスケ(B)、オオノコウジロウ(Dr)、アンザイ(Key)からなるニューウェーブTOKYOポップバンド。2012年にナカヤマユキコを中心に結成。2013年2月には「トウキョウナイト」のPVを公開し異例のスピードで閲覧数を伸ばしたことで話題に。同年3月には1stシングル「トウキョウナイト」をリリースしレコ発ツアーを開催する。さらに同年8月に「フラッシュバック」、11月には「ループする」のPVを発表。そして12月には2ndシングル「ループする」をリリースした。
アキシブproject(あきしぶぷろじぇくと)
“渋谷と秋葉原を繋ぐアイドルグループ”として2012年に横山利奈(りなはむ)が発起人となり結成。東京・TwinBox AKIHABARAを拠点に秋葉原のオタク文化と渋谷のギャル文化を融合したまったく新しいコンセプトで活動を行っている。2014年3月現在、12人のメンバーが所属し横山がグループの代表に就任。1月から毎週水曜日に定期公演を行っている。