BILLIE IDLE|「5人は非アイドル」だからこそ広がる可能性

“作詞家”5人による「NOT IDOL」楽曲解説

──満を持して5人体制初の全新曲アルバム「NOT IDOL」が完成しました。このアルバムには全員の作詞曲が入っていますけど、それぞれどういうテーマで書いたんでしょう?

ウイカ 私は3曲採用されているんですけど、全部ロックな歌詞が使われています。1曲目「Run³」は、ステージングも想像しながらコミカルでストーリー性のあるものにしようと思って。叶わない恋の甘酸っぱさと言うか、青臭い男子中学生を主人公にした話になっています。次の「エブリデイズ」は、デモ音源を聴いたとき、「これはJ-POPでいけるな」と思ってメッセージ性のある応援ソングとして歌詞を書きました。BILLIE IDLEがリスナーの背中を押したことなんて過去に一度もない! と思って(笑)。自分自身に言い聞かせているのかもしれないけど、いろんな人の背中押すような曲になったほうがいいなと。

──ウイカさんは最後の「MESSAGE」の歌詞も書いていますね。

ウイカ 8曲目の「MESSAGE」はアニソンの主題歌を狙って書きました。次のステップに進むために、アニメのタイアップが付いたらいいなっていう“あてのないメッセージ”を込めています(笑)。

──ウイカさんは自分からあふれ出る本心を歌詞に込めていくという感じではないんですね。

プー・ルイ 見たことないな、ウイぽん自身が主人公の曲。長く一緒にいるけど、本心みたいな部分は一番謎ですもん。

ウイカ でも実は「P.S.R.I.P.」(2018年3月発表のシングル曲)はプー・ルイを見て書いた曲で、プー・ルイの加入がわかっていたかのような予言的な歌詞になったんですよ。自分の体験を元にっていうのは「LAST ALBUM」でもあって、そういうエモーショナルな部分はそこで使い果たしたと言うか。今回、BILLIE IDLEのエモい部分はほかの4人が書いてくれた曲で感じられると思います。あとアキラの書いた3曲目「DOKI²」もBILLIE IDLEっぽいかも。

アキラ 最近すごく楽しくて。冗談じゃなくて、本当にドキドキするんですよ(笑)。

ウイカ 比喩じゃなくて?

プー・ルイ だとしたら逆に体が心配だけど(笑)。

アキラ

アキラ 生きていること自体が楽しい、その感じを歌詞に書きました。生きていると嫌だなと思う瞬間や、周りからいろいろ言われることがありますけど、そんなときはシンプルに考えるのがベストだなと思って。人それぞれ意見も感性もあるから、絶対1つの意見にまとまることってない。ほかの人と自分の意見が合わないなら、まずは自分の意見を大切にすればいいのかなって思いました。

ウイカ ジャイアン的なこと言うじゃん(笑)。

アキラ でも、まずは自分を肯定していかないと、周りの意見を聞くこともできないと思うんです。なかなかうまく言えないんですけど、結局、最後に人間って死んじゃうじゃないですか? だからこそ、最後まで自分の気持ちを大事にできたらいいなと思って書きました。

──アキラさん自身の気付きが込められていると。プー・ルイさんは2曲作詞をしていますね。

プー・ルイ 私は「シンデレラアンセム」と「バイバイロンリネス」を書いたんですけど、ウイぽんと逆で完全に観点が自分になっていて。「シンデレラアンセム」のデモを聴いたとき、ダンスミュージックだからクラブを想像したんですけど、クラブに行ったことがないからそのイメージでは書けなくて(笑)。シンデレラの世界だったら想像できるなと、自分がシンデレラだったらどんな感じになるかなと思って書きました。

──視点はシンデレラになったプー・ルイさんなんですね。

プー・ルイ はい。ちょっとうざい感じが歌詞に出ているんですけど、男に対して媚びるあたりは自分っぽいなって。男に寄生して生きているので。

──……では「バイバイロンリネス」は?

プー・ルイ そこスルーですか?(笑)

──メンバーも否定しないから、そうなのかなと思って(笑)。でも女の子が共感してくれるんじゃないですか?

プー・ルイ これに共感してくれるのは、きっと私のように面倒くさい女子が多いでしょうね(笑)。「バイバイロンリネス」は、最近のアイドル界に対する憂いを歌ったら自分のことだったって言う悲しいパターンの曲で。

ウイカ コウメ太夫みたいな?(笑) 「最近の世の中のアイドルを語ってみたらー自分のことでしたー! チクショー!!」って。

一同 (笑)。

プー・ルイ 深層心理なんでしょうね。人の心配をしていたら全部自分に当てはまっちゃった感じ。

──モモセさんは「単調なエレジー」を書いています。

モモセモモ

モモセ これはチャイナっぽい曲調に合わせて、逃げ出したい人をイメージして歌詞を書きました。私も自分自身のことを歌詞に書くタイプなんですけど、BILLIE IDLEでやってきた4年間の明るい面もダークな一面も踏まえて、「誰でも表と裏があるよね」って部分で共感できると思います。音数も多いので、たくさん言葉が当てはめられると思って、垂れ流す感じで当てはめました。

──確かに言葉数が多い曲ですけど、歌詞を書くのは得意ですか?

モモセ 私、なかなか歌詞が書けなくて。3曲分の歌詞を書いて提出したんですけど、「全部内容が一緒だね」とマネージャーさんに言われてしまい(笑)。

ウイカ それしか言いたいことがなかったのかもね(笑)。でもアキラッティの曲の真裏を描いたような歌詞がけっこうあって、そこが対称的な姉妹で面白い。

──ヒラノさんが歌詞を書いた「under the sun」はメタル調の曲で、インパクトが強いです。

ヒラノノゾミ

ヒラノ 最初、「地の底」って言葉が浮かんで離れなかったんですよ。

プー・ルイ それ、ヤバいね(笑)。

ヒラノ 本当は「地の底」って言いたかったんですけど、音的にハマらなかったので「地獄」にしました。私、明るい歌詞が書けなくて。過去の曲にしても明確な設定がないものは全部暗いんですよ。

ウイカ 最近「pet」とか「陽気なビーチサイド」とか調子よかったのにね。

プー・ルイ 私とまたやることになったから(笑)。

ウイカ プー・ルイが、戦いから逃れて腑抜けていたのんちゃんのハングリー精神を呼び覚ました。「のんちゃんそっちじゃないでしょー!!」って。地獄の地の底から眠れる獅子を起こしたかのように(笑)。

プー・ルイ 歌詞が暗かったとしても、それでこそのんちゃんなんですよね。

ヒラノ 確かに上京してきて、このままじゃ終われないって感じはありますね。

「これからはBILLIE IDLEのターン」

──8月18日の東京・UNIT公演(「BILLIE IDLE BILLIed IDLE TOUR 2.0」のツアーファイナル)で、ウイカさんが「これからはBILLIE IDLEのターンだ」ってMCで宣言していましたよね? 改めてそこにはどういう意味が込められているんでしょうか(参照:ここからBILLIE IDLEのターン! 追い風確信の満員御礼ツアーファイナル)。

ウイカ これまでBILLIE IDLEが攻めたことって一度もなかったんです。音楽業界、アイドル業界において、ヨソ様は売れるためにもっと攻めてますよね? 私たちは手法として攻めているなと思うことはありますけど、基本的には「ずっとパス」みたいな感じで、周りを横目に見ながら歩いてきた。でも次はこっちのターンだよって。溜まった手札で攻めにいくよってタイミングなんです。

プー・ルイ

プー・ルイ 今のBILLIE IDLEは攻めのカードしか手元に残っていないから、カードゲームだとしたらヤバいデッキになっているよね。攻撃から身を守るためには攻め続けるしかない(笑)。

ウイカ あとは我々が攻め抜けられるか……ですね。

プー・ルイ 私が入る前のBILLIE IDLEはインストアイベントで15連勤したり、対バンライブに出たりしたことがなかったんですって。今はそういう姿勢も変わってきてるし、それが「BILLIE IDLEのターン」って言葉にも表れていると思います。

ウイカ ただ頭の中では理解しているんですけど、そんなにラウンドを重ねた試合をしたことがないから、ちょっとずつ訓練して、5人で新しいことに取り組みながら、ちょっと走り込みをするみたいな感じでやっていきます。

──ここからがBILLIE IDLEの攻めのタイミングだと。

ウイカ やっと攻めのターンが来ます。覚悟していてくださいね!

BILLIE IDLE
BILLIE IDLE「NOT IDOL」
2018年11月7日発売 / オツモレコード
BILLIE IDLE「NOT IDOL」

[CD+DVD]
3000円 / DDCZ-2218

Amazon.co.jp

CD収録曲
  1. Run³[作詞:ファーストサマーウイカ / 作曲:KEVIN MARKS]
  2. エブリデイズ[作詞:ファーストサマーウイカ / 作曲:KEVIN MARKS]
  3. DOKI²[作詞:アキラ / 作曲:KEVIN MARKS]
  4. シンデレラ アンセム[作詞:プー・ルイ / 作曲:KEVIN MARKS]
  5. 単調なエレジー[作詞:モモセモモ / 作曲:KEVIN MARKS]
  6. under the sun[作詞:ヒラノノゾミ / 作曲:KEVIN MARKS]
  7. バイバイ ロンリネス[作詞:プー・ルイ / 作曲:KEVIN MARKS]
  8. MESSAGE[作詞:ファーストサマーウイカ / 作曲:KEVIN MARKS]
DVD収録内容

「BILLIE IDLE LIVE SHOW WELCOME TO BILLIE IDLE」(LIVE映像 from 2018年6月6日「WELCOME TO BILLIE IDLE」@東京・マイナビBLITZ赤坂)

  1. MY WAY
  2. ジャッキーの大冒険 ~地獄よりの使者~
  3. エンドロール($I$ Edition)
  4. どうせ消えてしまう命なら...(BI$ Edition)
  5. be my boy
ツアー情報
BILLIE IDLE「NOT IDOL TOUR」
  • 2018年11月2日(金) 東京都 shibuya eggman(※終了)
  • 2018年11月10日(土) 群馬県 高崎TRUST55(※ソールドアウト)
  • 2018年11月18日(日) 大阪府 心斎橋CLUB DROP
  • 2018年11月23日(金・祝) 宮城県 HooK SENDAI
  • 2018年11月24日(土) 福岡県 DRUM SON
  • 2018年12月1日(土) 北海道 COLONY
  • 2018年12月8日(土) 神奈川県 横浜BAYSIS
  • 2018年12月16日(日) 愛知県 HOLIDAY NEXT NAGOYA
  • 2018年12月24日(月・振休) 東京都 渋谷ストリームホール
BILLIE IDLE(ビリーアイドル)
BILLIE IDLE
ファーストサマーウイカ、ヒラノノゾミ、モモセモモ、アキラ、プー・ルイの5人からなるガールズユニット。NIGOと、BiSHやBiSを擁する音楽プロダクション・WACK代表の渡辺淳之介の共同プロデュースにより「ネオ80's」をテーマにしたサウンドとビジュアルイメージで、2015年4月に1stアルバム「IDLE GOSSIP」でCDデビューを果たした。9月に2ndアルバム「ROCK"N"ROLL IDLE」を発表し、12月には主催ライブイベント「BILLIE IDLE presents Brand-new Idle Society」でかつての盟友と競演。2017年4月にベストアルバム「BILLIed IDLE」とライブアルバム「LAUNCHING OUT」、8月にシングル「MY WAY」を発表した。11月にニューアルバム「LAST ALBUM」を発売し、11月末から全国ツアー「LAST TOUR」を開催。2018年2月にNIGOと渡辺による共同プロデュース最後となるシングル「P.S.R.I.P.」をリリースし、このシングルのリリースツアーのファイナルとなる5月の東京・UNIT公演で元BiSのプー・ルイの電撃加入が発表された。6月に東京・マイナビBLITZ赤坂で新体制お披露目ライブ「WELCOME TO BILLIE IDLE」を行った。7月にNIGO単独プロデュースの新体制第1弾となる再録アルバム「BILLIed IDLE 2.0」をリリースし、全国ツアー「BILLIE IDLE BILLIed IDLE TOUR 2.0」を開催。11月にプー・ルイ加入後初となる全曲新録のニューアルバム「NOT IDOL」を発表した。新作を携えた全国ツアー「NOT IDOL TOUR」を行い、12月24日に東京・渋谷ストリームホールでツアーファイナルを迎える。