ベリーグッドマンRover&MOCA|TEPPANなレーベル設立!絶やさず届ける冷めない音楽

MOCAのお父さんに届けばいいな

──「おとん~yat~」は「おかん~yet~」の続編みたいな曲ですよね。さっきおっしゃっていた、3人それぞれが自分のパートを責任を持って歌い切るというベリグのスタイルが魅力を発揮していると思いました。

Rover いつもそうなんですけど、特に今回は3人で集まって作る時間がなくて、レコーディングの日にサビを作ったんですよ。それ以外はみんな自分の家で自分のテンションで作るっていう。やってることは全曲ほとんど変わらないんですけど、これは「おかん」とまったく違う感じにするか沿った感じでやるかというところで、最終的に「おかん」寄りに作った曲ですね。その時点で「おかん」を超えることはないなと思いました。ただ、僕とHiDEXの父親はもういないので、MOCAのお父さんに届けばいいなっていうのがまずありました。あと作ってて思ったのが、やっぱり母親って偉大だなっていうこと(笑)。僕とHiDEXの場合はもうおらんから、おとんについてわからんことが多すぎて、結局おかんのことが歌詞にめっちゃ出てくるんです。「おとん」っていう曲を作ろうって僕が言い出したんですけど、そういう意味でもこれは難しいなって。僕が父親にならないと書けないかもなって思いました。

──「No Live, No Life」でライブ賛歌を歌ったあとの「STAY GOOD」が、「そんな大好きなライブが今はできないけど、みんな元気でいてほしいからこの曲を贈るね」というメッセージになっているのもいいですね。

Rover ライブがいつでもできる状態だったらこの2曲は書いてないですね。本来ならアルバムにもっとアッパーチューンを入れていたんですよ。ライブを想定するんで。今回はそこまでライブを前提にしないで自由に作りました。「No Live, No Life」にはすごい攻撃力のあるフックがあるんですけど、ライブができない苛立ちみたいなんをぶつけてるんで、そこは許してほしいですね(笑)。「STAY GOOD」は、ほんまに僕らが歌いたいのは実はこういうことっていうか、失ってから気付くんじゃ遅いから失う前に分かち合おうぜ、みたいなメッセージソングに、僕はべリグっぽさがあると思っているんです。「ライオン」や「ライトスタンド」が応援曲って言われるけど、実は僕らの原点は「いつも通り君が元気で」って歌う「コンパス」なんです。そういうモードが再来した曲かなって思いますね。まあ、そういう曲ばっかり歌いすぎてウザがられてもイヤなんで(笑)、抑え気味にはしてるし、今回もたぶん照れ隠しで「No Live, No Life」の後にやってるんですよね。

──配置に照れが入っているわけですね(笑)。この前の「Power」も3人のボーカルリレーがとても魅力的です。

Rover 僕はなんか泣けるんですよね、この曲。「時は流れ今も変わらない願い 信じる心を絶やさないように」って、自分らに言ってるような気がして。仕事がなくなったら、みんな不安になるじゃないですか。で、各々……MOCAはYouTuberになろうとしてて、HiDEXは絵を描きだして(笑)、気持ちはわかるんですけど、俺たちはベリーグッドマンやろ、柱を腐らしたらもったいないやろって。eBASEBALLプロリーグのテーマソングで、「Power」っていう曲名は「実況パワフルプロ野球」からきてるんですけど、「歯を食いしばれよ」って意味なんかなって思うし。コロナがなかったらこんな響けへんなって思いますし、この前リハーサルしたとき、ちょっとフェスの夕方で歌っているのが見えました。

僕も「香水」歌おうかな

──自分たちの作った曲を歌っていて意味合いが変わって感じられるのは素敵な体験だと思います。アルバム全体としてコロナの影響が大きいんですね。

Rover 絶対あると思いますね。こんなこと初めてなんで。僕、大阪で深夜番組のナビゲーターをやってまして(MBS毎日放送「MM-TV」)、ステイホーム期間はゲストを呼べないからコメント動画をもらっていたんですけど、みんなもがいてました。やっぱり発信したいし、吸収もしたいじゃないですか。誰かと会って吸収する人もいれば、映画館とか美術館に行って吸収する人もおるけど、その道が突然断たれて、信じられるものが自分自身しかなくなってしまった。リスナーも当然、こういうときだからこそ新しいものを求めてくるし、めっちゃ難しい仕事だなと思ったんですけど、そこで面白いことやってる人らって、新しい人たちや若い人たちが多いんですよね。僕らもうそろそろ若手とは言えないキャリアになってきたので、負けてられへんなと思いました。僕も「香水」歌おうかなって(笑)。

──11月には「“TEPPAN”発売&結成7周年記念・超好感祭2020〜ドライビングパーティー編〜」というライブが開催されますが、これはどんなスタイルでやるライブなんですか?

Rover 舞洲スポーツアイランドの空の広場というところにステージを設けて、お客さんには車で来場していただいて。音はPAでも出すんですが、コミュニティFMみたいな感じである周波数帯を取って、それで飛ばすんですよ。

──カーラジオで聴けるわけですね。

MOCA キャンプの区画に近いかもしれないですね。車を停めてFMで楽しんでいただくのもOKやし、区画の内側でマスクをしてもらったうえで飛んだり跳ねたり楽しんでいただくという。時間も長めにとっているので、ちょっとした小フェスみたいな感じで。

Rover 一応日本で最大級らしいです。僕らも初めてで。

MOCA ちょっと遅いかなとも思うんですけど、今しかできへんことやから、っていう感じですね。来年は誰もやってないってなれば伝説になるし、逆にまたこういう状況になったら、一度経験してるからみんなに情報を提供できるし。

──ドライブインシアターのコンサート版ですね。

Rover いろいろ不安はあるんですけど、僕たちが健在であることを見てもらうのが第一です。スペシャルなお楽しみも準備してます。

MOCA みんなでルール守って会おうぜ、っていうパーティですね。

Rover めっちゃ楽しみです。大雨降ったらええのにって(笑)。

MOCA そのほうが伝説になるしな。大雨降ってもできるから。俺らが濡れるだけで。

Rover ま、大失敗に終わらないようにがんばります。

MOCA グダグダで土下座のほうが翌朝の新聞の見出しにはなりますけど(笑)。

ライブ情報

“TEPPAN”発売&結成7周年記念・超好感祭2020〜ドライビングパーティー編〜
  • 2020年11月7日(土)大阪府 舞洲スポーツアイランド 空の広場OPEN 14:00 / START 17:00
  • 2020年11月8日(日)大阪府 舞洲スポーツアイランド 空の広場 OPEN 14:00 / START 17:00
配信日時
  • 2020年11月14日(土)20:00〜11月20日(金)23:59
左からRover、MOCA。