音楽ナタリー PowerPush - バンドじゃないもん!
生まれ変わった私たちの再スタート
簡単には人に説明できないけど、包み隠さず歌にしたい
──そんな激動の4年間を経て、ついに初のフルアルバム「Re:start」がリリースされました。
「やっとこのアルバムが出せた」って気持ちです。いろんなことがカチっとハマった今のタイミングだから作れたアルバムだと思います。「これぞバンもん!だぞ」っていう内容になったと思うし。
──「Re:start」というアルバムタイトルはみさこさんが考えたんですか?
そうです。最初はリード曲と同じ「君の笑顔で世界がやばい」っていうタイトルになる予定だったんですけど、まず「ジャケの撮影の日に新衣装が間に合わない」っていう話になって。
──あー! 衣装が間に合わなかったから皆さん裸なんですか(笑)。
そうなんですよ(笑)。で、こういうジャケットにするなら「笑顔」ってタイトルはおかしいねってことになって。今のバンもん!を表す意味を込めたものにしようと思って「Re:start」にしました。
──アルバムには過去曲を現在のメンバーで作り直した“生まれ変わりバージョン”がたくさん収録されていますが、これらの新バージョンを聴いた感想は?
いい感じで生まれ変わったなって思います。もちろん、昔の音源も今回のアルバムにはないよさがあると思うんですけど、この6人で今のバンドじゃないもん!を表現するならこうなるだろう、っていう曲に仕上がったと思います。
──新曲「君の笑顔で世界がやばい」もそうなんですが、今作のラストに収録されている「UP↑ぷらいむ」あたりから、みさこさんが書く歌詞にリスナーへのメッセージが強く込められるようになった気がします。「パヒパヒ」「バンもん!のテーマ」「ショコラ・ラブ」といった初期曲と比べると、だいぶ印象が違う。
ホントにそうですね。「UP↑ぷらいむ」はぐみちゃん、汐りん、らむてぃんが入ってきてくれたときに、「今までのバンもん!を総括しよう」って思って私が歌詞を書いた曲なんです。バンもん!がたどった道のりは簡単に人に説明できないくらい複雑だけど、それを包み隠さず歌にしたいと思って。そういう意味もあって、この曲にはすごく思いが詰まってるんです。歌詞にはメンバーの名前が盛り込まれてるんですけど、当時とはメンバーが変わってるのでそこは新しく書き換えました。
──「UP↑ぷらいむ」の「楽しいときは一瞬だね 形あるモノはいつか 必ず終わりがくるけど 『楽しいね!』『おいしかったね!』 そういうのはハートに残るでしょ?」っていう歌詞を見て、バンもん!が活動を通して伝えたいのはこういうことなんだろうな、と納得しました。
うん、それをみんなに言いたくてバンもん!をやってるっていうのはすごくあります。
今度は私が人の人生を変える番
──今回の「Re:start」で“再出発”したバンもん!を、リーダーとしてこれからどうしていきたいと思ってますか?
今のバンもん!って、まだ見つかってないだけだと思うんですよ。めっちゃいいアルバムもできたし、あとは聴いてもらうだけなんです(笑)。でんぱ組.incさんもそうだったと思う。もともとすごいグループだったのが、みんなに見つかって一気にブレイクしたっていう。バンもん!もそうなれるグループだと思うから、見つけてもらってあとに続きたいです。アイドルの音楽を聴かない人が知ってくれるくらいになったらいいな。ギャルがドンキで口ずさんでくれたり。
──じゃあ、そのために自分はどうなりたいと思います?
私、Twitterではユーザー名を「みさこ(概念)」にしてるんですけど、本当に「みさこ」という概念になりたいですね(笑)。
──よくわからないんですが、それって例えば、みさこさん自身はあくまでコンセプトであって、ステージ上に存在しなくなっても構わない、みたいな意味ですか?
あ、でもそれはないかな。かまってちゃんもそうだけど、やっぱり私はステージでの緊張感が好きだから音楽をやってるので。目立ちたい気持ちはないけど、ステージを降りる気はないです。もちろん、アイドルだからいつまで続けるかは限界があると思うけど。
──バンドだったら何歳になってもやれますよね。
いやでも、それも難しいですよ。この間、配信をやってるときにそういう話になったんですけど、例えばかまってちゃんが65歳くらいになっても活動してたとして、「笛吹き花ちゃん」は叩けないなって思ったんです。ちょっとあのテンポ無理(笑)。
──ははは(笑)。
何人も子育てしながらいつまでもアイドルを続ける、っていうのも面白いですけどね。でもアイドルって夢を与える仕事だから、未来を見るより過去を振り返るほうが多くなってしまうとできないのかもしれないなと思うんです。それを考えるとやっぱりアイドルには活動できる期限が絶対あると思います。
──あー、なるほど。
私、昔から「誰かに影響を与えたい」って思ってたんです。それはかまってちゃんに入る前からずっと。で、影響を与えられる人って人気者しかいないから、人気者になりたいです。自分がいろんな人に影響されて、すごい感動をもらいながら生きてきたから、みんなにもそういう気持ちになってほしいなって。今度は私が人の人生を変えるような生き方をする番だと思ってます。
──ところでバンもん!は東名阪ワンマンツアーのファイナルとして、7月4日に東京・Zepp DiverCity TOKYOでライブをすることが決まっています。今までライブをしてきた場所と比べると、かなり規模の大きな会場ですね。
ホントに怖いです。本当は赤坂BLITZでやるつもりだったんですよ。でもなんか手違いがあったらしくて予約が取れてなくて。新宿BLAZEのライブで「次は赤坂BLITZです!」って発表するつもりだったのに、その3日前くらいにマネージャーがすごい泣きそうな顔で「赤坂BLITZがとれてませんでした」って。それは「しゃーないっしょ」ってことになったんですけど、じゃあほかの会場を探そうと思ったら、赤坂でやる予定だった日にZepp DiverCityだけが空いて、これは運命だと思って(笑)。
──そういう経緯だったんですか! でもなんだかドラマチックな話ですね。
埋まればですけどね(笑)。でも、ここを埋められるか埋められないかでバンもん!の今後が決まると思うし、間違いなく埋めたいです。今のバンもん!はこのライブを成功させられるくらいのグループだと思うから。
──ホントにそう思います。
今まで以上に来ないと後悔するライブにする予定なので、バンドじゃないもん!が作るエンタテインメントをぜひ体感しに来てほしいです!
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- ニューアルバム「Re:start」 / 2015年4月22日発売 / PERFECT MUSIC
- 初回限定盤 [CD+DVD] / 4000円 / XQFL-91005
- 通常盤 [CD] / 3000円 / XQFL-1032
CD収録曲
- OVERTURE[作曲:ミナミトモヤ、KOJI oba]
- 君の笑顔で世界がやばい[作曲:奥脇達也(アカシック) / 作詞:みさこ]
- パヒパヒ(生まれ変わりVer.)
- RAVE RAVE RAVE[作曲:DJ BAKU & NEUROGENESIS / 作詞:NANI & NEUROGENESIS]
- 雪降る夜にキスして(生まれ変わりVer.)
- バンもん!のテーマ(生まれ変わりVer.)
- タカトコタン-Forever-(生まれ変わりVer.)
- ショコラ・ラブ(生まれ変わりVer.)
- アイの世界(生まれ変わりVer.)
- ツナガル!カナデル!MUSIC[作曲:ミナミトモヤ / 作詞:ミナミトモヤ、みさこ]
- 速い曲[作詞&作曲:ゆよゆっぺ]
- 恋の呪文はスキトキメキトキス[アレンジ:ミナミトモヤ、ONIGAWARA]
- ヒラヒラ[作曲:KOJI oba / 作詞:モリモトコージ、みさこ]
- UP↑ぷらいむ(生まれ変わりVer.)
初回限定盤DVD収録内容
2015年2月7日新宿BLAZEライブ映像
- OVERTURE
- UP↑ぷらいむ
- イヌイットディスコ
- お姫様ごっこ
- パヒパヒ
- 歌うMUSIC
- ショコラ・ラブ
- RAVE RAVE RAVE
- プリズム☆リズム
バンドじゃないもん!ワンマンライブ Vol.4
- エクストリームはっぴーツアー
~君の笑顔で大阪がやばい~ - 2015年6月13日(土)大阪府 梅田CLUB QUATTRO
- エクストリームはっぴーツアー
~君の笑顔で名古屋がやばい~ - 2015年6月14日(日)愛知県 ElectricLadyLand
- カサナルイズム!カナデルリズム!
~君の笑顔で世界がやばい編~ - 2015年7月4日(土)東京都 Zepp DiverCity TOKYO
バンドじゃないもん!
神聖かまってちゃんのみさこ(のちにこのグループにおいてのみ「鈴姫みさこ」に改名)とかっちゃんにより、ドラム&ボーカルの2人組ユニットとして2011年初頭に結成。ツインドラムでアイドルポップスを歌う独特なスタイルで話題を呼ぶ。2012年10月にワーナーミュージック・ジャパンのunBORDEよりメジャーデビューミニアルバム「バンドじゃないもん!」を発表。翌2013年に恋汐りんご、水玉らむね、七星ぐみが新メンバーとして加入し、これをきっかけに本格的なアイドルグループへと進化していく。その後メンバーの加入と脱退を繰り返し、現在のメンバーは鈴姫みさこ、恋汐りんご、七星ぐみ、望月みゆ、甘夏ゆず、天照大桃子の6人。2015年4月に初のフルアルバム「Re:start」を発表し、7月4日には東名阪ツアーのファイナルとして東京・Zepp DiverCity TOKYOでワンマンライブを行う。