ASP「BA-BY」リリース記念!Pecori&Yohji Igarashi / Age Factoryインタビュー (4/4)

ASPのメンバーに気合いを感じた

──レコーディングの際、メンバーにどんなアドバイスをされましたか?

西口 ASPは、みんなマジで歌が上手なんですよ。上手だし楽曲を聴き込んでくれているし、歌い込んでいる感じが伝わってきたので、こちらから何か指示することはなかったです。しかも、ちゃんと自分たちの色を出してくれていて。新メンバーのイコ・ムゲンノカナタさんは5月に加入されたんですけど、彼女がBiSにいた2024年にもAge Factoryで楽曲提供(「R.U.N」「Sakura」)をしていて。それ以来のRECでしたが、1年でとんでもなく成長していたんですよ。グループの中でも若いメンバーやと思うんですけど、伸びしろがすごいなと。現在に至るまで、めっちゃ努力したのが目に見えて感じられたので、ディレクションをするときも何も言うことがなかったですね。

イコ・ムゲンノカナタ

イコ・ムゲンノカナタ

──avexのオフィシャルインタビューを読んでいても、自分たちが「Get New ミライ」を歌う意味であったり、どう向き合うべきかであったり、イコさん含めてメンバー1人ひとりが理解したうえで歌っているのが伝わってきました。

西口 うん。まさに、そういう感じがしました。「Black Nails」のときもそうだったんですけど、僕らがディレクションをしなくても、メンバー同士で「もうちょっと、こうしようよ」みたいな話し合いをしていて。お互いに士気を上げるというか、メンバー間で「行くぞ!」と気合いを入れていたので、すごくいいチームやなと思いましたね。

楽曲をよりドラマティックにしてくれるASPのライブ

──完成した「Get New ミライ」を改めてお聴きになって、どのように感じましたか?

増子 終盤のパートを歌うイコちゃんに、めちゃくちゃグッときました。第3期BiSが解散して「これからどうしよう」と不安を抱えていたと思うんです。そんなときにASPチームに入って、1発目となる曲「Get New ミライ」の歌詞「また負けてリベンジ勝てるまで」が彼女とすごくリンクしてる気がしたし、そのあとにCメロのラストのサビで「どうせならすぐ今じゃないと」以降をメンバーが1節ずつ歌って、ライブの演出もどんどん足されていくんですよ。新しくできた仲間たちが後ろから続々と出てくる構成になっていて、「いい歌割りといいライブの演出にしてくれたな、めっちゃよかったな」と思いました。

清水 自分が想像した以上のドラマチックな曲になったし、書いた本人のイメージを飛び超えた曲になりましたね。それってすごいことだと思うんですよ。思いのまま曲のスケールを広げて未来的な作品にできたし、ASPを通してこの曲を作れてすごくよかったなと思います。

西口 新メンバーは加入するときの映像もすごかったじゃないですか。

──森の中でメンバーが巨大な卵を見つけるんですよね。

西口 そう、めちゃくちゃ期待を煽っていましたよね。BiS時代からイコさんのことが好きだった方もいるやろうし、いろんな意味でプレッシャーもあったと思うので、新しいスタートを飾る曲を作れて光栄な気持ちです。それを自分たちのストーリーにしっかり組み込めるASPがすごいなって思いますね。

ナ前ナ以

ナ前ナ以

チッチチチーチーチー

チッチチチーチーチー

リオンタウン

リオンタウン

この先も楽しんで攻め続けてほしい

──3人が感じる今のASPの魅力を教えてください。

西口 最初の破天荒で尖った印象は変わってないですけど、AFJBに楽曲を頼むこともそうですし、最近だったらThe Prodigyのマキシムにトラック提供を依頼しているとか、常にすげえことしてるなと思いますね。やってることは尖っているけど、本人たちは人としてまっすぐに、実直に、泥臭くやってる。二面性ってわけじゃないですけど、メンバー間でしっかりコミュニケーションをとったりとか、しっかり曲を聴いたり見たりしたうえで、一歩一歩を着実に歩んでいるんやなと思います。

増子 ASPは最初からそういう印象でしたけど、最近バズってるような踊りやすくてかわいいアイドルとは全然違うベクトルやと思うんですよ。自分たちがカッコいいと思っている音楽性を追求してる。去年で言ったら、日本武道館のワンマン前に47都道府県をツアーをやって、ちっちゃいライブハウスからイオンモールの会場までどさ回りをしていて。バズってはないけど着実に動員を増やして、ファンを増やしていってるのは、俺はAge Factoryのやってきたこととちょっと重なる部分を感じるんですよね。きっとメンバーは信じてると思うんですよ。自分たちのもらった楽曲や、パフォーマンスの力を。それがカッコいいと思うし、そのまま進んでいってどんどん規模を広げてほしいと思います。

清水 僕らがASPをプロデュースできたのは、いろんなカルチャーを歩んできた者同士が重なったからやと思っていて。そういう感じでどんどん新しい自分たちの表現したいものやアーティスト像とかを、今後もアグレッシブに模索していってほしい。その姿勢ってすごい地道にも見えるし、泥臭く見えるけど、僕はそれが正解やと思う。この先もASPを通して、みんなが楽しんで攻め続けてくれたらと思いますね。

ASP

ASP

プロフィール

ASP(エーエスピー)

音楽事務所WACK所属のガールズグループ。現在のメンバーはユメカ・ナウカナ?、ナ前ナ以、モグ・ライアン、マチルダー・ツインズ、ウォンカー・ツインズ、チッチチチーチーチー、リオンタウン、イコ・ムゲンノカナタの8人。2021年3月に行われた合宿型オーディション「WACK合同オーディション2021」の最終日に覆面姿でお披露目され、5月に1stアルバム「ANAL SEX PENiS」をリリース。同月に東京・中野heavysick ZEROでお披露目ワンマンライブを開催した。その後11月の東京・LIQUIDROOM公演でナアユが脱退。入れ替わるように新メンバーとして双子の姉妹であるマチルダーとウォンカーが加入した。2022年4月にチーチー、リオンが加入。8月にシングル「Hyper Cracker」でavex traxからメジャーデビューし、東京・日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)で初のワンマンライブを行った。精力的なライブ活動を重ね、2024年春には10月8日に行う東京・日本武道館での単独公演「We are in BUDOKAN "The floor is all ours!!"」に向けて、Zeppツアー「MARCH with ROGUES to BUDOKAN」を全国5都市で行い、5月からは47都道府県ツアーを実施。10月にメジャー1stアルバム「Terminal disease of ASP」を発売した。2025年5月から全国ツアー「Acid Suspicious Parental Tour」を開催し、8月に東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)でファイナルを迎えた。9月にはグループキャリア初の海外ツアー「ASP in the UK Tour」を行い、イギリス3都市を回る。

Yohji Igarashi(ヨウジイガラシ)

プロデューサー、トラックメイカー、DJ。ラッパー・HIYADAMのメインサウンドプロデューサーを務めるほか、さまざまなアーティストへの楽曲提供やリミックスを行う。2022年3月にDaokoとのコラボレーションEP「MAD EP」をリリースし、88risingから全世界リリースされた新しい学校のリーダーズの楽曲「Pineapple Kryptonite(Yohji Igarashi Remix)」のリミックスを担当。2025年7月に勢喜遊(King Gnu)との新ユニット・勢喜遊 & Yohji Igarashi名義でシングル「Say Less」を配信リリースした。

Pecori(ペコリ)

静岡県出身。2016年に始動したヒップホップグループ・ODD Foot Worksのメンバー。多様なビートにアプローチする変幻自在なフロウ、独創的な言語感覚、ポップスセンスを併せ持つ比類なきラッパーとして注目されている。2025年7月に約3年ぶりとなるソロ曲「Gonzo」をリリースした。

Age Factory(エイジファクトリー)

清水エイスケ(Vo, G)、西口直人(B)、増子央人(Dr, Cho)からなる奈良発のロックバンド。2010年結成。2014年に現メンバーの体制になり、地元奈良を中心に精力的に活動を続ける。メンバーそれぞれのルーツを大切にしながらも、さまざまなジャンルの音楽にリスペクトを送り、吸収し、新たな楽曲を制作。メンバーが全楽曲のミックス、マスタリングを担当するなど、さまざまな目線から“ロックバンド”としての在り方を模索し続けている。2025年5月に自主レーベル・0A(ゼロエー)の設立を発表。2025年7月に6thアルバム「Sono nanika in my daze」をリリースした。