ASP「BA-BY」リリース記念!Pecori&Yohji Igarashi / Age Factoryインタビュー (3/4)

「Get New ミライ」提供アーティスト
Age Factoryインタビュー

ASPの印象「ヤバい名前の超過激派アイドル」

──Age Factoryの皆さんはJUBEEさんとのオルタナティブユニット・AFJBで、ASPが2024年にリリースしたメジャー4thシングルの表題曲「Black Nails」とカップリング曲「ジャ・パ・ニーズガール」の楽曲提供とプロデュースをされました。どういう流れでASPとお仕事をすることになったのでしょう?

清水英介(Vo, G) 以前からASPのプロデュースをしているYohji Igarashiくんから、ASPのスタッフさんを紹介されまして。当時のASPはミクスチャーサウンドを求めていたのか、僕らの音楽が皆さんの中でヒットしたらしく、声をかけていただきました。

──ASPに対してどんな印象を持っていましたか?

清水 ヤバい名前の超過激派アイドルで、曲も攻めてるし、作品ごとのテーマ性も鋭利な印象がありましたね。

西口直人(Ba, Cho) インディーズ時代にリリースされた1stアルバム「ANAL SEX PENiS」の過激なイメージが強かったんですけど、いろいろ曲を聴いてみたら、ヒップホップやクラブミュージック界隈の人とも一緒にやっていて。知れば知るほど幅が広くて、面白いグループだと思いましたね。

増子央人(Dr, Cho) 最初はよく知らなかったんですけど、楽曲も魅力的ですし、Atari Teenage RiotをパロったTシャツを出しているのとか、今のアイドルっぽくない尖ってる部分に好印象を持って好きになりました。

Age Factory

Age Factory

ライブ演奏を念頭に置かない曲作り=何をやってもいい新鮮さ

──「Black Nails」はASPとは何者かを示す名刺のような歌詞と、ハードなミクスチャーロックサウンドが印象的な楽曲で、「ジャ・パ・ニーズガール」は遊び心あふれるサウンドと歌詞が魅力的でした。

清水 もともとAFJBのために作っていた楽曲があって、それをASP用にリアレンジしたのが「Black Nails」です。この曲が持つぶっ飛べるエネルギーと、先ほど言ったASPの活動テーマに通じるものを感じて。あと、ASPのスタッフさんからは「本格的なロックを取り入れたい」と言われていて、爆発感と危うさをテーマとして求められていると感じたので、そのバイブスを表現できたらと思って作りました。「ジャ・パ・ニーズガール」は自分史上、一番ちょけた歌詞ですね。適当に書いたわけじゃなくて、ASP特有の自由度の高さを見せつつ、その中でもちゃんと前のめりな姿勢も出したいと思ったから、攻めつつもスタイリッシュにしました。

──2曲とも西口さんがミックスされたそうですが、どんなことを意識しました?

西口 Age FactoryもAFJBも自分がミックスしていて、「カッコいい音にする」という基本の姿勢は変わらないです。ただ、ASPのミックスがほかと違うのは、ライブで演奏することを念頭に置いてないのでバンドで再現できなくてもいいということ。ASPの「何をやってもいい」みたいなところが新鮮で面白かったです。ライブでこの音源をそのまま流して、歌ってもらうことを意識しました。

──完成した2曲を聴いて、どう感じましたか?

増子 英介が言ったように、「Black Nails」はAFJBでやろうとしていた曲を編曲して、ASP用に落とし込んだんですけど、まず「このオケ、イケてるやん。めっちゃカッコいい」と感動しました。もはや提供曲じゃなくて、俺らの曲にしたいぐらい(笑)。ただ、そうなるとサビの「暗闇じゃ見えない」以降の部分がAFJBで表現するには明るすぎる。でもASPの曲として考えたら、めちゃくちゃハマっていていいなと思ったし、いい意味でポップさとハードさが融合できてる感じがして。ASPならカッコよく昇華してくれるんじゃないか、と思ったら実際にうまいことできたので、大好きな1曲になりました。「ジャ・パ・ニーズガール」はライブで観てさらに好きになりましたね。

ASP

ASP

「Get New ミライ」のドラマティックさ

──今回リリースされるニューシングル「BA-BY」のカップリング曲「Get New ミライ」は、「未来は誰かに与えられるものではなく、自分たちでつかみ取るんだ」という気概とエネルギーを感じました。ASPが新体制になって一発目の楽曲という意味でも、歌詞のメッセージしかり走り出したくなるサウンドしかり、グループの状況にぴったりですね。

清水 Age Factoryで楽曲を作るときも、そのときの自分たちのタームを意識しながら制作していて。僕なりに今のASPのことを考えた結果、未来に向かって走るような曲にしたいと思ったんですよね。「GB」(ギガバイト)とか今の時代性を象徴するキーワードもあるから、この楽曲がいつか音楽カルチャーヒストリーを示す1曲になったらいいなと思います。

──疾走感がありながらも、メンバーの歌を際立たせている音のバランスも魅力的でした。演奏や音作りをするうえで大事にされたことはなんでしょう?

西口 ベースはそこまで特別なことはしてないんですけど、ミックスで意識したのはストレートなロックソングでありながら、ギターのリフレインに対してメロディや歌が乗っかる部分。ここがポップさの基盤になっているので、どうミックスするかが肝でしたね。どうしてもメロディに対して歌が被るので、そのバランスを大事に作りました。

増子 「Get New ミライ」って、サウンドにAge Factoryっぽさがあるんですよね。ドラムのリフは四つ打ちが基盤になっていて、踊れるけどちゃんとロック感もある。俺らの楽曲で言うと「Moony」に近いリズムアプローチ。その中でもライブの勢いと踊ってもらえるビート感を大事にして、それをちゃんと形にできてよかったと思います。

清水 1つのギターリフが全編を通してリフレインしているんですけど、その中でも展開があって、どんどんメロディが拡張していくのがこだわったポイントですね。メンバーの歌がいろんな方向に広がっていくけど、ちゃんと重なり合う感じも好きです。