ナタリー PowerPush - V.A.「ASOBITUNES」

聴いて遊ぼう!イベント連動型コンピレーション!ASOBISYSTEMプロデュースCD解剖

ASOBISYSTEM代表取締役 中川悠介インタビュー

カルチャーを発信したかった

──ASOBISYSTEMは今年設立5周年を迎えました。今日は中川さんにこの5年を振り返っていただきつつ、ASOBISYSTEMとはどんな会社なのか語ってもらえたらと思います。

2013年4月20、21日に東京体育館で行われた「KAWAii!! MATSURi」のフィナーレ。

今でこそマネジメントやレーベルなどやってますが、最初はクラブイベント、ファッションショーみたいなイベント制作中心でしたね。イベントも特に音楽のジャンルに特化したものではなく、その場が盛り上がって音楽があればよかったっていう発想なんですよね。そういう空間が好きだったので。で、ファッションと音楽を混ぜた形でイベントを作っていければいいなあっていうのが、ASOBISYSTEMを作ったきっかけですかね。

──おいくつのときからそう考えてたんですか?

高校生のときから会社を作りたいなとは思ってました。カルチャーを発信していきたいなって。例えばビルを建てて、1階がライブハウスで地下をクラブにして、3階は美容室で4階はカフェで、とか。そういうの考えるのがすごい好きだったんで、それがまとめて1つのカルチャーになっていくようなイメージはずっと考えてました。

──それならASOBISYSTEMという社名も納得できますね。音楽に限らずいろんな“遊び”を組み合わせたカルチャーを作りたかった。

そうですね。ずっと思っていました。でも最初の3年くらいはずっと厳しい状態でした。イベント以外のことも、頼まれたらとりあえずなんでもやってましたね。

──そこから軌道に乗り出したなって思ったのは、いつ頃、どんな出来事があってからですか?

やっぱりきゃりーのデビューによって「原宿系」「青文字系」っていう言葉が認知されていったのはすごく大きいのかな。それまでも青文字系って言葉はずっとあったし、原宿系のモデルは使ってはいたんですけど、やっぱり認知されなかった……というより認められなかったって言ったほうが正しいのかな。青文字系の雑誌もずっとあるし、そこにファンもいるけど、ファン以外の人たちにそういうカルチャーを知ってもらえる機会が少なかった。それまでって若者=渋谷系だったじゃないですか。サラリーマンの人とか家でテレビ見てる主婦とかは、渋谷に集まる人たちが若者の中心だと思ってたと思うんですね。そこできゃりーの広がりによって、こういうのが好きな子たちもたくさんいるんだって知ってもらえたのが一番大きかったのかなと思います。

原宿系の若い子たちとの共通言語

──そもそも「原宿系」に目を付けたきっかけはなんですか?

ASOBISYSTEM所属モデル・ゆら。

僕は原宿系の子たちや読者モデルと一緒に、服飾系の学生のファッションショーをやっていました。そういう子たちとしゃべってると、個性もあってすごく面白いんですよね。その子たちと共通の言語を持ってないとうまく付き合っていけないんだろうなっていうのは感じていたんです。

──確かに10~20代前半の女の子にとっては、大人がすごく上の存在に見えるし、何を話したらいいんだろうって思いますからね。

その点、僕は当時同年代だったし、彼女たちと同じ目線でしゃべれたんですよ。音楽もそうだと思うんですけど、わかろうとして無理やり聴く必要ってなくて、自然と理解することが大事だと思うんですよね。原宿系の子たちがいて、そこで会話してるうちにちゃんと理解できるようになった。その子たちのいいところ、悪いところがわかってきたっていうか。だから、そこにカルチャーを感じたし、人も集まってるし、もっともっとマーケットが広がっていくんじゃないかなと思ってたんですよね。会社の方向として決めた理由のあと1つは、基本的に昔から人がやってるとこに行くのが好きじゃないタイプなんで。自分らでゼロから作っていきたかったからです。

学生ファッションショーにcapsuleの曲

──中田ヤスタカさんとの出会いは?

中田ヤスタカ(CAPSULE)

中田くんは僕がやってたクラブイベントに遊びに来てもらったりしてて、もともとすごく波長が合ってずっと遊んでたんです。僕はASOBISYSTEMを作る前に古着屋で働いてたんですけど、その古着屋にもよく自転車で遊びに来てて、夜終わったらメシ食いに行って。安い焼肉屋に超入り浸ってました(笑)。

──ビジネスライクではなく友人関係から始まったとはいえ、やはりサウンドクリエイターとしてすごいなと思ってる部分もありましたか?

もちろんそれはあります。当時「5iVE STAR」っていう学生のファッションショーのイベントを手がけてて、そこで使われてる音楽がけっこう似てたんですよ。それが全部capsuleの曲だったんですよね。ちなみに本人もイベント観に来て「あ、capsuleの曲だ」ってなってたりとか。つまり、若い子たちが自分たちの見せたい世界観があるときに使う音楽ってすごく大事で、その発信する基地にcapsuleがいた。それで驚いたのを覚えてます。

──驚いたんですか。

「みんなちゃんと聴いて選んでるんだな」って。カルチャーってこうやって自然発生するもので、狙うものじゃないと思うんですよね。嘘偽りなく、いろんな人たちが「いい」って言ってるパワーが、カルチャーが広がっていく中心の核だと思いました。

V.A.「ASOBITUNES」2013年7月31日発売 / 2730円 / unBORDE / WPCL-11225
V.A.「ASOBITUNES」
収録曲
  1. Rainbow / capsule
  2. 熱帯夜 -Yasutaka Nakata (capsule) Remix- / RIP SLYME
  3. PONPONPON -extended mix- / きゃりーぱみゅぱみゅ
  4. カルテル(amigo edit)/ アスタラビスタ
  5. SECRET ADVENTURE / MEG
  6. JUICY JUICY -Teki Latex Remix- / Una
  7. sign / livetune adding Yun*chi
  8. GALAXY / RAM RIDER
  9. MIDNIGHT SEVENSTARS / DEXPISTOLS
  10. ERUPTION / THE LOWBROWS
  11. RED STAR / 80KIDZ
  12. SAX@ARENA / DAISHI DANCE×SHINJI TAKEDA
  13. Keep Love Together feat.The BIG ROOM Family a.k.a Mika Arisaka & Ryohei with SAWA, Mika Sawabe / Kentaro Takizawa
  14. Lotta Love / m-flo ▼ MINMI/(※▼はハートマーク)
  15. Without You / FPM
「ASOBITUNES」×「ASOBITUNES RELEASE TOUR」連動キャンペーン
ツアー来場者にもれなく「ASOBITUNES オリジナル缶バッジ」と「ワンドリンクチケット」をプレゼントする引き換え券をCDに封入!!
引換方法:11月8日まで開催される全国の「ASOBITUNES RELEASE TOUR」各公演に「ASOBITUNES」の初回プレス分に封入されている引き換え券をお持ちください。各引き換え券1枚につき「ASOBITUNES オリジナル缶バッジ」1つ、「ワンドリンクチケット」1枚と交換できます。
「ASOBITUNES」リリース記念プレゼントキャンペーン

V.A.「ASOBITUNES」

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対象賞品:中田ヤスタカ(CAPSULE)デザインTシャツ 185名 / きゃりーぱみゅぱみゅ デザインTシャツ 185名 / RAM RIDER デザインTシャツ 185名
※Tシャツのデザイン・仕様は予告なく変更となる場合があります。
ASOBISYSTEM(あそびしすてむ)

プロモーション事業、イベント事業、マネジメント事業、クリエイティブ制作事業を行う株式会社。2007年6月設立。日本独自の文化である“原宿カルチャー”に焦点を当て、ファッション、音楽、ライフスタイルといった原宿の街が生み出すコンテンツをサポートして成長させ、国内はもとより世界に向けて発信するための活動をしている。現在、アーティストとしてCAPSULE、きゃりーぱみゅぱみゅ、RAM RIDER、Yun*chi、TEMPURA KIDZら、モデルとして武智志穂、池田泉、青柳文子、瀬戸あゆみらが所属している。