ナタリー PowerPush - the ARROWS

穏やかで美しい10曲が示す5人の新たな世界観

バンドとして新しいことをどんどんやりたい

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——その中で俊司さんがボーカルを取っている「灯 [tou] 」が入ったいきさつは、どんな感じだったんですか?

俊司 もともと趣味として、家で1人で曲を作っていたんです。でも自分の中で頑なに「この曲はバンドでやる曲じゃない」みたいに思っていて。で、一昨年あたりの自分たちのイベントで弾き語りをやる機会があったときに、ゲストで出演してたオオヤさんがそれを観てくれたんですよ。そうしてアルバムを一緒に作ることになったときに「曲作ってるんだったら、1回全部聴かせてくれ」って言われて、「この曲アルバムに入れようよ、俊司が歌って」ってことになったんです。最初はびっくりしたんですけど「メンバーなんだから普通じゃない。それに俊司が歌えば竜二の歌も、より引き立つから」って説得されて。

竜二 俊司はボーカリストとして歌うっていうより、曲の中のひとつの音として歌うようなやり方だったんで。また僕とは違ってて面白かったですね。

俊司 アルバムの中でいいアクセントになったかなと今は思ってます。あと、「からだのV」も僕と竜二で一緒に曲を作ったりしてて、バンドとして新しいことをどんどんやりたいっていう部分がすごく出せたと思います。

——もうライブで新曲をやってますけど、お客さんの反応とかどうですか?

俊司 まだそんなに実感はないけど、今度のレコ発ライブあたりからリアクションも増えてくるのかなと思って楽しみにしてますね。

山内 みんなちゃんと聴いてくれてるなって感じはあります。今までの曲と混じっても違和感ないし、ライブでもイケてると思います。

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このアルバムがなかったらちょっと危なかったかな

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——新曲をやってることでライブの雰囲気も若干変わりましたし、あと鵜飼さんが戻ってから、バンドがギアチェンジしたような空気を感じるんですが。そのへんはどうですか?

竜二 なんだかすごくやりやすくなったよね。メンバーだから練習を重ねられるっていうのは当然あるんですけど、今までサポートしてくれたミュージシャンに「あのブレイクの後で、テンポがずれてるのになんでみんな同時に入れるの?」とかそういうことをよく訊かれて。

キャンディ 同級生ならではのタイミングみたいなものがありますね。

——鵜飼さんはいかがですか?バンドに復帰してライブを重ねてみて。

鵜飼 僕がいない時期の曲は僕にとって全部新曲なので(笑)、それをライブでやれるようになるっていうのはすごく大変なことだったんですよ。だから毎日が怒涛の日々だったんですけども、キャンディと2人で個人練習を積み重ねていって、ようやく安定してきたなと感じてます。

キャンディ いろいろ悩まなくなった雰囲気はあるよね。

竜二 グダグダ言う前に練習するって感じだもんね。

——レコ発ライブもすごく楽しみですね。

山内 いろいろな企画も考えてますし、「アロイ」の曲も昔の曲もどんどんやる予定です。アルバムとはまた違った形でガッツリしたものを見せられると思いますよ。

——でも本当に、この先の新しいアロウズが見えるアルバムができて、ライブもすごくいい感じなので、リスナーとしても楽しみですよ。

竜二 僕がいろいろ言わなくても、みんなが作ってきたものでこんなに音が広がるってことが経験できたのは大きいですね。僕もみんなも「バンドとしてこの曲をどうするか」みたいな意識が芽生えてきましたね。「アロイ」を作るまでバンドの今後が見えない部分もわりとあったので、このアルバムがなかったらちょっと危なかったかな、って思うこともあります。

山内 マスタリングが終わった頃にオオヤさんと飲みに行って、そのとき「これからの基準になるものが今回作れたから、あとは前に行くだけだ」っていう話をしてもらって。この先に繋がる、未来のあるものができたんで、もう「次はどうするか」っていうのを考え始めてます。アルバムとライブで、新しいアロウズを楽しんでもらいたいですね。

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ニューアルバム『アロイ』 / 2009年2月18日発売 / 2520円(税込) / PCCA-2855 / PONY CANYON

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CD収録曲
  1. ABCD
  2. 夜明けのRhapsody
  3. すきなひと
  4. W.O.O.D.P.E.C.K.E.R
  5. からだのV
  6. 女の謎
  7. 灯 [tou]
  8. 繋がりながら僕らは
  9. 君と幾年
  10. 15 years
LIVE INFOMATION
the ARROWS presents アルバム発売記念ライブ「アロい四感」
アロい四感~予感A
2009/02/16(月)下北沢CLUB Que
出演:the ARROWS/POMERANIANS
OPEN 18:30 / START 19:00
アロい四感~予感B
2009/02/17(火)下北沢CLUB Que
出演:the ARROWS/LEO今井
OPEN 18:30 / START 19:00
アロい四感~予感C
2009/02/23(月)名古屋TOKUZO
出演:the ARROWS/アナログフィッシュ
ゲスト:オオヤユウスケ
OPEN 18:00 / START 19:00
アロい四感~予感D
2009/02/25(水)名古屋TOKUZO
出演:the ARROWS/セカイイチ
ゲスト:オオヤユウスケ
OPEN 18:00 / START 19:00
前売り ¥2,800(D代別)
当日 ¥3,300(D代別)
the ARROWS(あろうず)

1999年名古屋で結成。インディーズで発表した3枚のアルバムが話題を集め、2006年にポニーキャニオンよりシングル「ナイトコール」でメジャーデビューを果たす。ポップさとノスタルジーを合わせ持つメロディライン、ダンサブルなグルーヴで注目を浴び、精力的なライブ活動や全国各地の夏フェス・イベントでの活躍を通じて人気を獲得。2007年に発表したフルアルバム「GUIDANCE FOR LOVERS」では“踊れて泣けるロックバンド”としての集大成を提示した。2008年、結成当初のメンバーだった鵜飼孝治(Dr)が復活再加入。バンドとしての結束をますます固いものにし、ダンスチューンにとどまらない幅広い音楽性を開拓し続けている。