4月6日に放送がスタートしたテレビアニメ「この音とまれ!」。そのオープニングテーマとなる蒼井翔太の「Tone」が4月10日に、エンディングテーマとなる内田雄馬の「Speechless」が5月8日にそれぞれシングルとしてリリースされる。
共にキングレコードに所属するレーベルメイトである2人が、声優としてのみならず、アーティストとして「この音とまれ!」の世界を彩ることを記念し、音楽ナタリーでは蒼井と内田による対談を実施。尊敬し合う2人がお互いに抱いている印象や新曲についての感想、レコーディングに込めた思いなど、笑いが絶えない和やかな雰囲気の中たっぷりと語り合ってもらった。
取材・文 / もりひでゆき 撮影 / 映美
新しく弟ができる!
蒼井翔太 ゆーまんはね、キングレコードのブラックタイガーなんですよ!(誇らしげに)
内田雄馬 えっ、エビですか!?
蒼井 あれ? なんだっけ……あ、ダークホース! キングレコードのダークホースなんですよ!
内田 全然違いましたね(笑)。ブラックタイガーと呼んでいただいても大丈夫ですよ!
蒼井 キングレコードのホープで宝物なんです!
──あははは(笑)。お二人は撮影中からずっと仲のいい雰囲気でしたけど、出会いはいつ頃だったんですか?
蒼井 最初の出会いは、声優として作品で一緒に仕事をしたときだよね。
内田 そうですね。最初にお会いしたのは「うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEレボリューションズ」の収録現場でした。
蒼井 そのあとに1回、先輩方も含めて一緒にごはんに行ったよね。基本的には現場でちょこちょこ会って話す感じかな。でも、僕らはレーベルメイトだから、キングレコードを共に盛り上げていく仲間としての絆はけっこうあるような気がしているんです。
内田 そう思っていただけているのはありがたいです。僕が「NEW WORLD」(2018年5月発売の1stシングル)を出したときも蒼井さんは「聴いたよ。デビューおめでとう!」と言ってくださって。本当にうれしかったんですよ。
蒼井 言わずにはいられないですよ。レーベルメイトは家族でもあるので、僕は勝手に「新しく弟ができる!」とワクワクしていましたから。
先輩方と並んで歩いていきたい
──お互いにどんな印象を抱いていますか?
蒼井 かわいい! 役柄ではカッコよくて頼りがいのある演技もしているけど、ゆーまん自身はかわいい弟キャラだと思うんですよね。なんでもあげたくなっちゃう。飴とか(笑)。
内田 確かに最近は自分がそういうキャラなんだということを自覚してきているところもあるんです(笑)。もちろん場面によって考えますけど、迷ったときは甘えてみたりすることもありますね。
蒼井 それでいいと思うよ。あまり意識しすぎると動けなくなって、ゆーまんじゃなくなっちゃう気がする。あと歌に関して言うと、ものすごくクリアな声を持っているなと思う。演技してる声とはまた違ったイメージがあるんですよね。
内田 そこに関しては僕も蒼井さんに同じことを感じていました。僕は蒼井さんに対して最初、柔らかい雰囲気の方だなという印象を持っていたんですよ。もちろんそういう部分は実際にあるんです。でも、一方ではけっこう兄貴肌なところもあって。後輩に対して優しく接してくれるし、細かい部分まですごくよく見てくださっている。しかもライブでは突然衝動的に激しいパフォーマンスを見せたり。それがすごくカッコいいんですよ。そういう蒼井さんの多面性に僕は魅力を感じます。ご本人を目の前にしてこんなことを言うのは恥ずかしいんですけど。
蒼井 すごくうれしい! 僕の場合、みんなといるときはその場の空気を楽しんでいる感じなんですけど、ソロでステージに立つと、急に爆発するんです(笑)。
内田 しかもその爆発がダイナマイト級という……! ホントにすごいなといつも思っています。
──アーティストとしても刺激を受け合う部分がたくさんありそうですね。
蒼井 もちろんそれはあります。ゆーまんがコンスタントにCDをリリースしている姿は純粋にすごいなと思うんですよ。それは実力でもあるし、周囲からの大きな期待の表れでもありますから。でも、ライバルみたいな感覚はないんですよね。どちらかと言うと、ゆーまんがこういう曲を出してきた、じゃあ僕はどんな曲を作ろうかと考えるかな。レーベル全体がブーケみたいなものだとすると、自分はほかの方とは違ったお花でありたい。そういう意味でゆーまんの活動は参考にも、刺激にもなります。単純に歌声が心地いいから好きというのもあるんですけどね。
内田 うれしいです。同じレーベルに蒼井さんのような多面性を持った方が存在しているから、自分にしかできないことを見つけるのは大変で。だからこそ自分なりの一点を見つけて、蒼井さんを含めた先輩方と並んで歩いていきたいという気持ちもより強くなりますね。そういう意味でも、蒼井さんの存在はすごく大きいです。
次のページ »
今の自分の根底にあるルーツ