ナタリー PowerPush - フジファブリック×アオハライド
新曲「ブルー」に込めた青春
今の子たちって気軽にハグとかしてんのかな?
──先ほど監督はモノローグを控えめにするとおっしゃっていましたが、ほかにもアニメならではの表現があったりもしますか?
吉村 今回はわりと実写のドラマっぽい、映画っぽい作りを意識してるところもありますね。アニメではなかなか使い勝手が難しい挿入歌を使うことに挑戦しているのもそうですし。もちろんアニメらしいシーンもあります。
──具体的にはカット割りなどでそういう違いを演出する感じですか?
吉村 空気感を大事にする感じですかね。そもそも原作からしてすごくドラマっぽい描かれ方をしているので、それをより突き詰めるというか。例えば、少女マンガでは画面の中にオーブみたいなものがポンポンと出てきたりっていう表現があるんですよ。
──コマが花で装飾されたり。
吉村 そうそう。今回はそういうのはやめて、もっと実写っぽい処理をしようかなっていう考えなんですよね。本当にリアルに青春している物語なので。なるべく違和感がないようにそういう挑戦をしてはいますけど、どう受け取ってもらえるかが気になるところではありますね。
山内 早く放送が見たいなあ。そのリアルな感じがどう表現されているかがすごく楽しみ。でも、この作品の男子って簡単に女子に触れるよね。足をケガしたらおんぶしてあげるとか。僕なんかは「え、この歳で?」とか思っちゃうんですけど、これが今のリアルなんですかね?(笑)
金澤 高校時代、そんなに触れたことなんてなかったもんね。
山内 ないないない。女子のことが気になってしゃーないんだけど、触れることなんてできないっていう。今の子たちって気軽にハグとかしてんのかな?
吉村 あはははは(笑)。そういう近い距離感みたいな部分もこの作品の特徴ではありますよね。実際できるかどうかは別にして、そういう距離に女子はキュンキュンすると思うので。スタッフは年齢層が高いのでシナリオ会議のときには「近い近い!」みたいなリアクションをしてますけど(笑)、今の中高生には自然と受け入れられるんでしょうね。
──「アオハライド」という作品を通してよみがえった、皆さんの甘酸っぱいエピソードはぜひ聞きたいですけどね。
金澤 あ、僕はありますよ。学生のときに僕のことが好きだっていう女子がいて、興味本位で付き合ったんですけど、1カ月後になぜか僕がフラれるっていう。そういうことが2回連続であったときに、「あ、これが青春なのか」と。青春って痛いんだなって認識しましたね(笑)。
山内 加藤さんもそういうエピソードあったよね。好きな人がかぶったっていう。
加藤 ありましたね。友達と同じ女の子を好きになったことがあったんですけど、僕は諦めたっていう。
金澤 まさに「アオハライド」じゃん! いいやつじゃん!
加藤 でも夏休みが終わったら、その女の子は僕の友人じゃない別の人と付き合ってたっていう。
山内 猛者ですね。その子は(笑)。
──監督はどうですか?
吉村 いやもう全然普通な感じですよ。「校庭にいるサッカー部の先輩、カッコいい!」みたいな。「アオハライド」みたいな素敵な思い出はあまりないです。そういう意味では、この作品の登場人物はかなりのリア充ですよね。単純にうらやましいっていう(笑)。
金澤 ほんとにこの作品に出てくるのはみんな美男美女だし、いい子たちですからねえ(笑)。
絵がすごくきれいなので、そこを楽しみに
──ちなみに登場人物では特に誰に惹かれます?
山内 フジファブリックのスタッフ全員に聞いたところ、修子人気が高いですね。女性のスタッフが多いからかもしれないですけど。
加藤 修子さん、いいですよね。僕も好きです。
吉村 私は悠里ですね。ああ見えて我が強いというか、自分というものをしっかり持ってるところがすごくいいなと。双葉のライバルキャラではあるので嫌われやすいところだとは思うんですけど、私はすごく好きです。
──では最後に、アニメ「アオハライド」を楽しみにしている人たちに向けてメッセージをお願いします。
吉村 原作のよさをそのままにお届けできればと思いがんばって作っています。登場人物たちの青春感を、エンディングテーマも含めて楽しんでいただければありがたいです。
山内 絵がすごくきれいなアニメになっているので、僕はそこを楽しみに毎回観たいと思っています。そして、皆さんにはエンディングの「ブルー」でぜひとも余韻に浸っていただければと。
加藤 うん。「ブルー」という楽曲で、「アオハライド」の毎話、毎話に寄り添えればうれしいですよね。
金澤 きっとアニメ本編の内容によって曲の聞こえ方が変わってくるところもあると思うので、そういう部分を味わっていただきたいですね。あとはもう登場人物みんながいい子だよっていうことにつきますね。
加藤 今日はそこ推しなのね(笑)。
金澤 はい。女子はもちろん、男子が見ても全然楽しめるので、ぜひ。
- ニューシングル「ブルー / WIRED」/ 2014年7月30日発売 / Sony Music Associated Records
- 初回限定盤[CD+DVD] 1728円 / AICL-2708~9
- 通常盤[CD] 1296円 / AICL-2710
- 期間生産限定盤[CD] 1404円 / AICL-2711
CD収録曲
- ブルー
- WIRED
- ホーランド・ロップ
- ブルー(TV edit)(期間生産限定盤のみ収録)
初回限定盤DVD収録内容
- LIFE
- バタアシParty Night
- Surfer King(with TOKYO SKA PARADISE ORCHESTRA)
- TOKYO MX:7月7日より毎週月曜24:00~
- MBS:7月7日より毎週月曜26:35~
- BS11:7月8日より毎週火曜24:30~
- TUT:7月19日より毎週土曜25:53~
- GyaO!:7月8日より毎週火曜25:00~
- ニコニコ生放送:7月16日より毎週水曜22:30~
キャスト
内田真礼(吉岡双葉役)、梶 裕貴(馬渕 洸役)、茅野愛衣(槙田悠里役)、小松未可子(村尾修子役)、KENN(小湊亜耶役)、平川大輔(田中陽一役)ほか
スタッフ
- 原作:咲坂伊緒(集英社「別冊マーガレット」連載)
- 監督:吉村愛
- 脚本:金春智子、山田由香、平見瞠
- キャラクターデザイン:井川麗奈
- 美術監督:金子雄司
- 美術設定:イノセユキエ
- 色彩設計:広瀬いづみ
- 撮影監督:松本幸子
- 編集:濱宇津妙子
- 音響監督:長崎行男
- 音楽:堤博明・大嵜慶子・橋本翔太
- アニメーション制作:Production I.G
- 製作:アニメ「アオハライド」製作委員会
- オープニングテーマ:CHiCO with HoneyWorks「世界は恋に落ちている」
- エンディングテーマ:フジファブリック「ブルー」
- 挿入歌:Chelsy「I will」
フジファブリック
志村正彦(Vo, G)を中心に2000年に結成されたロックバンド。都内を拠点に活動を開始し、2002年にミニアルバム「アラカルト」をリリース。そのユニークなサウンドと捻りの利いたアレンジ、志村の綴る独特の歌詞が注目を集める。2004年4月にシングル「桜の季節」でメジャーデビュー。「フジファブリック」「FAB FOX」「TEENAGER」といったアルバムがいずれも高い評価を受け、2009年発売の4thアルバム「CHRONICLE」でさらに支持を拡大するも、同年12月24日に志村が急死。バンドは山内総一郎(Vo, G)、金澤ダイスケ(Key)、加藤慎一(B)の3人でその活動を継続し、2011年9月に新体制で初となるアルバム「STAR」をリリース。その後2012年発売の「徒然モノクローム / 流線形」「Light Flight」、2013年の「Small World」という3枚のシングルを経て、3月にニューアルバム「VOYAGER」を発表した。2013年10月にはダンスロックをテーマにした4曲入りCD「FAB STEP」で新境地を開拓した。デビュー10周年を迎えた2014年は、2月に発表されたシングル「LIFE」を皮切りに、「FAB BOX II」「FAB LIVE II」という映像作品を連続リリース。