ano×TAKU INOUEインタビュー|ソロデビューから日本武道館まで、5年で育まれた2人の信頼と成長 (2/4)

2人が印象に残っているanoのライブは

──では、印象に残っているライブはどうでしょうか?

TAKU ハリウッドザコシショウさんのライブのあとにやったことがあったよね。

ano めっちゃ最初の頃だ。「あのちゃんねる」の番組企画で「あ、無の無」っていうイベントをやって、芸人さんたちがライブをしたあとに僕が最後にライブをやるっていう(参照:あのちゃんねるイベントでano念願の有観客ライブ)。

TAKU ザコシさんのショーがすごく面白かったんですよ。そこにあのちゃんも参加して2人で掛け合いをして、めちゃくちゃ笑ってたらその直後にあのちゃんのライブが始まって。切り替えがすごくてプロだなと思った。あとは去年の大阪の「SUMMER SONIC」。ステージに直射日光がガンガン当たってて。バンドメンバーはまだ日陰があったんですけど、あのちゃんは暑い中で縦横無尽に暴れてたから、終わると同時にステージ脇に倒れこんじゃって。

ano 大阪のサマソニはめちゃくちゃ暑かった。気温が高いだけじゃなくて太陽との真っ向勝負だったから、頭が回らなくなって本当に余裕がなかった。あの日、ちょうどTAKUさんの誕生日だったんですよね。

TAKU そうでした。

ano それでみんなでお祝いしたの覚えてる。

TAKU しかもそのあとすぐ東京に戻って、テレビ局にみんなで直行して音楽番組の収録したんですよ。

ano サマソニの会場から車で新大阪駅に向かったけど道が混んでて、「ヤバい、間に合わない」って途中で車を降りて走って、なんとかギリギリ新幹線に間に合ったんですよね。

TAKU 「あのちゃんっていつもこんな生活してるのか。すげえな」って思いながら走ってました(笑)。

TAKU INOUE

TAKU INOUE

──ここ最近のライブを観ていて、明らかにバンドの演奏がよくなっていると感じたんですが、その感覚は本人たちの中にもありますか?

ano フェスにいっぱい出て経験を積んだことで、いろいろ学べたのはあると思う。あとシンプルに、最初の頃よりもコミュニケーションが増えました。ライブが終わってから「あの曲はもっとこうしたかったね」みたいなことを話し合ったり。一緒にステージを作ってる意識が強くなってるから、どんどん質が高くなってるのを感じます。ほかのバンドメンバーもそうなのかな……?って思いながら。

TAKU やっぱり日々成長できてるかなと思いますよ。ほかのバンドのライブを観てるといつも圧倒されちゃうけど、まだまだ伸びしろあるなと思いますし、今はいい流れに乗れてる気がします。

──バンドメンバーをやっていて楽しいですか?

TAKU めっちゃ楽しいですよ。楽しくなかったらやってないです。だってスケジュールはけっこう大変なんで(笑)。

2人がこれからanoの曲でやってみたいことは

──長く一緒に音楽を作ってきて、お二人はお互いのことをどんなアーティストだと評価していますか?

ano なんでもできるオールマイティな人だから、いてくれたら安心します。あとは、誰に対しても接し方が同じ。それが僕にとってはすごくよくて。人によって態度を変える人っているじゃないですか。そういうのがまったくないから、TAKUさんは嫌いな人とかいるのかな?って思う。

TAKU めっちゃいる(笑)。

ano いるんだろうけど、それを感じない。僕は嫌いな人は嫌いだからしゃべんないし、かといって好きな人とも全然しゃべれないんだけど、TAKUさんは誰が相手でもずっと一定。波風を立てることがない。

TAKU よく言われます(笑)。

ano その安定感が仕事にも出てるんだと思う。何を投げてもしっかり打ち返してくれるし。

TAKU あのちゃんについて言うと、こういう人はほかにいないですよね。このロックな音楽性をまっすぐやってる人もあんまりいないし、ほかの仕事もやりつつというのも珍しいし。さっきも言いましたけど、作詞作曲のスキルが年々めちゃくちゃ高くなってるんですよ。今回リリースされる新曲もこの間レコーディングのときに初めて聴いて「すげえな、詩人じゃん」って思ったし、これからどんなアウトプットがあるのか、単純に楽しみっすね。

左からano、TAKU INOUE。

左からano、TAKU INOUE。

ano そうやってTAKUさんがいいって言ってくれると「これでいいんだ」って思えるから、いいと思ったら言ってほしいな。

TAKU わかりました(笑)。

──ちなみにギタリストとしての視点で、ギターを弾くあのさんをTAKUさんはどう見ています?

TAKU ギターもどんどんうまくなってるので、このまま演奏のバリエーションを増やしてくれたら僕は楽になりそうです(笑)。「この世界に二人だけ」のイントロは最初、当然自分が弾くんだろうと思ってたんですよ。あれ、弾いててめっちゃ気持ちいいし、ワクワクしながらスタジオに行ったんだけど、あのちゃんが弾くことになり。このフレーズも普通に弾きこなしてますからね、すごいですよ。

──これから先、anoの曲でこんなことやってみたいというのはありますか?

TAKU あのちゃんはデスボイスがすげえうまいなと思ってて。「骨バキ☆ゆうぐれダイアリー」にはボーカルディレクションにだけ関わったんですけど、途中のグロウルは、別に僕がお願いしたわけじゃないんですよ。デモの段階から自発的にやっていて、それがすごくカッコよかった。レコーディングが終わったあとに「これ専門のバンドを始めたほうがいいんじゃない?」って提案したくらい(笑)。「絶絶絶絶対聖域」でもやっているけど、あれはもっとフィーチャーしてほしいなと思います。

ano 僕もデスボイスを使った曲をもっと増やしたいなと思ってた。やっててなんか気持ちいいし。ちょっと喉に負担かかるから、そういう曲ばっかりだとライブが大変かもだけど。

TAKU でも、なんの準備もなくいきなりあの声が出るのはすごいよ。

ano できるようになろうとしてできたわけじゃなかったから、これは本当に生まれ持ったものだし、せっかくなのでそれを生かせる曲をいっぱい作りたいです。あとは、「Bubble Me Face」みたいな曲って歌ってても楽しいし、フロアで聴いてても絶対に超楽しいと思うんですけど、僕だけでは作れないので、そういう曲をTAKUさんといっぱい作りたい。曲数が増えてきてセトリを考えるのが難しくなってきたけど、自分が歌ってて楽しい曲はもっと増やしたいです。

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