音楽ナタリー Power Push - angela

ノーメッセージな祭りソングに込めた“らしさ”

angelaが前作「ONE WAY」以来、1年3カ月ぶりとなるアルバム「LOVE & CARNIVAL」をリリースした。

アルバムはアニメ「シドニアの騎士 第九惑星戦役」のオープニングテーマ「騎士行進曲」や「蒼穹のファフナー EXODUS」第2クールのオープニングテーマ「DEAD OR ALIVE」といった既発曲に、「Come on」「是、夏祭り」「Jump up!」「EIEIO」「That's Halloween」という5曲の新曲、中川翔子への提供曲「ストーリーが始まる」のセルフカバーバージョンを加えた12曲を収録。タイトル通り「愛」と「祭り」をテーマに、EDMや和モノ、さらにはスパニッシュなナンバーまで、実にバラエティに富んだ作品が並んでいる。

アルバム用に制作した新曲「Come on」では“5分で書いたような歌詞”を目指したというangela。アニメのテーマ曲ではヘヴィな楽曲を得意とするangelaが、このアルバムでは何を表現しようとしたのか。2人に話を聞いた。

取材 / 成松哲 文 / 丸澤嘉明

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やっぱり愛は大事だろう

──atsukoさんもMCで「面白すぎて泣けてきた」と言っていましたが、5月に河口湖ステラシアターで行われたライブ、すごく楽しかったです(参照:面白すぎて涙が出てきた!angela、河口湖畔を圧倒的幸福感で覆った13周年ライブ)。

5月に山梨・河口湖ステラシアターで開催した「デビュー13周年記念☆拡大版『全部が主題歌ライヴ!!』」公演の様子。

KATSU(G, Key) 野外だったからですかね。単独で野外でやったことあったっけ?

atsuko(Vo) ライブとしては初めてですね。

──atsukoさんは以前、テーマがヘヴィだったりシリアスだったりするアニメのタイアップだと、おのずと紡ぐ音もそうなりがちだと言っていましたよね。ライブではそういう楽曲が立て続けに披露されたけどおどろおどろしさはなくて、むしろ爽快感と抜けのよさがあって。

atsuko そうですね。おどろおどろしい曲をすごい笑顔で歌ってしまう空気感のライブでしたね。

──そういうふうにしようと思ったわけではなく、お二人も会場のムードにつられてそうなった?

atsuko 楽しくなっちゃったんですよね。曲の持っている雰囲気や歌詞とは裏腹に(笑)。

──そのライブに続く展開が今回の「LOVE & CARNIVAL」というアルバムですよね。“愛と祝祭”というアッパーなタイトルを見たときに、河口湖ライブのテンションで作られたのかなと思ったんですが、このコンセプトはどこから出てきたんでしょう?

atsuko アルバムに入る既発曲が少なくて、新曲をたくさん作らなければいけなかったので、テーマがあったほうが作りやすいだろうという話になりまして。それで、河口湖ライブの印象もあって私が「祭りがいいと思う」って主張したんですよ。それにみんなが賛同して、そしたらプロデューサーが「そして愛ですよ」って付け加えてきて(笑)。

──やっぱ愛だと(笑)。

atsuko アニソンに対する愛とか、ファンの皆さんに対する愛だとか、そういうことも含めてやっぱり愛は大事だろうと。それで仮タイトルは「『愛と祭り』だから『LOVE & CARNIVAL』だね」って言って進んでいたんですけど、最終的にタイトルを決めるときにそのまま生かすことにしました。下手に言葉を変えてカッコよく見せようとするより、このコンセプトで作ってきたんだからそのままさらけ出せばいいんじゃないかっていう話になって。

──atsukoさんが祭りだって主張して、プロデューサーさんが愛だって言い出したときに、KATSUさん的にいかがだったんですか?

KATSU 実は僕も祭りの要素っていうのは河口湖あたりからすごく意識していて、祭りに関していろいろ調べていたんですよ。祭りって浴衣着てにぎやかで楽しい夏祭りがパッと思い浮かぶと思うんですけど、世界中の祭りを見てみるとけっこうダークなものもあって。山で狼煙を上げる雨乞いの祭りがあったり、ハロウィンももとは収穫祭だったりして、掘れば掘るほど深くて面白いなと思っていたんですよね。そういう祭りを寄せ集めたアルバムっていうのはangelaらしくて面白いなって思いましたね。

各地のお祭りとangelaを混ぜてみたかった

angela「LOVE & CARNIVAL」初回限定盤ジャケット

──そもそもatsukoさんはなぜ祭りっていうアイデアが浮かんだんですか?

atsuko 単純に和モノに興味があったんですよね。ジャケット写真は奈良のお寺で撮ったんですが、今回はそういうイメージでいきたいねっていう話はわりと早い段階でデザイナーさんとしていて。それで「是、夏祭り」が新しくでき上がったんですけど、サウンド的にはKATSUさんが三線を弾いていたり、沖縄とかいろんな地域の祭りの掛け声が入っていたり、そこはわりと自由な感じで。そういう祭りの空気感とangelaをミックスしたらどういうものが生まれるんだろうっていうのを楽しみたかったんです。

──では創作の原点はわりとパーソナルな動機、angelaと何かを混ぜてみたかった?

atsuko そうですね。アニメの主題歌とかだとある程度方向性が似てきてしまうけど、アルバムの曲は自由度が高いので。じゃあそこで何ができるだろうと思って、各地の祭りとangelaを混ぜてみたら面白いんじゃないかって。なかなか楽しかったですよ。KATSUさんもノリノリだったし(笑)。

KATSU なんかホント、ここまでやっていいのかなっていう(笑)。angelaのことをあまり知らない人たちはやっぱり「蒼穹のファフナー」とか「シドニアの騎士」のテーマ曲みたいな、ちょっと暗くて攻撃的なイメージがangelaに対してあると思うんですよね。それだけじゃないっていうのを今回のアルバムで見せたくて。そういう意味ではインディーズの頃やってたような悪ノリ感でやれた気がしますね。

──正直、不安はなかったですか? 例えば今までなんとなくangelaのことを知っていて今回初めてアルバムを買った人が「Come on」や「是、夏祭り」を聴いたら「あれ? こんなグループだったんだ?」って誤解しかねないぐらい振り切ってますよね。

KATSU 出てきた結論としては、これはやり切ったほうが面白いなっていうことで。確かにangelaのイメージを持ってる人がこれを聴いたら「え?」と思うかもしれないですけど、それ以上に「Come on」にしろ「是、夏祭り」にしろ、聴いた人に面白いと思ってもらえる自信があったので。

ニューアルバム「LOVE & CARNIVAL」2016年8月31日発売 / KING RECORDS
初回限定盤 [CD+Blu-ray] 3700円 / KICS-93414
通常盤 [CD] 3200円 / KICS-3414
CD収録曲
  1. DEAD OR ALIVE
  2. Come on
  3. 是、夏祭り
  4. 騎士行進曲
  5. 愛、ひと欠片
  6. KIZUNA
  7. 愛すること
  8. Jump up!
  9. EIEIO
  10. That's Halloween
  11. ストーリーが始まる
  12. ホライズン
初回限定盤Blu-ray収録内容
  • angelaの「ミュージック・ワンダー★大サーカス2015」(2日目公演)
  • angela デビュー13周年記念☆拡大版「全部が主題歌ライヴ!!」メイキング映像
  • 「愛すること」アニメMV
  • 「KIZUNA」アニメMV
ライブ情報
angela Live Tour 2016「LOVE & CARNIVAL」
  • 2016年10月8日(土)大阪府 大阪城野外音楽堂
  • 2016年10月23日(日)東京都 日比谷野外大音楽堂
  • 2017年3月4日(土)東京都 日本武道館
angela(アンジェラ)

岡山県出身のatsuko(Vo)とKATSU(G, Key)による2人組ユニット。それぞれ音楽を志し上京したのち結成し、2003年にテレビアニメ「宇宙のステルヴィア」のオープニング主題歌「明日へのbrilliant road」でメジャーデビュー。1stシングルながらオリコン週間シングルランキングで15位をマークし、瞬く間にアニメソングシーンで存在感を示す。以来「蒼穹のファフナー」シリーズ、「アスラクライン」、「K」シリーズなど、多くの人気アニメの関連楽曲を担当。また「Animelo Summer Live」やアメリカの「SAKURA-CON」、カナダの「CANADIAN NATIONAL EXPO」、フランスの「Japan Expo」など、国内外の大型アニメ系イベントにも多数出演する。2014年には5月にアニメ「シドニアの騎士」のオープニングテーマ「シドニア」を発表。この曲は同年、アニメファンが選ぶ「アニメーション神戸賞」で主題歌賞を受賞した。2016年5月に山梨・河口湖ステラシアターで行われたデビュー13周年記念ライブを成功させ、同年8月にアルバム「LOVE & CARNIVAL」を発表した。