&|個々の道を歩んできた4人の魅力が相乗する 新世代女性ボーカルグループ鮮烈デビュー

私たち4人だけの武器を手に入れたかった

──6月のお披露目のステージはいかがでしたか?

モラレス あの日はサプライズ出演だったんですよ。シークレットということは「誰、この人たち?」というお客さんのリアクションも考えられるじゃないですか。果たして本当に受け入れてくれるか、すごくドキドキしていましたね。逆に言うと、そこを乗り切ったことで4人の絆が深まったと思います。

野島 うん、達成感はすごくあったよね。

山崎カノン

山崎 披露させていただいた「#tokyo」「Eenie, meenie, miney」の2曲は、これまで何十回もスタジオでリハーサルしてきたんです。だけどリハーサルで歌うのと、実際にお客さんの前でパフォーマンスするとでは、感覚的にもまったく違いましたね。皆さんが温かい笑顔で手拍子してくれるので、その気持ちがダイレクトに伝わってくるんです。

栗本 自分たちのテンションもどんどん上がっていくのがわかるんですよ。アイコンタクトって言うんですかね。ファンの方と目が合ってニコッと笑ったり、そういうのってリハーサルじゃ経験できないことですから。

野島 当日を迎えるまで、本当に4人ですごくたくさん練習したんですよ。自分たちで動画を録り、それを観ながらダメなところを指摘し合って……そういうことを続けていく中でチームワークが強くなっていったんです。そしてステージですべてを出し切って、笑顔で楽屋に戻ってきたときは、感極まってしまいました。「本当によかったね!」と4人で語り合ったことを覚えています。

──結成間もないのに、急ピッチで意識をそろえたということでしょうか。

山崎 それがですね、実は結成間もないグループというわけでもないんです。オーディションを経てメンバーが最初に集まったのは1年以上前ですから。

──えっ、そんな長期間のプロジェクトだったんですか!?

山崎 その間はハードに練習している時期もあったし、わりとそうでもないときもあって、「この先どうなるんだろう?」という不安はみんなが口にしていました。

野島 お披露目ライブで披露した「#tokyo」「Eenie, meenie, miney」についても、実はこの方向性に決まるまでもかなり試行錯誤を繰り返したんです。プロデューサーの菊池一仁さんが「4人にハマるサウンドはどんな感じだろう?」と本当にいろんなジャンルの曲を作ってくださって。模索していた期間は絶対に無駄ではなかったし、自分たちの強みや個性が明確になった気がします。

モラレス 「#tokyo」と「Eenie, meenie, miney」を聴いたときにビビッときたんですよ。「これだ!」って感じで。

野島 聴いていただければわかるかと思うんですけど、今までのJ-POPとはちょっと違う雰囲気があるんですよね。途中でセリフが入っていたりしますし。かといってK-POPや洋楽にもないような音だから、すごく新鮮に感じるんじゃないかな。オリジナリティがあることは間違いないです。

──個人的には少し意外な印象もあったんですよ。野島さん率いるグループだから、もっとゴリゴリの本格派R&B路線で歌唱力をアピールするのではないかと予想していました。

モラレス 「歌がうまくて、そこを武器にする」というグループは、例えばLittle Glee Monsterさんがすでにいらっしゃるじゃないですか。そこと同じ路線で行くよりは、私たち4人だけの武器を手に入れたかったんです。

野島 &の曲はおしゃれだし、聴けばかわいいと感じるはずです。同年代の女の子だったら共感しやすいと思います。ただ、難易度は決して低くないですよ。むしろ、かなり難しい。リズムにしても、ピッチにしても、優音ちゃんの出すハイトーンにしても、テクニック的には相当レベルが高いことが要求されますから。私たちも表現するのに苦労している最中なんです。

山崎 「コーヒーかチャイか」みたいな印象的なフレーズも多いし、聴いたときのインパクトは大きいんじゃないかな。一度耳にしたら忘れられなくなる感じで。&沼にハマる人がどんどん増えてくれたらうれしいです!

ビッグな存在になりたい

──しかし、1年以上も準備していたとは想像していませんでした。集まった頃とは4人の関係性もだいぶ変わったんじゃないですか?

栗本 最初は全員が敬語で話していましたね。「野島さん、お水飲みますか?」とか(笑)。私自身も猫を被っていた気がします。

モラレス 今はもうなんにでもオープンな感じになれた?

栗本優音

栗本 どうだろう……(笑)。最初はこの3人からも「真面目でしっかりした子」みたいに見られていたと思うんですよ。だけど学校や家での私は、真面目どころか完全なおふざけキャラなので。そういう素の部分は出せるようになってきた気はします。今後はファンの方の前でも、私のいろんな面が出せるようになれたらいいですね。

山崎 うん、そうだね。これは優音だけの話じゃなくて、4人全員がこれからはもっともっと個性をアピールできたらなって思う。

──ところで、&という特殊なグループ名には、どんな意味が込められているんですか?

野島 &という言葉は何かと何かをつなぐときに使われますよね。私たちも大切な人と大切な人をつなげる、そのきっかけとなる音楽を作っていきたいんです。人と人とのつながりを大切にして、どんどん“&の輪”を広げていけたら素敵だなって。日本語の“安堵”という意味も掛けられていて、4人の音楽で聴く人を癒していきたいなと考えています。

──なるほど。では、最後にグループとしての夢や目標を教えてください。

モラレス 夢は日本武道館です! 私たちは前から「武道館のステージに立ちたいです」、じゃなくて「武道館に立ちます」と言っているんです。

山崎 武道館に立つためには、ただ待っているだけじゃダメだと思うんです。自分たちでどんどん積極的に動いてチャンスを作っていきたいですね。

栗本 武道館は4人にとって本当に大きな夢。絶対に実現させますので、そのときはナタリーさんも取材に来てください(笑)。

──かしこまりました(笑)。本当にこれからのグループですから、可能性は無限大でしょうね。

モラレス まずは&というグループ名を知ってもらって、ゆくゆくは街で曲が流れてるのを聴いた瞬間に「あっ、これは&だね」と気付いてもらえるような存在になりたいんです。それで「真似したい」と憧れられるようなユニットになりたいな。

栗本 老若男女問わずに愛されたいという気持ちは強いですね。そして聴いた人が「よし、自分もがんばろう!」と思えるように歌で元気を与えていきたいです。

野島 私たち4人は別々のジャンルでがんばってきたうえで、運命に導かれるようにして同じ場所に集まってきました。だから4人が奏でるハーモニーは唯一無二だという自信はあります。そして&を聴いた人たちを勇気づけたり、背中を押したり、歌のパワーで人生を前向きに変えていきたいんですよ。でも、そのためには売れないとダメ。ビッグな存在になりたいと真剣に考えています。

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