まさかピアノを弾くとは
──北出さんは今作のレコーディングにおいて、一番力を入れたのはどういったところですか?
北出 「埃人間」でピアノを弾いたことですね(笑)。
川原 バンドやっていて、まさかピアノを弾くとは思ってなかった?
北出 マジで思ってなかった。だって、スタジオの個人練習でピアノがある部屋を予約したのも初めてのことで、このアルバムで一番練習したのがピアノですね。
岡本 「埃人間」は僕が初めてピアノで作った曲なんです。デモでは自分でピアノを弾いているんですけど、和音は弾けてもリズムは刻めないから、レコーディングでは大洋に弾いてもらいました。
川原 この曲はデモから変わったところが多いんじゃないかな。最初はシンガロングのパートもなかったし、曲自体ももっと短かった。「めっちゃいい曲だから、1コーラスで終わるのはもったいない」と思って、サビも増やしてもらったしね。そういう意味では一番アレンジが大変でしたけど、最終的な出来には大満足しています。
北出 僕はピアノも初めてでしたけど、シンガロングのパートで歌うのも初めてで、フル稼働でした(笑)。
岡本 アルバム終盤にこの曲が入ってることにみんなびっくりするんじゃないかと思います。「ammoがおかしくなってしまった!」って(笑)。
川原 「メジャーに行って変わった!」とか言われるんちゃう?(笑)
──レゲエチックなリズムを取り入れた「High Ace!!!」も気持ちのよい1曲です。アルバムの流れ的には、この曲で一度クールダウンしてから終盤に向けて再び熱が上がっていく感じがあります。
岡本 次の「愛魔性の女」を映えさせるためにも、その前に「High Ace!!!」を置きたかったんです。
川原 「愛魔性の女」は歌うようなベースラインが、個人的にもお気に入りで。僕も「これはちょっとヤバいのができた!」と自負しています。
ドラマーの皆さんはぜひコピーしてほしい
──「ナイタールーム」の歌の掛け合いも新鮮でした。
岡本 これも新しい試みですよね。実は、今回は曲ごとにいろいろと新しいことに挑戦しているんですよ。そこにもぜひ注目してほしいです。
──「終わらないプレリュード」はアルバムのラストにふさわしい、ダイナミックな1曲ですね。
川原 この曲は間奏部分が1分半くらいあるんです。どうせなら演奏で振り切ってやろうと思って、アレンジのときにめっちゃ尺を延ばしました。
北出 ドラムに関して創馬が「こういうのを叩いて」と口頭で伝えてきたんですけど、それがこの世に存在しないようなリズムで。
岡本 新ビートだ(笑)。
北出 完全に自分の中になかったものだし、めっちゃムズイのでドラマーの皆さんはぜひ一度コピーしてほしいです(笑)。
──リスナー視点では聴いていて違和感なく、気持ちよく楽しめるんですけど、プレイヤー視点では難しいと。
川原 そういう意味では、僕はいつも大洋に違和感を与えているわけですね(笑)。
北出 で、その違和感を毎回形にしています(笑)。
ammoが無敵になったら“シン・ammo”
──そういう10曲が集まったアルバムに「SONG LIE」というタイトルを付けた理由は?
岡本 文字面とか響きがカッコいいなと思って、直感で選びました。語感的にも“ソングライト”と似ているし……きっと考察とか好きな人は、ここで歌われていることが全部“嘘”なのかとか、いろいろ想像したりするのかな。
──そういう余白の残し方も、またammoらしいのかなと。
岡本 かもしれないですね。昔から「この曲はこういう意味です」とあまり言いたくなくて。100人いたら100通りの解釈があると思うから、できるだけ余白を残すようにしています。音楽ってそういうところも含めて楽しいものですからね。
──この充実したアルバムを携え、「Don't Cry No Tour」という全国ツアーも始まります。「百ノ位編」と銘打ったシリーズでは小規模なライブハウス、「千ノ位編」では東名阪のZepp会場を回りますが、このアルバムの楽曲がライブでどう鳴らされるのか今すごく楽しみです。
岡本 特に今作はライブ映えしそうな曲が多いですしね。「百ノ位編」は今まで対バンでお世話になっていたライブハウスにワンマンで行けるので、めっちゃ楽しみです。
北出 ただ、今作はとにかく難しい曲が多くて。「終わらないプレリュード」は最近のライブでやったばかりなんですけど、かなり難しかったんです。そういう曲があと9曲あると考えたら……ちょっと怖いです(笑)。とはいえ、ライブで披露したらレコーディングのときにはわからなかった発見がめちゃめちゃあると思うので、ライブでどんどん成長させていきたいですね。
川原 これは“ammoあるある”なんですけど、新しい曲をやったらその前のアルバムの曲が新しい武器になるという。それこそ「re:想-EP」の曲たちもこのアルバムができたことによってより映えるだろうし、なんなら前の前のアルバムの曲が「こんなところで生きるんや!」ってこともあるかもしれないし。そういう部分でもめちゃくちゃ楽しみですし、このツアーを通じて……新しいammoでもあり真のammoでもあるという意味で、“シン・ammo”になれたらいいなと思っていて。そろそろバンドとして無敵になりたいので、できるだけツアーに足を運んでほしいですね。
ライブ情報
ammo Major 1st full album release tour "Don't Cry No Tour" 千ノ位編
- 2024年9月21日(土)愛知県 Zepp Nagoya
- 2024年9月23日(月・振休)大阪府 Zepp Osaka Bayside
- 2024年10月13日(日)東京都 Zepp DiverCity(TOKYO)
ammo Major 1st full album release tour "Don't Cry No Tour" 百ノ位編
- 2024年10月18日(金)宮城県 FLYING SON
- 2024年10月20日(日)岩手県 the five morioka
- 2024年10月21日(月)栃木県 mito LIGHT HOUSE
- 2024年10月23日(水)千葉県 千葉LOOK
- 2024年10月27日(日)山口県 LIVE rise SHUNAN
- 2024年10月29日(火)大分県 club SPOT
- 2024年10月31日(木)鹿児島県 SR HALL
- 2024年11月1日(金)熊本県 Django
- 2024年11月5日(火)神奈川県 F.A.D YOKOHAMA
- 2024年11月15日(金)兵庫県 MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
- 2024年11月24日(日)岐阜県 yanagase ants
- 2024年12月3日(火)京都府 KYOTO MUSE
- 2024年12月6日(金)愛媛県 松山WstudioRED
- 2024年12月7日(土)広島県 広島CLUB QUATTRO
- 2024年12月9日(月)島根県 アポロ
- 2024年12月12日(木)長野県 ALECX
- 2024年12月13日(金)富山県 Soul Power
- 2024年12月15日(日)新潟県 EARTH
- 2025年1月13日(月・祝)北海道 札幌PENNY LANE24
- 2025年1月16日(木)東京都 CLUB PHASE
- 2025年1月19日(日)福岡県 BEAT STATION
- 2025年1月25日(土)高知県 X-pt.
- 2025年1月26日(日)香川県 DIME
プロフィール
ammo(アモ)
岡本優星(Vo, G)、川原創馬(B, Cho)、北出大洋(Dr)からなる大阪発の3ピースバンド。ライブハウスを中心に活動を重ね、2020年4月に1stシングル「寝た振りの君へ」を、11月に1stフルアルバム「会うは別れの始め」をリリースした。2024年1月にTOY'S FACTORYよりメジャーデビューEP「re:想-EP」、配信限定EP「re:奏-EP」を発表。最新作は2024年7月発売のメジャー1stアルバム「SONG LIE」。9月からリリースツアー「Don't Cry No Tour」を行う。