AMEFURASSHI 2ndアルバム「Drop」発売記念インタビュー|自信を持って提示する4人の最新モード

AMEFURASSHIの2ndアルバム「Drop」がリリースされた。

ガールクラッシュ感あふれるクールでスタイリッシュなビジュアル、R&Bやファンク、ダンスミュージック、シティポップなど多彩なジャンルを貪欲に取り込み、王道のアイドルポップスとは一線を画すハイクオリティな音楽性で注目を浴びているAMEFURASSHI。2020年発表の楽曲「メタモルフォーズ」を機に“かわいい”ではなく“カッコいい”方向性に舵を切った彼女たちは、今回のアルバムでそのスタイルをさらに押し進めている。「Drop」というタイトルには収録曲の“Drop=粒”が魅力たっぷりにファンを“Drop=落とす”という意味合いが込められているが、実際にアルバムに収められている11曲はどれも個性豊か。音楽ナタリーではメンバー4人にインタビューし、新曲を中心に新たな挑戦となったニューアルバムについて話を聞いた。

取材・文 / 近藤隼人撮影 / 入江達也

“カッコいい”を追求した結果

──2ndアルバム「Drop」はR&Bやダンスミュージックなどを軸にした最近の路線をさらに押し進め、アイドルソングの領域を拡張するようなバラエティに富んだ作品になっています。現在のこの路線について、正直なところファンの方の反応はどうなんですか?

小島はな 最初の頃は盛り上がり方に戸惑っているファンの方もいたんですけど、最近はそういう人もどんどんライブでノリノリになってきてますね。私たちがコロナ禍の中でコールがない状況でのライブの楽しみ方を研究してきて、盛り上げ方がわかってきたのも関係あると思っていて。最近の楽曲はもともとコールが入る感じの曲じゃないけど、ライブでみんな盛り上がってくれるし、特典会で「最近の曲、めちゃめちゃハマってます!」みたいに言ってくれるファンの方も増えました。

市川優月 “カッコいい”を追求したからこそだろうね。最初は私たちが楽曲を100%表現しきれてなかったから、ファンのみんなもどうノッていいのかわからなかったのかも。今のAMEFURASSHIのほうがいいと言ってくれる方が最近増えているのはうれしいですね。

──新規のファンが増えて、お客さんの層が変わったという実感もあります?

愛来 若いファンや女性のファンも含めて、どの世代の方も徐々に増えてきていて。いろんな方に認められて、好きになってもらえてるんだなと実感しています。

市川 以前はライブやイベントで女性エリアがなかったよね。最近はリリースイベントとかでも女性のファンの方が増えているのが目に見えてわかります。

AMEFURASSHI

AMEFURASSHI

──そういった新規の女性ファンはAMEFURASSHIのどういうところが好きになったんでしょう?

愛来 みんなファンになってくれたきっかけはバラバラなんですよ。たまたまYouTubeでAMEFURASSHIのミュージックビデオを観て、イベントに来てくれた人もいたし。

市川 もともとアイドルに興味がなかったっていう人もいて。

愛来 そうそう! ほかにもTikTokだったりInstagramだったり、ホントにさまざまなところが入口になっているんです。あと、「アメシャべ」(YouTubeで定期的に配信されているトーク番組「雨宿り中のアメフラっシゃべり」)がきっかけという人もいたんですよ。信じられない! あんなふざけた番組で……。

市川 ふざけたって言わないで(笑)。

愛来 番組はちゃんとしてるけど、中身のトークはふざけてるじゃないですか(笑)。

鈴木萌花 あとは、友達の紹介でイベントに来てくれるパターンも多いよね。そこからずっとファンになってくれる方もいて。

市川 自分たちで言うのもなんですけど、AMEFURASSHIはいろんなことに挑戦してきたんですよ。広げた網が大きいので、その分、引っかかってくれるきっかけが多いんだと思います。

──今のAMEFURASSHIの音楽性も新しいファンを呼び込んでいる一因だと思うのですが、歌唱力や、表情、ダンスを含むステージ上の表現力など、スキル的に要求されるレベルも上がってきたのでは?

愛来 そうですね。今回のアルバムも初めて挑戦するような楽曲が多くて、それと同時に自分たちの成長を感じています。

市川 やっぱり、どんどん難しいことに挑戦しているという実感はあるよね。

鈴木 曲によって歌い方も全然違って。

市川 いろんな歌い方にチャレンジすることで、歌唱力も上がってくるよね。裏声の出し方とか、引き出しが増えてきた。

──以前の楽曲ではやらなかった歌い方も多いと。

小島 めちゃめちゃ多いですね。以前とは真逆の歌い方をすることもあるくらいで。あと、英語の歌詞も多くなってきたから、その発音がホントに難しくて。かなりビシバシ指導されながらがんばってます。

──ダンスについてはどうですか?

愛来 ダンスも歌と一緒で、今の方向性になるのと同時にカッコよく魅せるようなスタイルになってきて。メンバーそれぞれに得意不得意がある中、あきらめないで自分たちのできることを練習してきたので、パフォーマンス力も上がってきてるんじゃないかなと感じています。

市川 ダンスに関してもビシバシしごかれて、いつの間にかスキルが身に付いてる感じ。無我夢中だよね(笑)。

──レッスンは相当厳しいんですか?

市川 先生が鬼というわけでは……ないです。

小島 今、一瞬否定するか悩んだね(笑)。めちゃくちゃ厳しいというわけではないと思います。ほかのグループがどうなのかわからないから比べられないですけど。

愛来 優しいときもあれば、厳しいときもあって。メリハリのある感じです。

市川 愛のムチです!

市川優月

市川優月

お互いに褒め合ってみよう

──自分以外のメンバーのパフォーマンス力について、特に成長したと感じる部分があればそれぞれ挙げてもらえますか?

小島 私は萌花のパフォーマンス力が上がったなと思います。前はかわいいを極めている感じだったんですけど、最近はカッコいい萌花がどんどん表に出てきていて。本人はカッコよく魅せるのは難しいと言っているんですけど、普通にカッコいいし、大人っぽい流し目とかできるんですよ。

市川 そうそう! 昔はなかった大人の女性感があるよね。特に今回のアルバムの新曲「Blue」のMVを観たときにそれを感じた。

小島 さすが最年長だなって。やっぱりAMEFURASSHIで唯一20歳を迎えたメンバーだからね。

市川 しゃべるとまだ子供感、私たちの妹感があるんですけど(笑)。

鈴木 わざわざ落とさなくていいから(笑)。ボイトレではメンバーみんな先生から表情のことを言われるんです。はなもよく注意されてるんですけど、MVを観ると「先生からどこのことを言われてたんだろう?」と思うくらいカッコいい表情しているんですよ。

──小島さんは昨年の大晦日に行われたももいろクローバーZの年越しライブイベント「第5回 ももいろ歌合戦」にて、BOYS AND MENやSUPER★DRAGONと一緒にBTS「BUTTER」をカバーしていました。小島さんがセンターに立って踊る姿は非常にインパクトがあって、イベント全体の中でも記憶に残るハイライトだったと思います。

市川 そうなんですよー。MVPでしたよね!

小島 いやいやいや! 私がボーイッシュなビジュアルということで選抜されたんだと思いますが、男性の皆さんの中に1人で入るのは不思議な感覚で、レッスンのときからめちゃくちゃ緊張しました。

小島はな

小島はな

市川 小鹿みたいに1人で震えてたよね。

愛来 かわいかった(笑)。

小島 でも、ボイメンさんとスパドラさんが優しく接してくださったおかげで緊張がほぐれました。「ももいろ歌合戦」のあと、いろんな人から「あれ、カッコよかったよ」と言ってもらえることが多くて、すごくいい経験ができたと思います。

市川 あれきっかけではなちゃんのことを知って、AMEFURASSHIを好きになってくれた人もいるよね。

──グループから飛び出しての個人活動の話だと、鈴木さんが4月に703号室さんと弾き語りのツーマンライブを開催したのも記憶に新しいです。

鈴木 ライブが決まったときからずっとソワソワしていて、「1人でライブなんてできないよ」と不安でした。相手は当然プロのアーティストの方ですし、ツーマンライブということで比べられるのも怖かったです。すごく準備をしていったものの、当日の本番前も緊張していました。生誕祭でギターの弾き語りをやったこともあるんですけど、初めて披露したときは本番で3回くらいやり直して。

市川 懐かしー。

鈴木 緊張に負けちゃって、うまくいったことがなかったんですよ。だから今回は絶対にビビらないようにしようと思ってました。ステージ上からフロアを見渡したら703号室さんのファンの方も、AMEFURASSHIファンの方も手拍子をしてくれて安心してライブができたし、今までの失敗を生かせて、終わったときは安心感がすごかったです。楽しかったですし、いい経験になりました。

──ももいろクローバーZの佐々木彩夏さんがプロデュースするグループ・浪江女子発組合のライブでも弾き語りを披露してましたね。AMEFURASSHIの活動とは別に、ソロのライブのどんどんやっていきたいと考えてるんしょうか?

鈴木 弾き語りは好きですし、浪江のライブで私の弾き語りを観たことがきっかけでAMEFURASSHIのライブに来てくれた人もいるんですよ。ツーマンライブではAMEFURASSHIの「Over the rainbow」を703号室さんとコラボしたんですけど、弾き語りでもAMEFURASSHIの曲を広めていけたらいいなと思っています。

鈴木萌花

鈴木萌花

──ここまで鈴木さんと小島さんの話が出たので、続いて愛来さんと市川さんにお互いを褒め合ってもらえればと。

愛来 私、ゆづ(市川)に対して感じることがすごくあって。ゆづは声がよく通るから昔は地声で歌うことが多くて、先生から「裏声で違う声の出し方をして」と注意されることが多かったんですよ。でも、最近は裏声の使い方がきれいになったんです。ゆずの裏声が大好きなんですよ、私。マニアックな話になっちゃうんですけど、「雑踏の中で」という曲で、「埋まらない」と歌うパートの「う」の音がすごくきれいで。

小島 確かに! あそこいいよねー。

市川 そんなこと言われたら、もう失敗できないじゃん。大プレッシャーだよ(笑)。

愛来 そこからゆづの歌い方がどんどんできあがってきました。

──逆に、市川さんが愛来さんに対して思うことは?

市川 えーと、5時間考えてもいいですか?(笑)

愛来 おい!

市川 うそうそ!(笑) 昔から変わらず自分磨きをしているからこそ、今の愛来があるというか。できなかったことに対して今もずっと地道に努力している分、表現力の幅がすごくあるなと思います。4人で踊っているときも、みんなの1歩前にいて、先陣を切って踊ってくれている感じがするんです。ステージでの見せ方がすごくうまいから、私1人で踊っていたらカッコよく見えてないだろうなと思うダンスが愛来によってカバーされてるなって。ホントにそう感じることが多いです。パフォーマンス面で“カッコいい”の代表としてグループを引っ張ってくれていると思います。

愛来 やった! ありがとう。

愛来

愛来

市川 自分に対する研究がすごくて。その成果が今、最大限に表れてますね。

小島 なんかお互いに褒め合うのっておかしいね(笑)。

鈴木 いいじゃん。こういうの聞きたかった(笑)。