新海ハルとガッチモンの相棒感

──「DiVE!!」の作曲は、「シューティングスター」でもタッグを組んだ宮田“レフティ”リョウさんが担当しています。彼とどういうやり取りをしてこの曲が生まれたんですか？

実はこの曲はけっこう前に作ってもらった曲だったんですけど、なかなか出す機会がなくて温めていたもので。それで「デジモンユニバース アプリモンスターズ」のタイアップをいただいたときに、「レフティさんに作ってもらった曲にすごく合うぞ」と思って提案したんです。歌詞もある程度書いていただいていたんですけど、レフティさんと話し合って2人で書き直して。

──歌詞はどういうものにしようと？

アニメは子供たちも観るものですから、わかりやすい言葉っていうのを意識しつつ、主人公の新海ハルとガッチモンの相棒感みたいなものが出るように考えました。それとAIとか人工知能のようなアニメに関係する言葉を交えつつ、新しいところに飛び込むっていうワクワク感も盛り込んでいます。

──すでにアニメはオンエアされてますが、ご覧になっていかがですか？

楽しんでます。主要メンバーのデザインが好きですし、アプモンが進化してCGになると、昔のデジモンっぽさがあってうれしくなるんですよね。設定自体もアプリっていうものをうまく使っていて面白いですし、主人公たちが立ち向かわなければいけないボスキャラがしっかり描かれていてこれからも楽しみです。あと僕が歌うオープニング主題歌を挟むタイミングが毎回いいんですよ（笑）。アニメとしても面白いですし、昔「デジモン」を観てた人にも改めて触れてほしい作品だと思います。

「星月夜」を超えたい

──シングルのカップリングについても話を聞かせてください。まず「明星の刃」は、舞台「剣豪将軍義輝～戦国に輝く清爽の星～」のテーマソングにも決定しています。

以前同じシリーズの舞台にテーマソングとして使っていただいた「星月夜」って曲を気に入っていただきまして、舞台のプロデューサーさんが「『星月夜』を超えたいと考えた結果、やっぱり天月-あまつき-くんがいい」と言ってくれたみたいなんです。僕は「ぜひやらせてください」って即答しました。

──「『星月夜』を超えたい」という声はプレッシャーになりませんか？

プレッシャーではありますけど、そもそも音楽は正解がわかりにくいものですから、前回を超えるっていうのもあくまで目標として捉えてましたね。「星月夜」は、舞台で使ってもらったことで力を持った曲ですから、きっと「明星の刃」も舞台で使ってもらうことで育っていく曲なんだろうなと思ってます。僕も歌詞の一部を書いているんですけど、戦いをテーマに熱い決意を歌うイメージの曲に仕上がりました。

──ちょうどシングルの発売日が舞台の千秋楽なんですね。

そうなんです。僕もまだ舞台は観れていないので、曲がどういうふうにハマっているのか観るのが楽しみですね。

冬の時期に温かくなる「プレゼント」

──もう1曲「プレゼント」は、天月-あまつき-さん本人が作詞作曲したナンバーです。この曲はどういう取っかかりで？

今年の夏頃にツアーをしながら「冬の曲を作りたいな」と考えていて。ただ前に友人のシンガーソングライター・佐香（智久）くんとクリスマスソングを作ったことがあったんで、そこは外して冬の時期に聴いて温かくなるような感じの曲にしたかったから「プレゼント」ってタイトルだけ先に決めたんです。

──曲中に鈴の音と鐘の音だけになるところがあったりして、曲の展開がものすごくドラマチックですよね。

よく聴くと時計の音も入ってるんですよ。24:00を回って誕生日になった瞬間の感覚を出したくて、アレンジをお願いしたSakuさんに鐘の音のボリュームとかを何度も調整してもらって。この曲の中でも一番こだわったところですね。Sakuさんのおかげですごくキラキラした曲になりました。

──7月にリリースされたアルバム「箱庭ドラマチック」に収録されていた天月-あまつき-さんの書き下ろし曲「グッバイドラマチック」には、天月-あまつき-さん自身の比喩にもつながる「月」という言葉が使われていたのが印象的でした。しかし今回の書き下ろし曲「プレゼント」には「月」という言葉が使われていないのと、「星月夜」を越えようと書いた新曲「明星の刃」も月からは離れているなと思いまして。

あ、本当だ。確かにどちらも「月」という言葉からは離れましたね。

──アルバムをリリースした直後のシングルで、新しい一歩を踏み出したのかな、とも思ったんですよ。

言われて気付きました（笑）。自分で意識はしてなかったんですけど、もしかしたら自分の中でもアルバムを出したことでひと区切り付いた実感があったのかもしれませんね。