ナタリー PowerPush - AKB48リクエストアワー セットリストベスト100 2012

国民的アイドルを通じてGoogle+の楽しみ方を体感

「AKB48紅白対抗歌合戦」生中継レポート

YouTubeとGoogle+の2方向から楽しむ

「AKB48紅白対抗歌合戦」の様子。

「AKB48紅白対抗歌合戦」のネット生中継については、ナタリーでもイベント開催当日午後にニュースにて紹介し、記事には多くのアクセスが集まった。イベントの模様は、AKB48の公式YouTubeチャンネルでのステージ正面からの引きを中心とした映像に加え、Google+の各メンバーページにてステージ上からのアップ映像を配信。2つの異なる角度からイベントの様子を、臨場感ある映像で楽しむことができた。

そして、イベント終盤には紅組、白組の勝敗を決めるためにもGoogle+を活用。AKB48公式Google+ページ上に設置された「+1ボタン」を用いてどちらかに投票し、その結果が審査に反映された。今後もネットユーザーを巻き込んだ投票企画などが考えられるだけに、今回のイベントはテストケースとして非常に興味深いものだったと言える。

「ハングアウト」機能で次世代ライブを体験

ハングアウト画面

今回の「AKB48紅白対抗歌合戦」では、Google+の機能「ハングアウト」を使った新しいライブ参加への提案がなされた。ハングアウト機能とは、1度に10人までの参加者間でビデオチャットが無料でできるGoogle+のサービス。参加者間でビデオチャットをしながらYouTubeの動画を共有することもでき、このハングアウト機能を使えばイベント会場にいなくても友人とビデオチャットをしながらライブを共有できることで、大きな反響を呼んだ。

イベント当日、ナタリー編集部内でもハングアウト機能を使ったビデオチャットを実施。「AKB48紅白対抗歌合戦」を鑑賞しながら、各参加者がそれぞれの推しメンについて語り始めた。中でも、日本初お披露目となったJKT48が登場した際には、参加者全員から驚きの声が続出。「推しメン、どの子にする?」「名前と顔が一致しないよ!」「『会いたかった』がインドネシア語になってる!」など、思い思いの感想を口にし、異様な盛り上がりを見せた。

イベント終了後にはメンバーを交えた反省会も

高橋みなみと大島優子による反省会の様子

約3時間半にわたる生配信終了直後には、紅組キャプテンの高橋みなみ、白組キャプテンの大島優子によるイベント反省会がハングアウト機能を用いて実施された。イベントの熱が冷めやらない2人が交わす会話の模様は、ネットを通じて大勢のファンが目にすることとなった。

反省会の内容はスペシャル前座ガールズとして登場した新生DiVAやノースリーブスの話題から、自身の出番についてまでさまざま。MCで語られなかったイベントの裏側が赤裸々に明かされ、中には「本当は(大堀めしべの)『甘い股関節』を歌いたかった」(高橋)、「私もやりたいと思ってた(笑)」(大島)という驚きの発言も飛び出した。

また、高橋が「Beginner」アコースティックバージョンを歌うことになった経緯の説明では、プロデューサーの秋元康がGoogle+にて「高みな、アレンジ、どう?」「高みな、頑張れ!」と投稿し、高橋がヒヤッとしたことも明らかに。「メールのやり取りですればよかったのに」(高橋)、「あれ言っちゃいけないんじゃないの?(笑)」(大島)など率直な感想が飛び出したのも、この中継の面白さと言えるだろう。今後もこのようなメンバーの生の声が聞ける配信にも期待したい。

Google+上でのAKB48面白エピソード集

昨年12月8日のGoogle+参入以来、昼夜問わずさまざまな書き込みをアップし続けているAKB48。ここでは今日までに起こった興味深いエピソードをいくつかピックアップし、紹介していく。これらを通じて、Google+の新たな楽しみ方を見つけてみては。

ラジオ生放送を実況中継

毎週金曜深夜にニッポン放送系でオンエアされているAKB48のレギュラー番組「AKB48のオールナイトニッポン」には、毎回いろいろな組み合わせでメンバー3人が出演。中にはこの番組を自宅にて聴いているメンバーも存在し、ときには番組中にほかのメンバーに突然電話をかけるサプライズも飛び出す。

Google+に参加したことで、ラジオ出演メンバーは番組の合間にスタジオの様子を写真に撮って公開し始めた。一方の在宅メンバーはラジオを聴きながら、その感想をGoogle+上に綴り始め、ファンとディープな交流を図ることに。在宅組の松井咲子、仲川遥香などはパーソナリティを務めるメンバーへの呼びかけから、番組内容からはみ出した会話まで、1つのラジオ番組を通じていろいろな面を見せている。こういった行動はAKB48のファンにも通じるものがあり、ファンからするとメンバーにより強い親しみを感じることになったのではないだろうか。

ちなみに、最近ではラジオのレギュラー生番組に出演中のメンバーが、CM中にGoogle+に投稿することも。さらに、1月下旬の「AKB48のオールナイトニッポン」では松井や石田晴香、片山陽加などが「ぐぐたす(Google+)選抜」として出演し、話題を集めた。推しメンがラジオ出演する際には、Google+のチェックもお忘れなく。

深夜のお絵かき画伯対決

片山陽加のGoogle+ページ

事の発端は、2011年12月18日深夜放送のフジテレビ系「新堂本兄弟」に出演した渡辺麻友。彼女が番組内で描いたドラえもんのキャラクター「スネ夫」に触発され、片山陽加が自身の描いたスネ夫のイラストを公開。その微妙なイラストに対し、ほかのメンバーから厳しいツッコミが入った。

そして、片山に続いて大家志津香、柏木由紀もお絵かき対決に参戦。柏木の「クレヨンしんちゃんで対決しよーぜ!!」の一言により、その後もメンバーは野原しんのすけ(「クレヨンしんちゃん」)、ドラえもんのイラストを公開していった。片山の衝撃的な画力に加え、各メンバーからのコメント、ツッコミなどもあり、その一部始終を眺めていたファンにとっては笑いの絶えないひとときになった。

このイラスト対決はその後もさまざまなメンバーに広まっていき、最近ではSKE48やNMB48のメンバーも自信作を公開。中にはiPhoneアプリのぬり絵を使ったイラストをアップするメンバーも登場し、お絵かきはAKB48界隈で安定した人気を保っている。

その評判はプロデューサー秋元康の元にまで届き、ついには「AKB画伯を集めて、個展をやろう」という展開に。AKB48、SKE48、NMB48の精鋭たちが一堂に会するこの個展でどのような作品に出会うことができるのか、ファンは今から楽しみにしておこう。

Google+、このメンバーを要チェック

今回の特集を読んで、これからGoogle+に参加してみようと思っている人に、ぜひチェックしてほしいAKB48ファミリーのメンバーを紹介する。メディアへの露出度や一般的な知名度を除外し、Google+を十分に使いこなしつつ、自身が楽しんでいるだけでなく観ているファンも楽しませているかをポイントに、3人のメンバー+αを選出した。

なお、1月27日にはGoogle+の利用規約により個人アカウントを取得できなかった18歳未満のメンバー109人が、新たに個人アカウントを開設。これにより「まゆゆ」こと渡辺麻友(AKB48チームB)や、松井珠理奈(SKE48チームS)といった若手人気メンバーも続々と投稿を始めている。

松井咲子(AKB48チームK)

松井咲子のGoogle+ページ

現役音大生としてファンの間で知られる彼女だが、これまで選抜メンバーとしてメディアに登場する機会は数えるほどしかない。そんな彼女の個性が、Google+上で存分に発揮されているのが興味深い。

読む者を思わず「クスリ」とさせる、その絶妙なコメントと他メンバーへの返し。投稿した写真やイラストをきっかけに、ほかのAKBメンバーを巻き込んだ盛り上がりを誘うあたりに、彼女のセンスが伺える。その結果、ファンやメンバーから「師匠」の称号が与えられ、ついには秋元康からも師匠と呼ばれたことを彼女自身がGoogle+上で明かしている。

そんな彼女は、1月7日放送のフジテレビ系「芸能界特技王決定戦 TEPPEN」のピアノ部門に出演し、見事ピアノ3代目てっぺんを獲得。これを機に、秋元が松井にピアノを弾かせた「マジすか学園2」のサウンドトラック盤を過去に計画していたことを明かした。そして、松井に対する注目が集まったことでピアノインストアルバムでのソロデビューが実現へと一歩近づくこととなった。リアルタイムで反応を得ることができるGoogle+は、今後も彼女のように「チャンスの順番」を掴むきっかけの場になる可能性が高い。

高城亜樹(AKB48チームA)

高城亜樹のGoogle+ページ

フレンチ・キスの一員としても活躍中の彼女。実はGoogle+でもその個性を遺憾なく発揮している。

彼女の投稿する独特の空気感を持つ文章や写真、イラストは、観る者をときに癒し、ときに「?」とモヤモヤした気持ちにさせる。不思議系キャラと言えなくもない彼女の言動は、他メンバーのコメントからも伺うことができるので、ぜひチェックしてみてほしい。

さらに、彼女の真のすごさは自身の投稿ではなく、他メンバーの投稿内にも隠されている。実は彼女、Google+にAKB48メンバーが参加して以来、さまざまなメンバーの投稿にコメントを付けまくる「コメントマスター」としてファンから愛されている。コメントを付けるメンバーも同じAKB48メンバーからSKE48、さらにはNMB48のメンバーにまで広がっており、コメントの中味も核心を突くものから的外れな内容までさまざま。ほんの短い1文の中から、彼女の不思議な魅力を体感することができるのもGoogle+の魅力の1つと言えるだろう。

松村香織(SKE48研究生)

松村香織のGoogle+ページ

「AKB48メンバーのつながりはなんとなく見えてきたけど、SKE48はちょっとわからないなあ……」という人にこそチェックしてほしいのが、「かおたん」の愛称で知られる彼女。松井珠理奈や松井玲奈といったAKB48でも活躍する選抜メンバーとは違い、メディアに登場する機会こそ少ないものの、彼女を通じてSKE48の日常の断片を垣間見ることができる。

例えば先輩メンバーとの絡み、同期メンバーや後輩メンバーとのやり取りなどを、写真を豊富に使って紹介。そんな彼女の投稿に、先輩メンバーや同期メンバーがコメントを付けていくのも面白い。また、松村自身も他メンバーの投稿に対し、頻繁にコメントを付けている。そのちょっとしたメンバー間のやり取りを見つけて楽しむのも、Google+の魅力の1つだ。

特に、彼女の誕生日1月17日未明に行われたお祝いコメント合戦は、ファンにとって記憶に新しいところだろう。1つの投稿に対してコメントが500件まで付けられるGoogle+上で、松村は自身の投稿に対して1コメント目を狙っていくが、なかなか1コメント目が取れず、最終的に同じ投稿を5回もしてファンを驚かせた。この「祭り」にはファンのみならずSKE48のメンバーも参加。何度も「かおたんおめでとう!」「BBQ(BBA=ババアから派生した松村の愛称)おめでとう!」とコメントを付けていくファンからは、松村に対する強い愛情を感じることができた。その後も質問祭りなど、彼女らしい催しがGoogle+上で行われているので、この機会に「かおたん」の魅力に触れてほしい。

秋元康

秋元康のGoogle+ページ

言わずと知れたAKB48グループの総合プロデューサーも、2012年1月から積極的にGoogle+に参加。プロデューサーという立場もあり多くのメンバーは恐る恐る接していたものの、ネット上ではフレンドリーな姿勢でメンバーと交流を深めている。その物腰の柔らかさから、いつしか「やすす」の愛称で呼ばれるようになったのも記憶に新しいところだ。

秋元の発言からは「今どのようなAKBの仕事を進めているか」「現在どのようなプロジェクトが進んでいるか」が一目瞭然。ファンからすれば、そういった現在進行中の作業をリアルタイムで知ることができるのも魅力の1つだろう。さらに、メンバーのちょっとした発言に対し、「どうした? 何かあったら話してみなさい」とやり取りするところもファンに丸見え。逆に、ファンが「○○が落ち込んでいるので励ましてあげて!」と秋元に教える場面もあり、こういうコミュニケーションが直接取れるのもGoogle+の醍醐味といえる。

お気に入りのメンバーをサークル内に入れた後には、ぜひ「やすす」も一緒にサークルに加え、AKB48ならではのやり取りを堪能してほしい。

AKB48 Now on Google+

AKB48 Now on Google+

2011年12月8日に劇場デビュー6周年を迎えたAKB48が、海外を視野に入れた活動をより一層発展させることを目指した新戦略プロジェクト。デビュー当初からのコンセプトである「会いに行けるアイドル」をインターネットでも実現させるべく、Google+を活用した新たなコミュニケーションをファンと構築していく。

概要
1. メンバーの最新情報をリアルタイムで配信
AKB48のメンバーや姉妹グループのページを通じ、メンバーの最新情報の配信。ユーザーはメンバーを「サークル」に追加することで、発信される情報をGoogle+の「ストリーム」上でリアルタイムで見ることができる。サークルは複数作ることができるので、「推しメン」「チームA」のように名前を付けて分類し、見たいサークルからのお知らせだけをストリーム上で表示させることが可能。メンバーがGoogle+で共有した情報は英語、中国語(簡体字、繁体字)、韓国語、タイ語、インドネシア語の5カ国語に翻訳される予定だ。
2. ハングアウトでメンバーとビデオチャット
10人同時に参加できるビデオチャット機能「ハングアウト」を活用し、メンバー本人とファン9人とのビデオチャットが実現。ハングアウト開催の予定については、各メンバーをサークルでフォローすると情報を得ることができる。
3. Google+上でコンサートのライブ配信
ハングアウト機能を活用し、AKB48のコンサートの模様をメンバーのGoogle+プロフィール上でリアルタイム配信。お気に入りのメンバーをサークルに加えると、限定コンテンツを視聴することができる。
AKB48(えいけいびーふぉーてぃーえいと)

秋元康プロデュースのもと、2005年に始動した次世代型アイドルグループ。劇場に足を運べば毎日会える「会いに行けるアイドル」をコンセプトに、秋葉原にある専用劇場(AKB48劇場)で、チームA、チームK、チームB、チーム4が毎日ステージを行っている。楽曲はすべて秋元康が作詞を担当。2006年10月にシングル「会いたかった」でメジャーデビューを果たし、数々のシングルを発表した。

2008年にはレーベルを移籍し、同年10月にシングル「大声ダイヤモンド」をリリース。2009年7月にはシングル曲の選抜メンバーを決定する選抜総選挙を、ファン投票により実施した。同年8月には初の日本武道館公演も実現し、10月リリースの14thシングル「RIVER」では初のオリコンウィークリーチャート1位を獲得。その後も快進撃を続け、「ポニーテールとシュシュ」「ヘビーローテーション」といったヒットシングルを立て続けに生み出す。2010年10月リリースの18thシングル「Beginner」は発売初週に80万枚を超えるセールスを記録。2011年1月末までに売上100万枚を突破した。

2011年1月には初のドキュメンタリー映画「DOCUMENTARY of AKB48 to be continued 10年後、少女たちは今の自分に何を思うのだろう?」が公開。同年7月には西武ドームで初のスタジアム公演を行い、3日間で合計9万人の動員を記録した。また、同年発売のシングル5作品(「桜の木になろう」「Everyday、カチューシャ」「フライングゲット」「風は吹いている」「上からマリコ」)はすべてミリオンセールスに達し、2011年オリコン年間シングルチャートで1位から5位をAKB48が独占する結果となった。