愛美|臆病な自分を受け入れてリスタート

作詞がめちゃめちゃ楽しい

──愛美さんの名前を思わせる「AI Mean It!」というフレーズも出てきますが、これはどういう意味合いで?

これはレコーディングの前日に変えたところで。最初は別のワードを入れていたんですけど、もうひとクセ欲しいなとずっと思っていたんです。それで“AIMI”を入れるというアイデアを思い付いて、深夜に生まれました。「I Mean It!」が「本気で」みたいな意味で、それを「Going my way!」と合わせて、「自分の道を進む、本気で」という文章にしてみました。Iの部分にAを足すことで、「AIMIの道を進む」みたいな意味合いの造語になってるんです。いつか声を出せるライブになったらお客さんにもこの部分を歌ってほしいな。

──「臆病な自分と愛鳴らして」もそうですが、こういう言葉遊びというかひとクセある歌詞がたくさんありますよね。そこは意識して入れているんですか?

愛美

そうですね。目で見ても、音を聴いてもすっと入り込める歌詞にはしたかったので、感情とズレがない漢字選びとか、あえてひらがなにするとか英語にするとかはけっこう考えました。

──作詞は楽しいですか?

めちゃめちゃ楽しいです! もうずっとやっていたいぐらい。

──きっと作詞が向いてるんでしょうね。歌いたいことや伝えたいことも明確にあるようですし。

向いてるんですかね? うれしいです。こういう歌を歌ってみたいとかこういうことを歌詞にしたら面白いだろうなとかいうのは日頃生きていて常に考えているので、それを全部この活動の中で表現できたらと思っています。

誰にも言えない悩みがある夜に聴いて

──カップリング2曲も聴かせていただいたところ、やはり総じて暗いというか(笑)、バリエーションのある暗さが表現されていますよね。カップリング曲についてはどのように制作を進めていきましたか?

カップリングもいろんな曲を集めていただいた中でいいなと思ったものを選んだんですけど、全部表題曲になってもおかしくないくらいとってもいい曲でした。2曲目の「MAYDAY」は最初に聴いたときにめちゃくちゃカッコいいと思って、絶対に歌いたくて選ばせていただきました。この曲はメロディからインスピレーション受けて歌詞を書きましたね。

──表題曲とは違うヒンヤリとした質感のサウンドから始まって、サビに向けて徐々に熱くなってきたところで「死にたくなるんだよ」と来るので、やはり根の深い……。

暗いですよね(笑)。でもわりと多くの人が思ったことがある感情なんじゃないかなと。そう思ったことがある人にとって救いの曲になればいいなと思うし、誰にも言えない悩みがある夜に聴いて泣いていただくのもいいですし。吐き出す場みたいなものとしてこの曲を聴いていただけたらいいなと思います。

──この曲も荒ぶった気持ち、沸々とたぎる感情を臆面なく出している感じがすごく伝わってきます。

歌の面白いところって、日常だと口に出せないような言葉も音楽に落とし込めるところところだと思うんです。なので普段吐き出せない思いがある人は、ぜひこの曲をカラオケとかで歌ってほしい。こういうテーマはいつか作詞で表現したいなと思っていたので、思ったより早く叶ったというか、再スタートのタイミングでいい曲に出会えたなと思っています。

愛美

絶対失恋ソングにしよう

──「ラブレター」は大枠ではラブソングですが、やっぱり内容は重くて。

ははは(笑)。

──一人称に「僕」という言葉が使われていて、メッセージを込めた曲というよりはストーリー性のある書き方ですよね。

これも曲を聴いてすぐ「絶対失恋ソングにしよう」とイメージが湧いて。男女どちらの目線にも当てはまるように書いているので、自分にあてはめていただいてもいいですし、物語として楽しんでいただくのもいいのかなと思います。

──レコーディングの出来は、ご自身の評価としてはいかがですか?

「ほかにこういう歌い方があったかな」とかは思うんですけど、それは今後のライブなんかでやってみたらいいかなと。長く活動したいと思っているので、これからの愛美がどんなふうに歌うか楽しみにしていてほしいし、「もう少しこうしたい」と気付けるということはまだまだ成長できるということだと思うので、自分も未来の自分に期待したいです。

愛美

──アーティスト活動の再スタートとして、現時点での100%を出せたという実感はありますか?

はい。本当に自信を持ってお届けできる1枚です。

──このシングルでは愛美さんの心の奥底にある暗い部分が表現されていますが、今後明るい曲を作る予定はありますか?

挑戦してみたいなと思っています。

──今作にも1曲くらい少しほっとするというか、明るい曲があってもいいのかなと思いましたが、容赦ないですよね(笑)。

確かに、よく許してもらえたなあって感じですね(笑)。

──いろんな面を見てほしいというよりは、振り切った部分を見せたかったんでしょうか?

選んだ楽曲に沿って詞を書いたら結果こうなってしまったという感じですね(笑)。

──好きな曲を選んで、それに対して言葉を選んだらこうなったという。

そうなんですよ。今後も楽曲次第ではめちゃめちゃ明るい曲とかも書くと思いますし。自分も楽しみだなって思います。