ケースがふっくらしてる！

──今、我々の前にはできたてほやほやの「クロクレストストーリー」の初回限定盤AとB、そして通常盤が用意されていますが、アルバムのアートワークも凝ってますよね。

そらる　アートワークに関しては「時計」をモチーフにしていて、A盤はピカピカのきれいな時計なんですけど、B盤の時計は古くなってるんですね。そのモチーフを決めるところから、カバーイラストを描いてくださったM.Bさんと話し合って。M.Bさんはアルバムの外箱のデザインもラフの段階から何パターンも用意してくださって、それをまふまふと相談しながら徐々に詰めていく感じでしたね。

まふまふ　（CDのパッケージを開けて）すごい、こんなしっかりしたプラケース使ったことない。

そらる　（プラケースを触りながら）ほんとだ、ふっくらしてる。

まふまふ　手に優しいですよね。

──同人時代から唯一変わったのは、プラケースの質（笑）。

そらる　ほんといいケース使ってる。ブックレットの紙も、これ絶対高いやつだし。

まふまふ　こんなの絶対自分じゃ作れないですよ。イラストもデザインも素晴らしいので、たくさんの人に手にとってもらえたらと思います。

当たり前ですけど、できたほうがいい

──ご自分でもCDを作ってる方は、見るところが違いますね。さておき、以前、音楽ナタリーでライブレポートにすごく大きな反響があったのですが （参照：そらる＆まふまふ、ソロありコスプレありのツアー大盛況）、あのツアーを終えて、どんな感想を持たれました？

そらる　反応が非常によかったです。今まで、小規模ながらソロでライブをやったり、いろいろなライブイベントに参加したんですけど、ライブをやる前と終わったあとで、そこまで大きな変化は感じなかったんです。でも、まふまふと2人でやったツアーに関しては、ニコ動の再生数だったりみんなの反応が目に見えて、肌で感じるくらい違うものになっていて。そういうのって、何年も音楽をやってきて初めてだったので、すごいびっくりしました。もちろんツアー自体も、2人でライブをやるのも初めてですし、反省点もたくさん見えたんですけど、それでも多くの人が喜んでくれたんだなっていう実感はありましたね。

まふまふ　僕は、本音を言うとあまり人前に出たいタイプではなくて……。最初にそらるさんからツアーの話をされたときは「ちょっとそれだけは勘弁して。ほかのことだったらなんでもするけど、ライブだけはマジでやりたくない」って言ったんですよ。僕は人前で歌を歌うとかじゃなくて、あくまで作品制作をしたいと。実際、やることが決まってからも、リハーサルもしんどくて、熱が39度くらい出て「もう無理、無理無理無理！」ってなって。

──しかも、難しい曲を自分で作っちゃってるし。

まふまふ　そうなんですよ。でも、いざやってみると、自分がまったく想像してなかった空間が広がっていて、その新しい経験が血となり肉となり、また刺激をもらえたんじゃないかなと。だから結果として、やってよかったなと思ってます。それでも、やっぱり怖いんですけどね。

そらる　自分も、ライブはいつも怖いという思いと闘いながら挑んでいます。

──そうなんですか？

そらる　とても怖いものなんですけど、やり終わったあとに「やらなきゃよかった」って思うことはないし、それは自分に必要なことなのかなと。

──「自分に必要」とは、どういう意味で？

そらる　まず、ちゃんとライブをできるようになりたいというのが1つ。当たり前ですけど、できたほうがいい。緊張しないで「ライブやりたくない」とか思わないようになって、どんどん人前に出てカッコよく歌えたほうがいいんですよ。

まふまふ　まあ、そうですね。

そらる　でも、それってやらないとできるようにならないし、やったからできるようになるものでもないですよね。逆に、やらずに避けて通ることもできるし、それって別に悪いことじゃないと思うんですけど、たぶん、僕らはやったほうがいい。次の両国でもきっとすごく緊張して、怖いなって思うんでしょうけど、乗り越えていきたいものの1つではあります。